公立高校の実質無償化及び高等学校等就学支援金予算に関する質問主意書

下記の質問主意書を提出する。
平成二十二年二月十日

提 出 者                  馳   浩

衆議院議長  横 路 孝 弘 殿

 

  平成二十二年度予算概算要求では、「高等学校等就学支援金」として四千五百一億円が要求され、平成二十二年度予算案で「公立高校の授業料無償化及び高等学校等就学支援金の創設」として三千九百三十三億円が決定された。
 概算要求時より五百七十億円近く予算が削減されているが、削減された経費の内訳について、二月二日に開催された自由民主党の会議において文部科学省は、「都道府県が行っていた公立高校の授業料減免分に対して、地方財政措置で減免措置分を考慮していた分が、授業料不徴収により不要となったもの」及び「私立高等学校等に対する就学支援金の基準が当初より低くなったため」と説明したが、直近の二月五日の会議では、「従来、都道府県が行っていた公立高校の授業料減免分に対しては、地方の負担として残る」という旨の説明を行った。二日と五日の説明には矛盾があると思われる。
 従って、次の事項について質問する。 

一 概算要求時から予算案決定までに削減された約五百七十億円の予算の内訳。

二 民主党が第一七一回国会に提出した「国公立の高等学校における教育の実質的無償化の推進及び私立の高等学校等における教育に係る負担の軽減のための高等学校等就学支援金の支給等に関する法律案」では、市町村から各家庭に授業料分を直接、給付する方式である。右記法律案では、法律の施行に伴い必要となる経費を「約四千五百億円」としており、平成二十二年度概算要求と金額が一致している。従って、概算要求も、「直接給付」を採用したものと考えられるが、確認を求める。

三 「直接給付方式」は巨額の事務作業経費を要することから、間接給付に改めるべきとの意見が多く、例えば日教組が昨年十月十四日に川端達夫文部科学大臣に対して行った予算要望でも、「(高校無償化の)支給方法については、無駄撲滅の観点から事務経費の軽減をはかるため、学校設置者への給付方式をとること」となっており、概算要求当時には直接給付方式での検討が成されていたことを間接的に明らかにしている。本年一月二十九日に内閣が国会に提出した「公立高等学校に係る授業料の不徴収及び高等学校等就学支援金の支給に関する法律案」では、私立高校生に対する就学支援金の支給は学校設置者が代理受領するものとされており、直接給付方式ではない。直接給付方式での概算要求の場合、試算していた事務経費の金額及び直接給付方式を改めたことにより、平成二十二年度予算案で削減された事務経費の金額とともに、給付方式を改めた理由を明示されたい。 

 以上質問する。



衆議院議員馳浩君提出
公立高校の実質無償化及び高等学校等就学支援金予算に関する質問
に対し、下記答弁書を送付する

内閣衆質174第103号
平成22年2月19日

内閣総理大臣                  鳩山 由紀夫

衆議院議長  横 路 孝 弘 殿

 

 衆議院議員馳浩君提出 公立高校の実質無償化及び高等学校等就学支援金予算に関する質問に対する 答弁書 

一について 

 平成22年度予算の概算要求において「高等学校等就学支援金」として計上していた額と平成22年度予算において「公立高等学校に係る授業料の不微収及び高等学校就学支援金の支給」として計上している額との差額の内訳は、公立の高等学校等の授業料に関し、すべての生徒に係る授業料担当額を国が助成する方式を、実際に授業料を徴収する生徒に係る授業料収入の総額に担当する額を国が地方公共団体に交付する方式としたことによる約310億円の減、保護者等の収入の状況に照らして特に経済的負担を軽減する必要がある私立の高等学校等の生徒等に対する高等学校等就学支援金の増額支給の基準を変更したこと等による約260億円の減である。 

二及び三について

 平成22年度予算の概算要求においても、高等学校等就学支援金については、学校の設置者が受給権者に代わって受領するものとしていたところである。


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