下記の質問主意書を提出する。
提 出 者 馳 浩
衆議院議長 横 路 孝 弘 殿
自閉症の人への支援体制は、現状において、知的障害の有無・レベルによって、またはライフステージ(児童期、成人期、高齢期)によって分断されている。しかし、教育、福祉、雇用、医療などの側面から、あるべき援助を考えた場合、自閉症か、アスペルガー症候群か、あるいは高機能自閉症か、他に分類されない広汎性発達障害かというサブカテゴリー診断に拘泥するのは妥当ではない。
そこで、次の事項について質問する。一 いわゆる自閉症スペクトラム(カナーの提唱した自閉症に、アスペルガーの提唱したアスペルガー症候群、さらにはその周辺にあるどちらの定義も厳密に満たさない一群を加えた広い概念であって、社会性、コミュニケーション、想像力の三領域に障害があることで定義される)という概念を、自閉症の人たちへの支援の前提として取り入れ、その上で、自閉症スペクトラムに対する支援施策を一元化することが重要と考えるが政府の見解をお聞きしたい。
二 小中学校において、児童生徒に対して自閉症の有無などの実態調査を行っているのかお聞きしたい。
三 同じく小中学校において、自閉症の児童生徒に対しての個別指導計画を作成されているのかお聞きしたい。
以上質問する。
衆議院議員馳浩君提出
内閣衆質174第102号
内閣総理大臣 鳩山 由紀夫
衆議院議長 横 路 孝 弘 殿
衆議院議員馳浩君提出 自閉症対策に関する質問に対する 答弁書一について
御指摘の「自閉症スペクトラム」については、その概念が必ずしも十分に確立しておらず、自閉症の方々の支援の前提として取り入れることは困難であるが、発達障害者支援法(平成16年法律第167号)においては、自閉症やアスペルガー症候群を含め、発達障害を幅広く支援の対象とした上で施策の推進を図ることとされており、政府としては、今後とも、同法に基づき、各都道府県等において指定された発達障害者支援センターを中核として医療機関、教育機関、公共職業安定所等の関係機関が、緊密な連携の下、自閉症等の方々の自立及び社会参加に資する取組を行うことができるよう、その支援の一層の充実に努めてまいりたい。
二及び三について
文部科学省としては、小学校及び中学校等において、自閉症を含む障害のある児童生徒の実態把握に努め、必要に応じて、これらの児童生徒に対する個別の指導計画を作成すべきことなどを都道府県教育委員会等に対し通知しているところであり、小学校及び中学校等においては、これを踏まえ、適切な対応が行われているものと考えている。
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