外国人介護福祉士、看護師の国家試験に関する質問主意書


下記の質問主意書を提出する。
平成二十二年二月八日

提 出 者                  馳   浩

衆議院議長  横 路 孝 弘 殿

 

 日本との経済連携協定(EPA)に基づき介護福祉士・看護師を目指す外国人研修生の来日が相次いでいる。研修生達の患者や上司からの評判は概ね良好である。
 しかし、看護師の場合は三年、介護福祉士は四年の滞在期間中に資格を取得できなければ、帰国しなければならない。
 ここで、大きな壁となっているのが、国家試験で使われる難解な漢字である。日本人でも難解な用語で表記された試験を外国人に課すことは、事実上外国人を排除する事にもなりかねない。
 従って、次の事項について質問する。

一 介護福祉士の試験において「褥瘡」「清拭」等の用語が使用されているが、このような用語は日本人にとっても難解と言わざるをえない。「知識は十分あるのに、言葉の壁で満足に答えられず合格できない人が続出しかねない」との懸念も多い。外国人に対する配慮として、このような用語に読み仮名をつけるべきではないか。政府の見解を問う。

二 介護福祉士は、三年の実務経験が必要で四年以内に国家試験に合格できなければ帰国せざるをえない。もっと受験機会を増やすべきではないか。政府の見解を問う。

三 また、あるデータによると、看護師の国家資格を英訳して看護師候補生に解いてもらうと正答率は約八割であったが、日本語では小テストで五割程度にまで落ち込んだ。

  看護師の国家試験においても読み仮名をつけたり、受験機会を増やすべきではないか。政府の見解を問う。 

 以上質問する。



衆議院議員馳浩君提出
外国人介護福祉士、看護師の国家試験に関する質問
に対し、下記答弁書を送付する

内閣衆質174第88号
平成22年2月16日

内閣総理大臣                  鳩山 由紀夫

衆議院議長  横 路 孝 弘 殿

 

 衆議院議員馳浩君提出 外国人介護福祉士、看護師の国家試験に関する質問に対する 答弁書 

一から三までについて

 介護や医療の現場においては、医師、看護師及び介護職員等は、相互に連携して業務を行うとともに、利用者若しくは患者又はその家族等と密接に意思疎通を図る必要があることにかんがみると、御指摘の外国人介護福祉士候補者又は外国人看護師候補者(以下「介護福祉士候補者等」という。)についても、十分な日本語の能力を有していることが不可欠であり、現時点において、お尋ねのように介護福祉士試験又は看護師国家試験(以下「介護福祉士試験等」という。)の問題文の漢字に読み仮名を付すことは考えていない。
 また、現時点において、お尋ねのように受験機会を増やすことは予定していない。
 いずれにせよ、政府としては、介護福祉士候補者等の受入制度を創設した趣旨にかんがみ、意欲ある介護福祉士候補者等が一人でも多く介護福祉士試験等に合格できるよう、引き続き、日本語能力の向上策を含めた対応策を検討してまいりたい。


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