高校新学習指導要領の地理歴史解説書における「竹島」の記述に関する質問主意書


下記の質問主意書を提出する。
平成二十二年一月十八日

提 出 者                  馳   浩

衆議院議長  横 路 孝 弘 殿

  

 文部科学省は昨年十二月二十五日に、二〇一三年度から本格実施される高校の新学習指導要領の解説書を公表した。その際、地理歴史分野の領土問題に関して「竹島」について島名など具体的な記述がなされていないと承知している。
 領土問題は国益にかかわる問題であり、その正確な事実の把握は重要なことであると認識している。
 従って、次の事項について質問する。

一 「竹島」の領土・領有権に関する我が国政府の見解について。

二 中学校の社会科解説書には「竹島」の記述がなされているが、高校の解説書においては記述がなされていない。その理由如何。

三 中学校の授業において、韓国が「竹島」を占拠している事実を教えているか。

四 解説書には北方領土が例示されているが、「竹島」について具体的な記述がなされていない。近隣諸国条項に従って記述がなされていないのか。その理由如何。

五 近隣諸国条項に対する政府の見解について。 

以上質問する。



衆議院議員馳浩君提出
高校新学習指導要領の地理歴史解説書における「竹島」の記述に関する質問
に対し、下記答弁書を送付する

内閣衆質174第5号
平成22年1月26日

内閣総理大臣                  鳩山 由紀夫

衆議院議長  横 路 孝 弘 殿

 

 衆議院議員馳浩君提出 高校新学習指導要領の地理歴史解説書における「竹島」の記述に関する質問に対する 答弁書 

一について

 竹島は我が国固有の領土であり、政府として、今後とも竹島の領有権の問題の平和的解決を図るため、粘り強い外交努力を行っていくという方針に基づいて対応していく考えである。 

二及び四について

 我が国の領土問題について、中学校学習指導要領(平成20年文部科学省告示第28号)の社会科では、「北方領土が我が国の固有の領土であることなど、我が国の領域をめぐる問題にも着目させる」こととしているのに対し、高等学校学習指導要領(平成21年文部科学省告示第34号の地理歴史科では、例えば地理Bにおいて、「領土問題の現状や動向を扱う際に日本の領土問題にも触れること」としている。このような学習指導要領における我が国の領土問題についての取上げ方の相違を踏早見、中学校学習指導要領の社会科の解説では、「竹島」を記述し、「北方領土と同様に我が国の領土・領域について理解を深めさせる」としており、一方、高等学校学習指導要領の地理歴史科地理A及び地理Bの解説では、高校生に対して、中学校における学習を踏まえ、竹島を含めた我が国の領土問題について理解を深めさせるための指導が適切になされるよう、「北方領土など我が国が当面する領土問題については、中学校における学習を踏まえ、我が国が正当に主張している立場に基づいて的確に扱い、領土問題について理解を深めさせることが必要である」と記述したところである。
 なお、高等学校教科用図書検定基準(平成21年文部科学省告示第186号)では、「近隣のアジア諸国との間の近現代の歴史的事象の扱いに国際理解と国際協調の見地から必要な配慮がされていること」とされているが、この基準は、教科用図書の検定に当たって適用されるものであり、高等学校学習指導要領の解説の作成に当たって適用されるものではない。 

三について

 文部科学省としては、各学校における具体的な指導内容の詳細については把握していないが、我が国の領域をめぐる問題については、現行の中学校学習指導要領(平成10年文部省告示第176号)に沿った指導が行われるものと考えている。 

五について

 義務教育諸学校教科用図書検定基準(平成21年文部科学省告示第33号)及び高等学校教科用図書検定基準には、「近隣のアジア諸国との間の近現代の歴史的事象の扱いに国際理解と国際協調の見地から必要な配慮がされていること」とされており、文部科学省としては、今後とも、これらの教科用図書検定基準に従って、教科用図書検定調査審議会の調査審議に基づき、適切に教科用国書の検定が行われるべきものと考える。


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