衆議院 青少年問題に関する特別委員会 会議録

第177回国会 第3号 

平成23年4月20日(水曜日)

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 【馳浩 質疑部分 抜粋

○池坊委員長

 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。 馳浩さん。

 

○馳委員

 おはようございます。 自由民主党の馳浩です。
 改めて、東日本大震災被災者にお見舞いを申し上げ、犠牲者に哀悼の意を表したいと思います。
 震災孤児の支援ということについて質問させていただきます。
 長期的な養育問題で全国里親会が受け入れ体制を表明していると思いますが、現在どういうような状況になっておりますでしょうか。

 

○石井政府参考人

 お答え申し上げます。
 3月15日付で被災地以外の各自治体へ要援護児童の受け入れ可能人数を調査したところ、里親につきましては2189人、ファミリーホームは116人との回答がございました。
 なお、震災によって両親を亡くした子どもについては、できる限り親族による受け入れ先を調整し、親族による引き受けがなされていない子どもについては、里親、ファミリーホームなどへの委託を調整して、必要な場合には、一時的な生活場所として児童養護施設の入所を行うということになろうかと思います。

 

○馳委員

 里親には、養育里親、親族里親そして専門里親という三つの分類があると存じます。 親族里親については、要件を緩和してほしいという要望がかねてからありました。 今回も、やはり親族里親のもとで継続的に育った方がよりよいであろうという認識は厚生労働省にもあると思います。
 そこで、お伺いいたします。
 先ほど石井さんは、高齢の方にはちょっとというふうにおっしゃいましたね、親族里親で。 親族里親になる要件を緩和すべきだと私も思っているんですが、どういう要件がハードルになっているのか、お示しをいただきたいと思います。

 

○石井政府参考人

 お答え申し上げます。
 私は、先ほどの答弁で、特段、高齢の方にはちょっとと申し上げたつもりはございませんで、御高齢の祖父母さんがいつまで子どもたちの面倒を見ることができるか不安に思っているという脈絡の中で、そうした場合には一たん引き受けても辞退することはできますよと申し上げたのでございまして、そのところをまず御理解賜りたいと思います。

 その上で申し上げますけれども、親族里親につきまして、要件としましては、当該親族里親と三親等以内の親族であるということ、そして、両親その他児童を現に監護する者が死亡あるいは行方不明、拘禁等の状態となって養育ができないということでありますので、恐らく、要望としてあるとすれば、三親等以内の親族というところに係るのだと思います。

 

○馳委員

 手当や生活費の支給の差は、養育里親と親族里親では違うと思いますが、現状どうなっていますか。

 

○石井政府参考人

 お答え申し上げます。
 里親に対して支給される手当、確かに御指摘のとおり、養育里親と親族里親とでは違いがございます。
 いわゆる養育里親につきましては里親手当というのが出まして、養育里親の一般の場合は月額で72,000円、そして、虐待の児童を引き受けるなど専門性が高い、特に支援が必要と認められる児童を引き受ける場合には、もう少しここは高くて123,000円となっております。
 それに対して、親族里親はこういうものが出ないわけでございますけれども、一般の生活費としまして、これは養育里親の場合も出ますけれども、乳児の場合、54,980円、乳児以外の場合は47,680円、その他としまして、幼稚園費とか教育費、あるいは入進学の支度金、就職とか大学進学等支度費、そして医療費等が支給されます。
 したがいまして、養育里親の場合は、里親手当、一般生活費、その他のものが支給されるのに対しまして、親族里親の場合は、一般生活費とその他のもろもろの諸経費が支給される。 そういう意味で、里親手当の分だけ支給される金額に違いが出る、そういうふうな仕組みでございます。

 

○馳委員

 里親になりますと言って、手を挙げてすぐに認定されるものではなくて、調査をして認定されるはずですが、その調査をするのはどのぐらい期間がかかるんですか。
 要は、私の言いたいことは、調査が手が足りなくて時間がかかりますから、なかなか引き受け手とのマッチングがうまくいきませんということのないようにしてほしいと思っているんですが、いかがですか。

 

○石井政府参考人

 お答え申し上げます。
 まず、マッチングの前提としまして、受け入れをしようという人数といいましょうか、それが十分あるかどうかということでございますけれども、幸いなことに、現在、被災地の自治体におきましても、まだ受託をしていない、未委託の登録里親が262名おられまして、現在のところ、受け入れとしましては十分な受け入れができる状況にございます。
 でありますけれども、おっしゃったように、マッチングというんでしょうか、それぞれ一番最もふさわしい里親に引き受けていただくのが望ましいわけで、そういう意味で、調査員が調査をするということであるわけでございますが、まずそのキャパがあるということが重要でありまして、その中で、調査員の不足によって調査待ちにしないように私どもも支援をしてまいりたいというふうに考えております。

 

○馳委員

 よろしくお願いいたします。
 文科省の方にちょっと伺いますが、報道によると、千葉県船橋市で、福島県から避難してきた子どもたちに対して放射能がうつるといういじめがあったとされております。
 放射能というのはうつるのですか。 まず、お伺いいたします。

 

○有松政府参考人

 放射能がうつるということはないと認識しております。

 

○馳委員

 事実関係を含めて、そういうことはない。 したがって、福島県から避難してきた子どもたちと仲よくしましょう、これは一つの確認事項なんですね。 そういうことをしていただければよいということなんですが、文部科学省、船橋市の教育委員会もきちんと対応しているということでよろしいですね。

 

○徳久政府参考人

 今委員御指摘の点でございますが、4月15日付の新聞報道でなされておった件だというふうに承知をいたしております。 千葉県船橋市において、福島県から避難してきた子どもに対して、今委員御指摘の、放射線がうつるとのいじめがあったとの報道だということかと思います。
 私どもの方で船橋市の教育委員会の方に確認いたしましたところ、新聞報道が事実であるかどうか確認できないということではございました。

 しかしながら、船橋市の教育委員会といたしましては、本年の3月28日に、同市内の小中学校の校長に対しまして、船橋市へ避難してくる子ども、児童生徒に対しまして、思いやりを持って接し、温かく迎えていくこと、また、不安な気持ちを考え、言動には注意しながら対応するよう十分配慮するとともに、児童生徒へ指導するということを通知いたしたところでございます。 さらに、船橋市は、3月30日に、2日後でございますが、同市内の小中学校の校長を集めた会議においても、心温かな対応をするように指導を行ったという報告でございました。

 それから、文科省の対応につきまして引き続き御報告をさせていただきますと、御案内のように、今被災地から他の都道府県の公立学校に受け入れた子どもの数でございますが、4月8日時点で8277名ということでございます。 当然、被災した児童生徒が受け入れ先でこのようなことでいじめられるということは、あってはならないことだというふうに認識をしております。

 このため、文部科学省といたしましても、4月13日でございましたけれども、教育委員会に対しまして、被災した児童生徒を受け入れる学校において、当該児童生徒に対する心のケアや、当該児童生徒を温かく迎えるための指導上の工夫、保護者、地域住民等に対する説明などを適切に行っていただいて、いじめなどの問題を許さないよう、文書で通知をいたしました。
 さらに、本日でございますけれども、特に放射線につきまして、教育関係者が放射能について正しく理解するための資料でございますが、名称は「放射能を正しく理解するために 教育現場の皆様へ」という資料を本日付で作成いたしまして、本日の都道府県・指定都市の教育長会議において配付をいたしまして、このような、被災した児童生徒が受け入れ先においていじめられることのないよう通知をしたということでございます。

 

○馳委員

 ちなみに、私も、先週、先々週、二回にわたって飯舘村、南相馬市、相馬市と支援に行ってまいりましたが、教育長、市長、一様におっしゃることが、学校での子どもたちの生活の安全基準を示してほしいということと同時に、モニタリングの線量計をぜひ欲しいと。 この要望は、恐らく現地を訪れておられる政府関係者からも伝わっていると思いますが、日本には足りない、したがって、今一生懸命つくっているとか、また、アメリカにはある、こういうふうにいろいろと言われておりまして、学校を管理している市町村の教育委員会の皆さん方、学校関係者は大変心配しておられます。
 この線量計を用意して配るということについて、現状、政府としてはどういうふうな対応をとろうとしておられますか。

 

○有松政府参考人

 お答え申し上げます。
 先ほど宮本先生の御質問に対する御答弁の際にも申し上げましたけれども、今回対象となった学校等につきまして、継続的なモニタリングを実施していくというふうな予定にしております。
 今後、学校等における放射線量が適切に減少しているということを念のために確認するということが必要だと考えておりまして、継続的なモニタリングを行っていきます。 例えば、ポケット線量計といったようなものを先生のどなたかが学校等において常時携帯して、定期的にそれを報告していただくというようなことを考えておりますので、いわゆる線量計の配付というようなことも考えております。

 

○馳委員

 一般に言う線量計は大体30万円ぐらいするそうですね。 ポケット線量計は大体13万円ぐらいだそうですね。 数の限りもあるかもしれませんが、早急にお配りいただいて、不安を取り除く努力をしていただきたいとお願いを申し上げます。

 続いて、学校教育における精神疾患教育について質問をいたします。
 精神疾患は、がんとともに三大疾患の一つだとよく言われておりますが、その根拠として使われるのが、WHOが開発をしたDALY、ディスアビリティー・アジャステッド・ライフ・イヤーズという指標であります。 一般的に、病気が命を奪い、生活の障害となる程度をあらわす総合指標と言われておりますが、私のような素人にもわかりやすく説明していただけますか。

 

○木倉政府参考人

 お答え申し上げます。
 御指摘のDALYと言われますものは、いろいろな病気によります損失の大きさというものを病気ごとにあらわした、WHO、世界保健機関の示しておる指標でございます。 わかりやすいかどうか、以下の二つの要素を足した数字で示されております。
 一つは、統計的に、ある国のある病気にかかる人数、その病気によりまして寿命が短縮されます年数、これを掛け合わせた数字でありますところの損失生存年、いわば病気により失われる寿命の総体ということになりますが、これが一つ。

 それから、ある病気にかかります人数、その病気にかかる年数、期間、それからその病気によりまして健康が損なわれる程度を示す係数、これもWHOが世界統一で示しておるんですが、これを掛け合わせた数字でありますところの障害生存年、障害を負って生存している年数というようなことになりますが、いわば後者の方は、病気により健康が損なわれる年数。
 こういう失われた寿命と損なわれる年数という二つのものを合計して求められる数値として、国ごとに示しておるものでございます。
 したがいまして、これを総体で申し上げますと、ある病気によります寿命の短縮ということだけじゃなくて、病気によりまして生活の損失の程度というものも考慮に入れて、全体としてその病気での寿命や健康の損失の大きさというものを比較して考えられるという、その大きさを示すものというふうに認識しております。

 

○馳委員

 とても大切な指標だと承りましたが、学校教育でそういう指標について教えていますか。

 

○木倉政府参考人

 お答えを申し上げます。
 精神疾患ということを正しく理解していただいて、子どもさんも親御さんも早期に気づき、早期に治療も受けられて、健康を保っていただくというのは非常に大事なことだというふうに思っております。
 今も、文部科学省と厚生労働省は、その発症の年代から正しく理解してもらおうということでいろいろ啓発もしておりますが、このDALYそのものがなかなか、我が国でまだ紹介されているという例は少ないかというふうに思っております。

 

○馳委員

 そこで、私は、実は関係者の方々が研究会をされて、表紙だけ紹介いたしますが、こころの健康政策構想会議の提言書をいただいて、読んで、きょうは質問しているわけであります。 これによりますと、DALYでは、我が国を初めOECD諸国において精神疾患がトップになっているが、にもかかわらず、軽度の精神障害者の受診率は、先進九カ国の中で、日本はワースト8位の11.2%と特段に低い。
 なぜ受診率が低いんでしょうか。 やはりこれは教育の問題もあるんじゃないんですか。

 

○木倉政府参考人

 お答え申し上げます。
 御指摘のように、2009年のOECDの報告でございますが、これによりますと、今御指摘いただきましたように、軽度の精神障害のある方についての日本の受診率は11.2%、このときにOECDは九カ国を調べておりますが、その低い方から二番目、8位の数字ということになっております。
 また、我が国の中での調査研究によりますと、例えば統合失調症で見ますと、発症してから治療が開始されるまでの間は、平均的に約14カ月かかっているというような調査結果がございます。 これから見えてきますのは、我が国の場合に、より早く精神疾患に気づいていただいて、より早く治療に結びつけていくことがこれからの課題だろうというふうに考えております。

 私どもでも医師の方々と検討をしてきておりますが、受診に結びつかない理由としてさまざまな要因が考えられますが、代表的なものとして挙げられますのは、やはり精神疾患、とりわけ統合失調症というようなものについての国民の御理解がまだまだ十分でないということ。 それから、依然として、やはり精神科医療にかかるということについての心理的な抵抗感があるということもあるのではないか。

 それから、うつ病のようなものを広く知っていただきまして、早目にかかる方もふえてきているわけではございますけれども、しかし、まだまだ一般のかかりつけの内科医さんなどで症状を的確に判断いただけることが十分でない。 それで、精神科の方に、専門医にきちんとつなげる連携体制もまだ十分でないということで、このようなところをしっかり進めなきゃいけないということで取り組んでおるところでございます。

 

○馳委員

 資料によりますと、受診率が低い上に、受診している精神疾患患者だけでも国民の40人に一人、そして、自殺者は年間3万人を超える。 こういう現状を踏まえると、我が国は心の健康の危機状態にあると思いますが、その認識はありますか。

 

○木倉政府参考人

 お答えいたします。
 医療機関にかかっておられる精神疾患の患者数、これは3年ごとに患者調査という形で調査をしておりますが、だんだんふえておりまして、平成20年の調査によりますと323万人、これは総人口の約40分の1に当たります。 そのような数字になっております。 これが、10年程度前の平成8年の約218万人から見ますと、約1.5倍に増加をしておる。 とりわけ、この内訳といたしましては、うつ病に代表されますような気分障害と言われます分野の患者数の方がふえてきておりまして、直近の20年の調査では、100万人を超えたというような状況にございます。
 また、御指摘の我が国の自殺者数でございますが、大変深刻な状況でございまして、平成10年以来、昨年も残念ながら3万人を超えまして、13年連続で3万人を超えておるという状態でございますが、その要因は多様なものがございますけれども、うつ病を初めとする健康問題も約6割を占めておるという状況も指摘をされております。

 こうしたことから、心の健康ということを確保することは大変大事なことだと思っておりまして、厚生労働省、地域保健、職場の保健はもちろんでございますけれども、御指摘のような学校での問題も含めまして、自殺対策、内閣府ともども各省庁とも連携をしながら、うつ病対策にも取り組んでいかなきゃいけない大きな課題というふうに認識しておるところでございます。

 

○馳委員

 ここまで聞いていただいて、大臣に登場していただきたいのですね。
 心の健康推進を我が国の基本政策として進めていくべきときなのではないですかということと、このこころの健康政策構想会議でも、精神疾患対策基本法案を制定し、一番の肝となる部分は、やはり社会的入院を減らしていきましょう、地域での受け皿をつくっていきましょう、子どもさんも含めて、当然、そのための理解を深めていきましょう、こういう方針が提言されているんですね。
 大臣の所感をお伺いしたいと思います。

 

○蓮舫国務大臣

 今聞いておりまして、馳委員の問題意識は非常に大切なことだと思っております。 特に、御指摘いただいた心の健康増進、このことによって救える命があるのであれば、政府としてもそれは取り組んでいかなければならない。
 これまでにおきましても、去年の2月5日には自殺総合対策会議の決定で、いのちを守る自殺対策緊急プラン、これは、うつ病等の精神疾患から守るためにもゲートキーパーを育成しなければならない、あるいは、うつ病診療の技術を向上しなければいけない、報道関係者に対しても普及啓発を促進して、正しい報道をしていただきたい、多様な側面からこの問題に取り組んでいきたいという内容を決定して、今答弁等ありましたが、厚生労働省あるいは内閣府においても対策を講じているところでございます。

 あるいは、政府において自殺対策タスクフォースもございまして、ここでも、未然に防止をしなければいけないということで、特に10代、20代の若い方たちにこうしたことを知っていただきたいということもありまして、決定に基づいて、厚生労働省においては「こころもメンテしよう」というサイトを去年の9月10日に開設していただいて、ここでも普及啓発あるいは教育に努めていただいております。
 また、私が直接所掌しているところにおいては、子ども・若者ビジョンにおきましては、子ども・若者の健康、安心の確保のために、心の健康を初めとする健康教育の充実、相談体制の充実等に取り組んでいくこととしています。

 ただ、先ほど来答弁をお聞きになってわかると思いますが、私はまだ絶対的に足りないと思っています。 予算を伴うというのは、我が国の今の経済事情を考えたときに、ここにどんどん政策を充実していく財政的余力は正直言って限りがございますが、それ以上に民間でも取り組んでおられる方たちもおられますので、官民一体となって何ができるのか、それは知恵を出していきたいと正直思っているところでございます。

 

○馳委員

 だんだん政府の中でも、国民の中にも少しずつ理解が広まってきているのは事実なんですが、私は二つのポイントをお願いしたいのが、ここなんです。 発症するのは意外と若年者の方が多いので、中学生における保健教育においてしっかり事実を勉強してほしいなというのがまず一点。 もう一つは、こういうのは啓蒙啓発、広報等いろいろありますが、アウトリーチというか、出かけていくのが大事なんですよね。 ここが精神科医療の場合に非常に大事な部分ではないのかなというふうに思っているんですよ。

 そこで、この構想会議からも、「学校教育において精神疾患教育を導入する」という提言がございまして、二つ申し上げますので、この提言についてのコメントを文科省からもいただきたいと思います。
 一つ、「学校における精神疾患教育の導入にむけた厚生労働省および文部科学省の合同検討チームを発足させ、次回の学習指導要領の改訂時を目指した準備を進めます。」 一つ、「学校教育授業プログラムの開発を進め、その効果検証に関するモデル事業を百校程度対象に実施します。」こういうふうな提言がされておりますので、現状でのコメントをいただきたいと思います。

 

○有松政府参考人

 お答え申し上げます。
 先生御指摘のとおり、近年の社会教育や生活環境の急激な変化は子どもの心身の健康にも大きな影響を与えておりまして、学校生活におきましても、例えば、うつ病などの心の健康の問題が顕在化しておる状況にございます。 子どもの心の健康というのは取り組んでいくべき重要な課題だというふうに考えておりますので、総合的に学校でも取り組んでいく必要があると思っております。
 文部科学省では、このため、すべての小学校5年生、中学校1年生、高校1年生に対しまして、心の健康とか欲求とかストレスへの対処方法などにつきまして総合的に解説する啓発教材を作成して配付しておりますし、教職員に対しても、子どもの健康観察に関しまして、精神疾患の対応を含む指導参考資料を作成しております。

 また、モデル事業的には、精神科医等の専門医を学校に派遣いたしますとともに、専門のお医者さんや地域の医療機関と連携しながら、子どもの健康管理の充実や保護者への啓発活動等を行うモデル的な委託事業も実施しているところでございます。
 また、学習指導要領の件でございますが、保健体育科を中心に心の健康に関する指導を行うこととしておりまして、例えば中学校の学習指導要領におきましては、心の健康を保つには欲求やストレスに適切に対応する必要があるといったようなこと、あるいは高等学校の学習指導要領につきましては、精神の健康を保持増進するためには、欲求やストレスに適切に対応するとともに、自己実現を図るように努力していくことが重要であるということを書いた上で、精神の機能は心と体が関係するといったようなこと、人間の精神と身体は密接な関連を持っているといったような内容の指導をするということになっております。

 なお、こうした学習指導要領でございますが、今ちょうど中学校の新しい学習指導要領が平成24年度から、そして高等学校では25年度の入学生から順次実施されるという段階になっておりますので、私どもとしては、当面はこの新しい学習指導要領の完全実施に向けて努力をするべき段階であるというふうに考えております。
 御指摘の御提言にわたることにつきましては、こうした実施状況を踏まえ、その評価等をもとに、次期の学習指導要領改訂に向けて検討をする中での重要な課題ではあるというふうに考えております。

 

○馳委員

 次期の学習指導要領の見直しは何年後ですか。

 

○有松政府参考人

 お答え申し上げます。
 通常ですと、10年単位で改訂がされております。

 

○馳委員

 10年なんですが、学習指導要領は、10年を待たなくても、必要とあらば見直しをすることができるとなっていると思いますが、間違いありませんね。

 

○有松政府参考人

 御指摘のとおりでございますので、そうした、必ずしも学習指導要領の改訂そのものではなくても、ただいま御指摘の重要な課題については、例えば指導参考資料の作成、配付といったような、10年を待たずにできることもございますので、厚生労働省等との連携も図りながら取り組んでまいりたいというふうに思っております。

 

○馳委員

 ありがとうございます。
 したがって、蓮舫大臣、この構想会議からの提言にありますとおり、精神疾患対策基本法案、これは、やはり事の性質的に、与党、野党関係なく取りまとめをして、こういう提言が専門家の方からあるということを踏まえて対応をいただきたいというのが私の趣旨であります。
 それから、先ほどアウトリーチの問題が必要だというふうに申し上げましたが、現状でも、精神対話士の会の方々とか、大変努力をして現場に出ておられますし、都道府県によっては採用してもおられるんですね。

 実は、私の出身の石川県も、これは子どもではありませんが、教員のうつ病による休業というのがこの10年間で8倍にふえております。 当然、それに対応するために、復職するための支援プログラムも石川県の教育委員会は充実をしているところでありまして、こういった先生方のところにも精神対話士を派遣して現状をお聞きするとともに、教育現場においては、子どもたちが相手でありますから、うつ病の先生がまた復職するというのはなかなか大変なんですよ。 当然、皆さん何となくわかるように、うまく人事をしながら、少しずつ現場に戻していくというふうな対応をしておられるんですね。

 したがって、精神疾患、精神科の医療というものに対する理解を深め、特にこのアウトリーチの問題について、非常に有効な方策であるということも御理解いただいて、今後の対応を厚労省と文科省と協力してやっていただきたいということを申し上げて、次の質問に移ります。

 学童保育の話に移ります。
 昨年度、学童保育の数は前年比で1269カ所ふえました。 母親が働いている家庭で学童保育に入所できている児童は3分の1にとどまります。 入所児童数は前年比3000人程度の増加にとどまっております。 入所児童数が前年比で減少した市町村も3割弱ありました。 どうして入所児童数が余りふえていないんでしょうか。

 

○石井政府参考人

 ただいま委員御指摘のとおり、厚生労働省で実施をしました放課後児童健全育成事業の実施状況調査、これは平成22年5月1日現在で行っておりますが、これによりますと、クラブの増加数は、調査開始以来最高の増加幅となる1467カ所の増加となったわけでございますが、その一方、登録児童数は、21年度約13000人の増に対して、22年度はその半数の増加幅、約6500人の増加となったところでございます。
 登録児童数が増加していない自治体につきまして、その理由、これはあくまで自治体の、供給サイドのリサーチでございますけれども、その理由について調査を行ったところ、少子化による児童数の減少とか、あるいは保護者の就労状況等の影響によって利用ニーズが減少したといった回答が寄せられたほか、実施場所の確保が困難であるとか、あるいは放課後子ども教室への移行に伴う利用ニーズの減少が見られたといったようなことを挙げておられたところでございます。

 それから、登録児童数の多いいわゆる大規模クラブの解消を図るため、新たなクラブを創設して分割を行うなど適正規模に向けた取り組みが進んだことによりまして、クラブ数の増加に比べまして登録児童数の伸びが小さくなったということも考えられると思っております。
 放課後児童クラブにつきましては、これはしっかりふやしていかなきゃいけないという目標を掲げておりますので、引き続き必要な取り組みを進めていく必要があろうというふうに思っております。

 

○馳委員

 厚労省の調査と、私が資料としてきょう読んできたのが全国学童保育連絡協議会、ここの調査と違うなということを今からお伝えいたします。
 まず、経済的な負担が理由で入所できない、多いんですね。 この問題は、国として、保育料の減免措置を設ければ対応できるのではないでしょうか。 そのほかには、市町村が、近所に祖父母がいれば対象外にしたなどと入所要件を厳しくした、定員をきっちりと決めた、高学年を対象外とした、それから時間を短くした、こういう理由が全国学童保育連絡協議会の2010年5月1日現在の調査として出ておりまして、私はその資料を見てきょうは質問をさせていただいているんですね。

 これは大臣の方にお聞きした方がいいと思いますが、経済的理由、入所要件が厳しくなった、定員を決められた、高学年を対象外とした、時間が短くなった、これは事実なんですね。 その背景には何があると思いますか。

 

○蓮舫国務大臣

 一つには、預けたいと思っておられる保護者の方たちの経済的な理由、もう一つは、それを実施しておられる自治体の経済的な理由によるものと推察します。

 

○馳委員

 私は大臣のおっしゃるとおりだと思います。
 もちろん、文部科学省が展開をしている放課後児童教室、私もそれを進めている推進派の一人なので何となく言いづらい立場ではあるんですが、いわゆる学童保育というものが、放課後の家庭的な生活環境を守りましょう、当然、家庭的な生活環境を守る中には教育的な活動も含みますよという位置づけがあると私は思うんですよね。
 そう考えると、親が一生懸命子育てをしている中で、共働きであったりしてなかなか十分に対応できない、あるいは、私なんかが子どものころと比べて兄弟が少ない。そうすると、たくさんの子どもの中で遊ばせて社会的な素養も身につけさせたい、こういう要望があるということを考えれば、私は、この放課後児童クラブに対する支援というものはやはりふやしていくべき時代なのではないかなと思っているんですね。 これについての見解も大臣にお伺いしたいと思います。

 

○蓮舫国務大臣

 まさに御指摘のとおりで、特にそうした、兄弟が今少なくなっている中で、世代間を超えて家庭的な交流ができる場所というのは、子どもさん御本人にとっても豊かな経験にもつながりますし、結果として、親御さんが共働きあるいは一人親でそうした制度に頼らざるを得ない方たちにとっても意味があるものだと考えています。

 

○馳委員

 そこで、次に、学童保育の潜在的な待機児童について質問をいたしますよ。
 特に、民営施設での待機児童数の把握が不十分であります。 人数を報告しないとか、書類申請の前に入所を断られた人数をカウントしないとか、こういうことがあるんですね。 高学年だから初めからあきらめている、こういう人数などの把握も不十分です。 こういう潜在的な待機児童について、いるんですよ、やはり調査も踏まえて政策を打っていかなければいけないんじゃないかなと思いますが、いかがですか。

 

○石井政府参考人

 御指摘のとおり、潜在的な存在もしっかりあぶり出して対応をとっていかなければならない、そのとおりかと思います。
 現状を申し上げますと、放課後児童健全育成事業の調査の中で人数をどのように把握しているかでございますが、まず、市町村が利用の申し込み窓口になっている場合には、その市町村で把握をした人数を掲げてもらって、また、放課後児童クラブが利用の申し込み窓口になっている場合、要は直接に申し込む窓口になっている場合、当該クラブが把握をした人数を市町村を経由して報告していただく、こういう仕組みになっております。

 実際のところ、今おっしゃいましたように、利用できなかった児童数が適切に把握ができていなかったケースもございます。 利用できなかった児童数を把握していないクラブ数というのが1320クラブ、全体の6.6%存在をいたしておりまして、これらのクラブがある自治体に対しては実態把握を促しているところではございます。
 いずれにしましても、平成22年1月に閣議決定をいたしました子ども・子育てビジョンにおきまして、希望するすべての人がクラブを利用できるよう、潜在的なニーズを踏まえて、26年度における利用児童数の目標としまして111万人を掲げておりますので、その目標達成に向けて取り組んでいく必要があろうと思っております。

 

○馳委員

 だんだん佳境に入ってきまして、つまり、希望する人がみんな利用できるようにというコンセプトですか、理解ですか、ここにいかに受け入れる場所と面倒を見る指導員さんを対応していくか、そしてそこで安全をいかにして守るか、ここがやはり政策の方向性になっていくと思うんですね。
 では、この施設のことについてお伺いしますが、大規模学童保育はいまだに多くあります。 適正規模はまだ半数にとどまっていると思いますが、厚労省として把握している現状はどうですか。

 

○石井政府参考人

 私どもにおきましては、放課後児童クラブガイドラインで規模について考え方をお示ししているところでございまして、児童数71人以上の大規模クラブというのを余り好ましくないというふうにとらえているわけでございますが、71人以上の大規模クラブは、対前年923カ所減少の1211カ所となっておりまして、これを全放課後児童クラブ数に対する割合で見ますと、11.6%から6.1%に一応減少はいたしているところでございます。
 その一方、放課後児童クラブガイドラインで示しております望ましい人数規模、これは40人程度までというふうに示しておりまして、これをとらえた場合には、36人から45人のクラブ数を見た場合に、平成21年度の3467カ所から、今年度は4359カ所と892カ所増加をいたしておりまして、これは一応、実施規模別では最も増加数が多い、そういう位置づけになっております。

 

○馳委員

 いわゆる71人以上はだめよというこの政策の方向性によって数字が適正に傾きつつあるということは言えると思うんですが、そうはいっても、いまだに、いわゆる71人以上、100人以上もありますね。 学童保育連絡協議会の調査では、昨年度で1300カ所ということに実はなっているんですね。
 ここを解消していく努力、同時に安定的な場所の設定ということを考えると、全国の小学校施設、保育所施設、幼稚園施設、ここを学童保育にも対応できるような施設として、今後、改築なのか改修なのか。 場所としての信頼感を踏まえると、ちょっとターゲットを絞っていったらよいのではないかと思われるんですが、文部科学省としては、この点、どのように考えておられますか。 学童保育なんかには貸さないぞ、そんなことは多分おっしゃらないとは思いますが、いかがですか。

 

○徳久政府参考人

 委員御指摘の点でございますけれども、今お話ありました放課後児童クラブ、それから文部科学省の方では、放課後子ども教室という形で実施をさせていただいております。
 私どもの文部科学省の放課後子ども教室の方でございますが、これにつきましては、やはり実施場所は当然のことながら学校になりますけれども、放課後子どもクラブの方につきましても、教室と連携を図って実施をしているようなところがございまして、その場合には、学校施設を利用するような例も、ちょっと数字はあれでございますけれども、多く見られているところでございます。 そういう意味からすると、学童保育、児童クラブのそういうある程度広いスペースというようなことにつきまして、やはり学校で兼用できるようなところがございますので、そういう取り組みが進んでいるんだろうということだと思います。

 また、地域の実態とか学校の実態に応じまして、どういう場所を利用するのか、それぞれ密接な連携を図りながら決めていただいているところと思いますけれども、今委員御指摘の点につきまして、一層浸透しますように、また引き続き私どもも周知をしてまいりたいというふうに考えてございます。

 

○馳委員

 私は徳久さんとは長いおつき合いなんですけれども、何となく都合の悪いことをしゃべるとき、あなたは早口になるんですね。
 ここは、私が強く強く言っていきたいところなんですよ。 なぜ、今私が学校施設を全面的に今後活用していくべきだという主張をしているかというと、やはり東日本の大震災があったからなんですよ。 民営の施設、これは、蓮舫大臣も多分御存じだと思いますよ、随分と民間のおうちをお借りしたりしていますね。 もう築40年、50年の民間のおうちに、30人、40人の子どもが放課後遊んでいるんですよ、あるいは勉強したり寝たりしているんですよ。 これはどう考えても、多分私が体当たりしたらこのまま壊れるんじゃないかなという施設も本当にあるんですよ、実際には。

 したがって、政策の方向性を変えていくべきであり、当然、今現在でも、文科省と厚労省は、やれ、放課後児童クラブだ、やれ、放課後児童教室だというふうな、一応線引きはありますけれども、現場では線引きのないようにしようとしているというのはわかりますけれども、しかし、大臣、ここは国の方針として、やはり子どもたちが生活をする安全な場所、そこで信頼の置ける指導員のもとで生活を保障してくださるという、この安心感が必要なので、だから、私は何度でも言いますが、小学校施設、もちろんこれは耐震化の問題もございますが、学童保育、児童クラブ、放課後児童教室、名前はどうだっていいですよ、安心して過ごすことのできる居場所として提供していく、この一言が欲しいんですよ。

 もう一回、徳久さんにお伺いいたします。 今度はゆっくりしゃべってくださいよ。

 

○徳久政府参考人

 委員御指摘の点、もっともだと思います。
 ちょっと口幅ったい言い方でございますけれども、学校施設の所管の審議官でないもので、直接的な答弁ではございませんけれども、非常に貴重な提言ということで、担当の方にもしっかり伝えさせていただきたいと思います。

 

○馳委員

 心もとないですよね、また担当が違いますからと。 だから、ここで蓮舫大臣に登場していただきたいんですね。
 私は、この後、職員の処遇の問題をもちろん細かく聞きますが、やはり政府の方針、これは民主党としても異存はもちろんないと思っていますし、我々自由民主党も、ここは進めるべきだという意思は持っております。 そうなると、政党云々ではなくて、政府の方針としての、放課後の子どもの居場所について守りますよというメッセージがあるべきだと思うんですが、いかがでしょうか。

 

○蓮舫国務大臣

 直接所掌ではないんですけれども、今馳委員が御指摘しているのは、まさにこうした縦割りをなくして、文科省であろうと厚労省であろうと、政府として、あるいは野党の皆様方の御協力をいただいて、国会としてもしっかり守っていくんだ。 何よりも優先されるのは子どもの安全だと思っておりますので、ここの部分は私も肝に銘じて政府の中で働きかけていきたいと考えております。

 

○馳委員

 そこで、指導員の働く環境についてお伺いいたしますが、問題を端的に指摘していきますね。
 国の補助単価が、非常勤職員の賃金と謝礼金で計算されている、このことが問題だ、ここに尽きると私は思うんです。 いろいろ資料を拝見しましたが、2003年度の厚生労働省の学童保育の補助単価は次のように算定されておりまして、賃金、非常勤は135万6000円、諸謝金は117万8000円、その他47万1000円、その他には教材費、図書費、消耗品、備品、通信費等入っておりまして、この合計の300万5000円で一つの施設が運営できると計算して、その半額は保護者負担を見込むので、補助単価は150万2500円であると。
 ところが、それは実態とは大きく乖離しているというのが現場からの提言あるいは悲痛な叫び声であるということで、特に指導員の人件費が低く計算されていますよということですね。

 では、これは石井さんに聞こうかな。
 指導員は年間何時間ぐらい働いているか御存じですか、平均して。 ぱっと言えませんか。 これは調査があるんですよ。 調査によると、大体2000時間ですが。

 

○石井政府参考人

 常勤の方と非常勤の方がございますので、ちょっと押しなべて申し上げる用意がないのでございますが、一日平均6時間働いている方が多いというふうに承知をしております。

 

○馳委員

 そういう計算を厚生労働省はするわけですね。 実際には、子どもたちが来る前の準備、帰った後の対応、それから夜あるいは土日の保護者への対応も含めて、平均して2000時間という数字が全国学童保育連絡協議会からの資料として出てきております。
 そんな中で、今、石井さんが専任と非常勤というふうなおっしゃい方をしましたが、専任と非常勤、その人数の割り振りは御存じですか。 専任は何%いて、非常勤は何%ぐらいいるか、御存じですか。

 

○石井政府参考人

 手元に今数字がすぐ出てこないのでございますが、非常勤の方が多いというふうに理解をいたしております。

 

○馳委員

 公営と民間運営と見ていきますと、公営で正規職員が4%、民間運営で正規職員が22%、合わせて28%、正規職員が。 それ以外が、7割近くは非常勤職員なんです。 そして、平均年間給与が、お一人頭大体150万から200万円ですね。 その背景は何かというと、私が説明した非常勤職員は賃金と謝礼金で計算されているということが問題です。
 つまり、放課後児童クラブで働く職員についての社会的な理解が得られていない、位置づけが明確でない。 これは、学校の放課後の問題、附属的な問題、本来、お父さん、お母さんが、あるいは、おじいちゃん、おばあちゃんが面倒を見なきゃいけないんだけれども、そこで面倒を見られない方をちょっと面倒を見てあげますよというふうなあいまいな位置づけになっているということが、こういうことになっているんですね。 そこが処遇の改善を必要としている現状だということ。

 そして、もう一つお聞きしますよ。
 非常勤の方の研修がちゃんとされているか御存じですか。

 

○石井政府参考人

 9割以上のクラブで職員に対する研修を行っているというふうに聞いているところでございます。

 

○馳委員

 9割以上のクラブで研修はされているんですよ。 けれども、私が言っているのは、非常勤の職員は十分に研修に行けるような時間もないんです。 余裕もないんですよ。 だから、指導員の能力はまさしく千差万別で、同時に、非常勤職員は大体一年から三年でみんなやめちゃっているんですよ、やっていけないから。 言葉は悪いかもしれませんが、クラブの指導員をやっているよりもコンビニで働いた方が実入りがいいとか、居酒屋でちょっと働いた方が実入りがいいとかとなっちゃうんですね。
 そう考えると、大臣が先ほどおっしゃったように、居場所の確保、指導員の充実、これは研修も含めてでありますし、処遇の改善、このことはやはり私は待ったなしだと思っているんですね。
 るる述べてきましたが、大臣としての見解を改めてお伺いしたいと思います。

 

○蓮舫国務大臣

 まさしく、善意で成り立っていると言っても過言ではないんだと思います。
 ただ、馳委員、他方で、財源構成を見ますと、保護者負担と公費負担でございますから、そこがこれから先非常に潤沢になっていくという見通しも、我が国の財政事情を考えたときには、なかなか難しいのではないか。 であれば、せめて、その方たちが働いていることに生きがいが持てるような社会的地位の高まりであるとか、研修、あるいは彼ら、彼女たちがしっかりと働いていることによって感じ得る喜びというのをどういうふうに行政的にサポートができるのか、まずはここから知恵を絞りたいと、今聞いていて思いました。

 

○馳委員

 次に、「こうのとりのゆりかご」の問題について伺います。
 私も、昨年4月8日にこの委員会で質問いたしました。 その前には、池坊委員長のもとで現地に視察も参りました。
 当時の答弁では、「こうのとりのゆりかご」施設は違法ではないが、児童福祉法上の一時保護施設などとして法的に位置づけることはできないという答弁でありましたが、それに変わりはありませんか。

 

○石井政府参考人

 お答え申し上げます。
 「こうのとりのゆりかご」のように、匿名のまま子どもを預けることについては、預ける側にとってみれば、だれにも知られずに預けることができまして、そのまま預けることができなければ虐待に至るようなケースを救うことができるという面がある反面、子どもにとっては出自がわからない形で預けられるという、子どもにとってのマイナスというものがございます。
 このため、御指摘のように、匿名のまま預けることができる施設を児童福祉法上の施設として位置づけた場合に、匿名のまま預けることを助長する危険がありますので、一時保護施設として一般的に位置づけることは、法的に位置づけることはやはり困難ではないかというふうに考えております。

 

○馳委員

 匿名遺棄は、このままでは育児放棄や虐待によって最悪死亡させてしまう、遺棄する側は、まさに児童の虐待あるいは虐待死という最悪の結果を招く、それを防ぐために「こうのとりのゆりかご」に預けたという評価をすることはできると思いますが、いかがですか。

 

○石井政府参考人

 先ほど申し上げましたように、委員が御指摘のような面があることを否定するものではございませんが、ただ、一方、熊本県が行いました検証会議の報告書を見ますと、実際の事例では、本当にせっぱ詰まっているとか、あるいは本当に窮していると思えないものも含まれている。 例えば、戸籍に入れたくないというのが最多を占めていたということもございまして、さまざまな評価というのもあり得るのかなというふうに思っております。

 

○馳委員

 最悪の結果を防ぐために預けたということについての御理解はいただいたと思いますが、であるならば、児童虐待の予防を行うための民間団体という評価ができると思いますが、いかがですか。

 

○石井政府参考人

 先ほども申し上げたわけでございますが、「こうのとりのゆりかご」の評価というのはなかなか難しい面がございまして、子どもにとってみたとき、果たしてこれが本当にいいのだろうかという部分もどうしても残ってしまうということがございます。
 「こうのとりのゆりかご」では、扉の表示に子どもを預ける人に相談を強く呼びかける表示をするなど、相談と一体的な運用もなされておりまして、この努力につきましては、検証会議におきましても高い評価がされたと承知をいたしております。 ただ、匿名のまま預けることができることによってそうした行為が助長されてしまうことは、やはり何としても避けるべきではないかというふうに考える次第でございます。

 「こうのとりのゆりかご」についてはさまざまな評価があるものと考えていますけれども、ただ、積極的に評価できる点として、慈恵病院では、24時間無料で電話相談を行って、緊急対応とかあるいは緊急面談も実施されているわけでございます。 これは、年間500件もの相談が熊本県にとどまらず全国から寄せられて、民間の一医療機関による相談にもかかわらず、この点については、児童虐待の予防に大変大きな貢献をなさっているというふうに考えているところでございます。

 

○馳委員

 慈恵病院の理事長にも私たちはお話を承ってまいりましたが、違法ではない、法的な位置づけはないということで、熊本市や熊本県がいろいろな負担をせざるを得ない状況になるということについて心を痛めておられました。
 今の石井さんのおっしゃることを私なりに整理すると、慈恵病院は、児童虐待防止法第四条一項において、国、自治体が支援に努めなければならない民間団体に当てはまることになると私は思いますが、いかがですか。

 そして最後に、もう次の池坊先生がおられますが、申し上げたいんですけれども、私は緊急一時保護施設という位置づけで児童福祉法上に位置づけておくべきだと思いますし、当然私も、石井さんがおっしゃるように、助長するためにこんなことを言っているわけではありません。 現実、こういう団体があって、心ある理事長さんがやむを得ずこの施設を設けたということの背景も踏まえると、私は法的な位置づけをしてあげるべきだと思いますが、この二つにお答えをいただきたいと思います。

 

○高木委員長

 石井審議官、申し合わせの時間が経過しておりますので、御協力願います。

 

○石井政府参考人

 結論から申し上げますと、まことに申しわけないんですが、先生の御指摘のような法的な位置づけは、やはり匿名性という、預け入れ助長という面がございますので、難しいかなと思っております。
 ただ、厚生労働省としては、「こうのとりのゆりかご」が問いかけている課題というのは真摯に受けとめて、例えば、望まない妊娠や出産に対する相談窓口の充実とか、あるいは特別養子縁組を前提とした新生児の里親委託の措置などの取り組みは積極的に進めていきたいと思っております。
 ちなみに、愛知県では、望まない妊娠で養育困難といった場合に、児童相談所が、出産前とかあるいは出産直後から相談を受けて、出産と同時に新生児を里親の方に委託をして、特別養子縁組を前提とした新生児の里親委託を里親委託の一つの方法として行っているというふうに聞いておりまして、こうしたようなやり方を広めていくのは一つの方策ではないかなと思っているところでございます。

 

○馳委員

 去年、当委員会でドイツにも視察に行ってこられたと思います。 ドイツのいわゆる「こうのとりのゆりかご」についての法的位置づけなども勉強してこられたと思います。
 児童虐待防止法の改正なのか、児童福祉法の改正なのか、「こうのとりのゆりかご」の位置づけというものについては、さらに議論を深めた上でやはり検討していくべきであるということを申し上げて、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。

 

○高木委員長

 馳浩さんの質疑を終了いたします。

詳しくは衆議院 会議録議事情報 会議の一覧 をご覧ください。
(特別委員会 → 青少年問題に関する特別委員会の会議録 → 4月20日 第3号 ) 


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