衆議院 文部科学委員会 会議録 第177回国会 第4号
平成23年3月25日(金曜日)---------------------------------------------------------------
【馳浩 質疑部分 抜粋】○田中委員長
次に、馳浩君。
○馳委員
自民党の馳浩です。 よろしくお願いいたします。教員の資質向上についての今のやりとりを拝聴しておりまして、多分こういうことだったと思うんですよ。 大臣、こういうことなんですよ。 要は、民主党を一生懸命応援してこられた日教組の皆さんが、これはやはり負担が多い、十年研修と重なるよ、廃止だ、ずっとこうおっしゃっておられたんです。 そういう主張をされる民主党の候補者も二年前のときにはおられました。
政権交代の後、文部科学省としては、教員免許更新制度の抜本的な見直し、こういうふうに方針を示されたと思うんですね。 ところが、それから半年ぐらいたった後、去年の6月に、教員の資質向上についての抜本的な見直しというふうな文言になったんですよ。 免許更新制度の抜本的な見直しという文言を見て、全国の皆さん方は、よし、我々の期待にこたえて多分廃止してくれるだろうと思って、それで、講習をちょっと様子見ようかなという人がふえたんですよ。 その人たちが実は、大臣も先般おっしゃいました、去年の9月時点でまだ5000人も残っていると。 現状でも結構残っていると思うんですね、講習を受け切っていない人が。
ただし、文科省としては、去年、資質向上についての抜本的な見直しという方向になって、中教審で丁寧に御議論いただいていると。 その結論を受けて最終的に判断されるということでありますから、教員の資質向上について抜本的に見直しをしながら高めていこうということについては、これは我々自由民主党も大賛成です。 ただし、それによって、現状の教員の養成課程、それから教育実習を受け入れる側の問題、それから教員免許を取って、取ってもどうでしょう、どの程度本当に実際に現場の教員として教壇に立っているか。 多分、随分少ないですね。
それを考えると、むしろ大学の養成課程のハードル、単位の取得とか、より実務的なこととかは、ここはやはりハードルを上げた方がいいし、実際に現場に出て学び直し、きょう実は、放送大学の小川先生が来られていました。 おっしゃっておられましたよ。 現場の教員の方々や中間管理職、教頭や校長が随分と放送大学を受講されていて、来年は大学院の博士課程までやろうとおっしゃっていましたよね。 非常に希望が多いんだそうですね。
そうやって現場にいる教員が、自分の責任範囲の中でより資質向上のために学び直しをしようとするなら、そういう体制を整えるのも私は文科省の責任でもあると思うんですね。 そういう意味での教員の資質向上に向けての抜本的な見直しを進めていく、幅広い議論をしていくということは、今後ともぜひやっていただきたいと思いますし、自由民主党としても、大いに我々なりに努力をして、よりよい制度になるように提言も続けていきたいと思いますよ。
さて、財務省から尾立さんにきょうも来ていただきました。 引き続きお伺いしたいと思いますが、財務省の吉田政務官は、3月9日の質疑でシーリングについてこう答弁されました。 社会保障とか地方の交付税を除いた約25兆円の経費を対象にして10%削減の要求をしていただいた、この答弁に間違いはありませんね。
○尾立大臣政務官
お答えをいたします。
いわゆる平成23年度の概算要求組み替え基準における9割要求、逆に言いますと10%削減でございますが、この対象となる経費について、改めて正確に申し上げたいと思います。まず、基礎的財政収支対象経費、これは約71兆円ございますが、ここから年金、医療等、さらに地方交付税交付金等、そして予備費及び経済危機対応・地域活性化予備費を除いた総予算組み替え対象経費24.9兆円というのがございます。 ここからさらに、高校の実質無償化等マニフェスト主要政策及び国会、裁判所、会計検査院に係る経費を除いた23.3兆円というものがこの9割要求の対象になっておるということでございます。
○馳委員
対象外とした地方交付税交付金、これには教職員給与の3分の2負担の部分も含まれていると思いますが、間違いありませんね。
○尾立大臣政務官
はい。 国庫負担を伴います義務教育職員の給与費については、その全体が地方財政計画の歳出の項に計上されておりまして、給与関係経費ということで計上をされております。
○馳委員
大臣、教職員給与は、3分の2地方負担とはいえ、実質的には全額国が負担をしている。 あっちはシーリングの枠外で、こっちはシーリングをかけるというのはおかしいんじゃないかというふうには当時思いませんでしたか。
○高木国務大臣
私は、義務教育国庫負担金は国が責任を持って対応すべきものだ、このように考えております。
○馳委員
そこで、先般の下村委員に対する尾立政務官の答弁をちょっと私なりに読みこなしてみたんですよね。 つまり、こういうふうな言い方だったと思います。 国庫負担金の3分の1の額に合わせながら地方交付税の3分の2の負担額を合わせるようにしたと。 つまり、予算編成の過程もあって、決定までの作業でそごのないようにした、そういう趣旨で答弁をされたと思いますが、多分間違いないと思うんですね、今から私があえて言いますから。これは、地方交付税の3分の2にシーリングをかけたら、まさか元気枠、復活要望額ですか、これにかけるすべがなくなるから外したという言い方もできるし、そもそも民主党は、経済状況も厳しいですから、地方交付税交付金にはやはり手をつけないという民主党としての方針があったのかもしれませんね。 そういうことで義務教育費国庫補助負担金の方だけかけたということの私の理解でよろしいですか。
○尾立大臣政務官
済みません、これもまた正確にちょっと申し上げたいと思います。先ほども申し上げましたように、国庫負担を伴う義務教育職員の給与費については、全体が地方財政計画の中で歳出として計上されておりまして、その3分の1は国庫支出ということ、御案内のとおりでございます。 残りの3分の2は地方交付税交付金等に含まれる中で処理をされるということでございまして、地財計画と義務教育費の総額というものは、これはベースが同じだ、また国庫負担のベースもすべて同じだという意味で、そごがないというふうに申し上げました。
○馳委員
なかなか一回聞いただけではよくわからない説明なんですよね。
でも、尾立さん、この3分の1の国庫負担金が現場で全部使われていると思っていますか。
○尾立大臣政務官
はい、適切に使用されているものと承知しております。
○馳委員
細かい数字は山中局長が持っていると思いますが、22の県から国庫に返納になっているんですね。 なぜだと思いますか。
○山中政府参考人
数は年度によっていろいろ違うところでございますけれども、その最高限度額のところまでそれぞれの県の教員給与費の総額というものを確保できていないという県があるということでございます。
○馳委員
尾立さん、そういうことなんですよ。 国庫負担3分の1、3分の2が地方交付税の地財計画の中に入っているから、全額使われているものだと思いますよね。 ところが、3分の1の部分も返ってきているんです。 なぜか。 私、今22と言いましたが、これは、具体的な数字はまた、多分文部科学省持っておられると思いますけれども、地財計画に入っている3分の2の部分が、3分の1に見合っていない、少なく渡されているということなんですよ。 だから、3分の1の部分に合わせようとしても、地方で給与負担ができないので、お返ししますといって国庫に返納されているという実態があるんですね。したがって、我々からすれば、我々というのは、あなたを除いた我々文教族の我々ですよ。 それはやはり、教職員の給与というのは、憲法第26条の精神からすれば、ちゃんとやはり国が責任を持って、義務教育無償化の観点からも保障してやらなきゃいけないじゃないかというふうな議論になるんです。
これはあなたを責めているだけではなくて、我々自民党のときに、2分の1から3分の1に減らした小泉構造改革が悪かったんですよ。 それを受け入れて総額裁量制にした我々も反省しなきゃいけないという意味で私はあえて、こういう実態になっている中でありながら、でも文科省は、工夫に工夫を重ねて現場の教職員の給与を何とかして安定的に確保しようと艱難辛苦をして、あなた方財務省と闘っていると。
私の指摘に間違いはありますか、大臣。
○高木国務大臣
私どもとしましては、義務教育国庫負担金は、シーリングにかけるべきではない、これは当然国が措置をするものだ、このような立場は堅持をしております。
○馳委員
だから我々も、去年、高校無償化法案の審議のときに財源の問題で、当時は副大臣であった野田財務大臣にも、特定扶養控除の分の削減を随分中川正春副大臣努力されてやりとりしておられましたけれども、文部科学省をいじめるなよと随分とバックアップしてきているんですよ。 今後とも、この後も厳しく財務省に対して追及したいと思いますが。そこで、概算要求では、シーリング要求枠と元気枠での要望という合わせわざでの予算要求でしたが、柔道では合わせて一本というのはありますが、予算要求ではわざの意味が根本的に違います。 シーリングをかけていいものといけないものとの峻別が必要です。 義務教国庫負担金は、補助金ではなく負担金です。 憲法の義務教育無償化の規定により、国が保障しなければならない負担金です。
財務省に改めて伺います。 二度と義務教の国庫負担金はシーリングにかけませんね。
○尾立大臣政務官
お答えいたします。24年度予算、来年以降につきましては、財政運営戦略、これは昨年の6月に政府で決めておりますが、これに基づき、まず予算編成の基本理念というもの、さらには経費の性格等を勘案して、中期財政フレームと整合性があるような形で概算要求の基準を設定していくことになろうかと思います。 具体的な内容については、今後、概算要求がこれから始まっていきますけれども、その過程で検討されると思っております。
○馳委員
あなた、さっきから、私の話を聞いているようで全然聞いていないじゃないですか。では、しつこいようですが、高木大臣にお尋ねいたします。 二度と義務教の国庫負担金にシーリングをかけさせませんね。
○高木国務大臣
平成24年の概算要求については、今後、政府としてその考え方を決めるときが来ると思っております。 私としましては、義務教育国庫負担金の重要性を強く訴えてまいりたいと思います。
○馳委員
ここが本当に最重要なポイントであると私たちは考えています。 文部科学省にとっての大黒柱であります。 ここがあいまいでありますと、来年も10%シーリングと特別枠という合わせわざを財務省に持ち出されてしまいます。 合わせわざの可能性はないと改めて否定できますか。 尾立さんに伺います。
○尾立大臣政務官
繰り返しになるかもしれませんけれども、24年度予算の概算要求基準についてはこれから決定されていきますので、現在、予断を持ってお答えすることができません。
○馳委員
これから文部科学委員会があるたびに、あなたをここに呼び出したいと思います。ましてや、東日本の大震災からの復興財源が膨大な額になります。 平成24年度の予算編成は、ことし以上の財源不足で厳しくなります。 先行き不透明であり、めどが立たないと思います。
そんなときに、文部科学省の新定数改善計画は、平成23年度でさえ、初年度から頓挫したのでありますから、計画的な改善に向けての見通しは五里霧中なのではありませんか。 つまり、見直しせざるを得ないのではありませんか。 見直しをするのであるならば、私は、この法案というのは遅かれ早かれ、4月中には処理がされると思いますが、4月中にも速やかに見直しの作業に入ったらいいんじゃないかなと思います。 そして、見直しをするときには、ぜひ野田財務大臣にもメンバーに入っていただくべきだ。 いや、野田先生が忙しいなら、尾立さんでも結構です。
ぜひ、財政的な観点からも、政策の優先順位としてこれは絶対守らぬといかぬという、その確定的なものを政府として持つべきではないかなと思うんですが、大臣、どのようにお考えですか。
○高木国務大臣
今回の震災については、範囲もかなり広範囲にわたっておりますし、その災害たるや甚大なものであろう。 当然、復興にかかる経費は相当、ある意味では予想のつかないものなんですけれども、それはそれとして、これは、我が国がこれからもしっかり立ち直るためには避けて通れないものだと思っております。したがって、教育関係費の補正予算を含めては、それはそのときにしっかり議論しなきゃなりませんけれども、私どもとしましては、当面、平成23年度予算あるいは関連法案、この中で、学校関係者、全国の自治体の皆さん方からもこれまでも強かった少人数学級、中学校までになりませんけれども、少なくともぜひ一年だけからはスタートさせていただきたい、こういう決意でございます。
○馳委員
またまた新定数改善計画の見直しについての具体的な答弁がありませんでしたので、でも、これはどっちみち残りますよ、初年度でちょっとつまずいたわけですからね。 それはもちろん文科省の責任ではなく、あそこにいる財務省の責任ですよ。 でも、政府としてとる姿勢を考えると、やはり早く見直し、と同時に、財務省も説得できるような論拠というものを持って闘うべきではないかなと私は思います。そこで、今から申し上げることは、政府に申し上げるという以上に、隣にいる松宮さんに申し上げたいなということを今から申し上げます。
今の法案のままでは自由民主党は賛成できません。 10%シーリングを義務教国庫負担金へかけてしまった間違いという筋論と、現実的に少人数学級や少人数指導が進んでいることと、加配定数への振りかえで十分少人数学級や少人数指導への対応もできているということが明らかであるからです。
今回は、35人以下学級を見越した平成23年度予算が成立をすることになっています。 したがって、今から六点申し上げます。
一、4,000人、87億円を加配定数に振りかえること
二、学級編制や教育課程の編成に向けては、学校現場や市区町村教委の意見を都道府県が尊重する規定の追加
三、加配事由への特別支援教育
四、同じく加配事由への専科教員の追加
五、東日本大震災対応の特別加配措置の規定の追加
六、教育公務員特例法の改正で、違法な政治的行為制限の恒久制度化や国家公務員並みの罰則付与という教育現場の正常化、これは、多分に北教組の問題が全く改善を見ていないという実態を踏まえた提案でもありますが。これは、提案として、与野党と政府も含めた話し合いのスタート地点であると自由民主党は考えています。
また、平成24年度に向けては、教育振興基本計画の見直しや教員の資質向上計画の実施、一クラスの下限人数も含めた学習成果や学級経営論、教職員の倫理規定の制度化など、総合的に取り組むべき問題を提案したいと思います。
こういう制度改革は、数字のつじつまが合えばそれでいいとか、計算式はちょっとよくわからなかったけれども何となく答えが合っていたからそれでよいというものではありません。 政策の立案形成プロセスも重要であると思っています。
大臣の見解を伺いたいと思います。
○高木国務大臣
お尋ねの少人数学級の実現については、これは昨年以降、平成23年度の予算等に関して、全国の知事会あるいは全国市長会、全国町村会、こういった地方団体からも要望されておりますし、また、教育委員会やPTAを初めとする諸団体からも強く要請を受けてまいりました。昨年の8月に、そういうことを受けて、少人数学級の推進を柱とする、いわゆる、先ほどから御意見があっております新しい教職員の定数改善計画を策定して、概算要求においては小学校一、二年の35人以下の学級の実現を特別枠として要望させていただいたところでございまして、この点については、政策コンテストという新しいシステムの中でパブリックコメントを行っております。 この中でも約42,000件の方々の御賛同をいただいておりまして、非常に心強く思ったところでございます。
○馳委員
次の質問に移りますが、済みません、質問通告したその二の方に入りますから。
加配定数が制度化をされた昭和44年以来の経緯について、少し聞いていきたいと思います。
1970年、80年、90年、2000年、2010年、10年区切りで今申し上げましたが、それぞれの加配定数の数の経緯を教えてください。
○山中政府参考人
1970年の加配定数というのは、ちょっと年次が古いため、その70年が幾つかという数字がちょっとないのでございますけれども、第三次定数改善計画というのが昭和44年から始まりまして、これが完成いたしました昭和48年、1973年でございますけれども、この数が1,787人でございます。 その後、1980年度、これが4,615、1990年が1,413、2000年度が32,704、2010年度が60,505という数字になっております。
○馳委員
先般も質問をし、お伺いしましたが、これは何で1990年だけ1,413人と急に少なくなったんですかね。
○山中政府参考人
恐縮でございます、間違えました。 1990年度は14,013でございました。 訂正いたします。 失礼いたしました。
○馳委員
びっくりしました。 急に政策の方針がこの年だけ変わったのかと思ったじゃないですか。数字だけ見て大変失礼ではありますが、伸びてきていますよね、数字は。 これはやはり文部科学省としても、いわゆる基礎定数プラス加配定数ということで、うまく合わせわざで、これこそ本当に合わせわざで現場の要望にこたえてきたのかなと。 余りこの数字を言うと尾立さんが何かうれしそうな顔をするので、別に私はそういう趣旨で今質問しているわけじゃないですよ。 でも、加配定数を現場の要望にこたえて順調に伸ばしてきたという事実は、それは言えると思うんです。 そうすると、今後この加配定数が減っていく傾向なのかふえていく傾向なのかということは、やはり政務三役としても今後の見通しとして考えていくべきところなのかなと思うんですね。
どうでしょう、私は、自戒というか反省も込めて、やはり総額裁量制にしたことというのは本当にやはりよかったのかなという思いを今でも持っておりますが、現実的に定着をしてきている中で加配定数もこうやってふえてきているということを考えると、文部科学省として、今後、基礎定数プラス加配定数、これをどのようにハンドリングしていったらいいのかなというふうに考えておられますか。 お伺いします。
○鈴木(寛)副大臣
先ほど来御議論になっておりますように、まさに基礎定数と加配定数、このバランスということが大事でございます。基礎定数というのは、客観性があって、透明性があって、であるものですから、きちっと計画的に、安定的に教員の配置といいますか、確保というものができる。 そこで確保された教員というのは基本的には何にでも使える、要するに活用目的が限定されていない、こういうことです。
加配定数の場合は、今るる御説明を申し上げましたように、まず活用目的が極めて明確に決まっております。 かつ、これは自動的に、客観的に加配されるわけではなくて、まずは都道府県が申請をするかしないかということ、意思判断があります。 申請が上がってきたものを今度文部科学省が裁量権を持って査定するということで決まってまいります。
現場は、御案内のように基礎定数もふやしてほしい、加配定数もふやしてほしいということでやってきて、加配については一定程度の現場の声にこたえてきたわけでありますが、基礎定数については残念ながらこたえてこなかった。 そして、先ほども申し上げましたように、特に平成17年、18年以降、そのことがかなり現場にひずみというものを与えてきているので、両方ふやしてほしいけれども、これまで余り十分というか、30年間こたえてこなかった。 そして、その中でいわゆる基礎定数、実数の減というものがずっと続いているわけですね。 これに歯どめをかけてほしい、こういう声があるわけでありますから、それに私どもまずこたえていきたい。
それから、当然、加配についてもいろいろな、多様なニーズがございます。 そして、今回復興という問題を抱えました。 したがって、そういった問題についてきちっと現場の声、これについてもこたえていきたい。
この両方の要望にきちっとこたえていきたいということでありますが、今年度あるいはこの数年間のことで申し上げると、まさに基礎定数について、ずっと基礎定数が削減をされてきたということについてはやはりもう歯どめをかけるんだ、こういう意思は我々としては示したいということで今回の法案提出をさせていただいているわけであります。
もとより、加配についてもきちっと現場の声にこたえていきたいと思いますし、今回もこうした厳しい財政状況でございましたが、加配は維持をいたしました。 もちろん、ふやしたいのはやまやまでございますけれども、維持をいたしました。 ですから、私どもとしては、加配も基礎定数も両方ふやしていく。
ただ、これも委員御承知のとおり、基礎定数というのは客観的に決まるわけでありますから、この世界で客観的に追える数字というのは二つしかないわけですね。 つまり、実生徒数かあるいは学級数か、この二つしか客観的な数字はありません。
実生徒数というのは年度中にかなり、もちろん確定日を決めればいいわけでありますが、移動します。 ただ、実生徒数だけでやりますと、要するにいわゆる中山間地域をいっぱい抱えているところとか抱えていないところによって、そこのところが加味されません。 ということであれば、学級数をベースに基礎定数をカウントするのがいいのか、生徒数をベースにカウントするのか、どちらがいいかといえば、それぞれの地域のそういった地域の事情といいますか、人口の密集あるいは過疎、こういった実態をより踏まえた学習ニーズとか教育ニーズにこたえた数字としては学級数というものをベースに考えるのが望ましい、こういうことで義務標準法というのがこの30年間、できてきた。
もちろん、いろいろな修正、改善というのは必要だと思いますけれども、基本的にはこういう考え方を踏襲しながら、基礎定数問題についてどうするのかということにこたえていくということが大事だというふうに考えております。
○馳委員
実数の話で私ちょっと思ったんですけれども、児童生徒数は減っていく、当然学級数も減っていく。 もう一つの実数があるんじゃないかなと思うのは、教員の退職ですよね。そうすると、基礎定数というのは今後減ることはあってもふえることはないというふうに考えざるを得ないですよね。 そうすると、加配定数の方で振りかえて、特に退職教員というのは今後年齢構成もありますからふえていくということを考えると、だったらその分、新採用ですか、新卒ですね、新採をがばっと採ればいいかという問題でもなく、当然、退職教員の再任用という形で。
退職教員は、再任用のときには多分給料の額が随分減って、それでもいいですねというふうな合意の上で採用することになりますよね。 そういう意味では、基礎定数は減り続けるんだけれども、それをやはり加配定数でうまいこと振り向けていくという作業も必要なんじゃないかなと、都道府県の財政当局や人事当局のことを思うと想定できるんですけれども、これにはどういうふうにこたえていきますか。
○鈴木(寛)副大臣
先ほど六つの御提案をいただきましたけれども、論点はそこに尽きていると思います、大きな論点は。 もちろん細かい論点はいろいろあると思いますが。ほっておくと、今のフレームワーク、制度を変えないと、おっしゃるように基礎定数が下がっていきます。 したがって、下がらないようにしましょうということなんです。 なぜならば、基礎定数というのは客観的に決まるし、その活用目的というのは何にでも使えますから、しかも今回標準ということにしましたから、何でも使える、いわゆるフレキシビリティーがどんどん増すわけですね。 その両方を要望されて、それの要望にこたえているわけであります。
ですから、基礎定数をふやすためには、あるいは基礎定数が減らないようにするには、あるいは基礎定数の減り方を少なくするにはどうしたらいいかというと、その基礎定数の算定根拠になる学級数をふやしていく、こういう制度を導入しましょうというのが今回の御提案であります。
では、その学級数というのは何によって決まっているかというと、まさに一学級当たりの生徒数ということによって学級数というのは決まっています。 あと、特別支援のものがありますが、大きく言うとこの二つしかないわけです、特別支援学級の問題と普通学級の問題で。 普通学級の一学級当たりの生徒数、上限というものを40から35に引き下げることによって学級数がふえていく、これは委員もよく御承知のとおりですが、議事録にとどめていただく、より多くの方にわかっていただくということで申し上げているんです。
そういう意味で、まさに学級数をふやしていこう、それには、35人以下学級制度というものを要するに基礎定数の算定根拠の中に入れましょう、そのことによって地元から要望の強い基礎定数増あるいは基礎定数減に歯どめをかける、こういったことについてどうするのかという御議論ではないか。 そのことを多くの都道府県あるいは学校現場、市町村現場は待ち望んでいる。 そしてもちろん、それによって措置された基礎定数はより使い勝手よく、現場のニーズにこたえていく。 これも要望でございます。
我々は、できるような規定にはしましたが、できるということをより徹底するために、学校現場の声を聞けというようなことをもっと明確に、単なる答弁や通達ではなくて、そのことを法律によってもっと明記した方がいいんじゃないかということは、恐らくその方が我々の答弁や通達よりも現場にきちっと、法律だけ読めばそれでわかるわけですから、そういう御主張については、より現場に対する周知徹底の効果はあるというふうに私は思いますが、その一点目の、まさに基礎定数問題についての基本方針、ここが恐らく私どもとそれから自民党の御提案の基本的な理念の違いであり、これをまさに国民の皆さん、教育現場の皆様方に、大変いい議論といいますか、きょうの御提議の中で深まっております。
これは政策論でありますから、いろいろな考え方はあろうかと思いますが、私どもはそういう考え方でございます。
○馳委員
そういう議論だったら、やはり二つしかないんですよ。 第三条のところの、財務省は聞いておいてくださいね、一学年だけ35人という、何となく財政状況か財務省の方を見ながらあそこだけ変えるのではなくて、根本的に40を35と変えてやろうじゃないかと言って財務省を説き伏せる。 今の議論で説き伏せるか、私たちが言っているように、現実問題としてのことを考えると、加配の活用というのは現場に任せていく、することはできるのだから、やはり加配の方で十分にやっていくことができるのではないかというふうな、多分こういう議論のかみ合いになってくるんじゃないかなと私は思っているんです。次の質問に行きますので、加えて御答弁いただければいいんですが。
鈴木副大臣は前回、加配定数の場合は、毎年毎年、各都道府県教委の申請に基づき文部科学省が査定すると答弁をされました。 ということは、文部科学省に幾ばくかの調整の役割、裁量権、判断がゆだねられていると考えてよろしいですね。
○鈴木(寛)副大臣
そのとおりでございます。したがって、その点が中教審の提言においても指摘されておりますし、だからこそ、計画的な定数改善が都道府県教育委員会、人事権者においてしづらいという御指摘、あるいはそこを何とかしてほしいという御要望が上がってきているということでございます。
○馳委員
私が今から言おうと思ったことを先におっしゃっていただきました。まさしく、加配定数の決定プロセスの透明性と配分の客観性、予測性はまだ確定されていないのではありませんか。 だから、中教審の議論でも懸念事項となっており、今後の課題となっているのではありませんかということに今答えていただきましたね。 どうぞ。
○鈴木(寛)副大臣
そのとおりなんです。ただ、結局、活用目的を限定すると言った瞬間に、活用目的に沿っているのか沿っていないかというのはだれかが判断をしなければいけません。 そうしますと、国の予算である以上、それは文部科学省が判断をするという、これは制度的にくっついてきてしまうわけです、加配定数というのは。 ですから、加配定数を増して文部科学省の関与をゼロにするということは、制度論的にはあり得ないということなんです。
だから、基礎定数であれば、児童数がわかりますから、確定しますから、これは文部科学省の査定の余地はありません。 それから、おおむね、おおむねというか、ほとんど面積とかは変わりませんから、そうすると、もちろん合併とかいろいろなことはありますけれども、少なくとも、学校が今幾つ設置されているのか、そしてそこにどれだけの児童生徒が就学するのかというのも、これも自動的に決まります。 そうしますと、その市町村の中に学校が幾つあって学級が幾つあるか、これも文部科学省の査定が入りません。 なので、地元の都道府県は基礎定数ということを求めているということでございます。
○馳委員
都道府県の現場からは、加配定数の申請手続の簡素化や活用目的を限定しない教職員配置を求める声が多いそうですが、文部科学省の見解をお伺いします。 むしろ、この調整をする権限を持つということの方が文部科学省としての役割ではないでしょうか。
○鈴木(寛)副大臣
御案内のように、加配の目的というのは法令で限定列挙されているわけですね。 これまでも、平成14年、15年に、地域の特性への対応と不登校への対応という二つの目的であったものを一つに合併いたしました。 そのことによって、これを児童生徒支援加配というふうに統合したことで、そういう意味では、なるべくであれば統合する方向にしていけば相対的に自由度は増しますということと、それから一方で、ニーズはどんどん出てきます、教育現場は多様化していますから。 そうしますと、新しいニーズを足していかなきゃいけない。 それから例えば、今であれば、学習指導要領が新しくなりますから、そうすると、学習指導要領をきちっと徹底するための支援ということが必要になってきます。といったこととの中で、もちろん一定の方向性を、文部科学省がその現場の声を吸い上げて、そして調整をするということは必要です。 したがって、私どもも、加配定数の存在を否定しているわけでは全くございません。 加配定数は加配定数の意味があります。 基礎定数には基礎定数の意味があります。
しかし、この国は、30年間基礎定数についての手当てを何にも行ってきませんでした。 加配定数については、先ほど御議論いただいたように、1,787から始まったことが6万まで行きました。 もちろんこれは、私ども、ことしもこの水準は維持しております。 そして、財政状況が許せばこれをさらにふやしていきたいと思います。
ただ、30年間放置されてきた中で、そして児童数が減る中で、基礎定数減にどうやって歯どめをかけていくのか。 これをやりませんと、非正規教員がもう15%です。 これが20%になる、さらに25%になる。 この事態に対して国家はどういうふうな問題意識とそれに対しての改善方針を持っているのかということを、学校現場の人たちは、きょうの議論も含めて本当に注目をしていただいている。 私どもは、現場の実態にきちっと根差した現場の声に最大限こたえていきたい、こういうふうに思っております。
○馳委員
私が心配するのは、ことし、一年生だけの35人学級を実現しても、来年度以降の法改正が不透明であるからです。 政府案でも、来年度以降については附則にしか書かれていません。 それも、国と地方の財政状況に配慮となっておりまして、財務省の思うつぼではありませんか。 何よりも、財務省がまた10%シーリングをこの負担金にかけるかもしれないのです。 これだけは、義務教育の重要性を理解している文部科学省は絶対に譲ってはならない一線だと思っています。中学校三年生までの35人以下学級を実現するという見通しが立たない以上は、加配定数と義務定数をセットで有効に活用する権限をできる限り学校現場や市区町村教委に一定程度ゆだねるという政策方針が必要なのではないでしょうか。 そのハンドリングを文部科学省も調整役として持つべきではないでしょうか。
加配定数制度が始まって以来、40年たっております。 加配定数の役割も、大変貴重なものとして現場でお使いいただいておりますから、私はやはりここの点の議論がさらに深まればよいなと思って、きょうの質問を終わらせていただきます。
以上です。
※詳しくは衆議院 会議録議事情報 会議の一覧 をご覧ください。
(常任委員会 → 文部科学委員会の会議録 → 3月25日 第4号 )