衆議院 本会議 会議録

第177回国会 第18号
平成23年4月30日(土曜日)

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馳浩 質疑部分 抜粋

○議長(横路孝弘君) 

 馳浩君。

    〔馳浩君登壇〕

 

○馳浩君

 自由民主党の馳浩です。
 私は、自由民主党・無所属の会を代表して、政府提出の平成二十三年度第一次補正予算案に対して、緊急を要する予算であり、被災者の立場を考え、賛成することを表明し、討論を行います。(拍手) 

 三月十一日に発生した東日本大震災により、一万四千名以上ものとうとい命が失われ、いまだに一万一千名以上もの方々が行方不明となっておられます。改めて、お亡くなりになられた方々の御冥福を心よりお祈り申し上げますとともに、御遺族に対し衷心よりお悔やみ申し上げます。また、今なお学校等の避難所で極めて不自由な生活を余儀なくされておられます十三万人以上もの方々に心よりお見舞いを申し上げます。 

 そして、この東日本大震災直後から、昼夜を分かたず懸命に努力しておられる政府関係者の皆様、地元自治体の皆様、自衛隊、警察、消防、海上保安庁、そして企業やボランティアの皆様、また、外国から御支援に来られた皆様に、心より感謝申し上げますとともに、敬意を表する次第であります。 

 震災が発生して、既に一カ月半以上が経過いたしました。この間の政府の震災対応を一言で申し上げれば、有言不実行と言うほかございません。 

 記者会見で、菅総理は、私自身も死力を尽くして大震災、原発事故に立ち向かい、全力を尽くすことを約束したいとおっしゃっておられますが、その言葉を額面どおりに受け取れないのは私だけではありません。 

 後手後手に回る政府の震災対応や、総理の当事者意識なき、リーダーシップの欠如、原発事故にかかわる情報提供の混乱、不徹底、会議の乱立に伴う小田原評定化、さながら、会議は踊る、されど進まずといった指揮命令系統の混乱は、被災地の方々を初め国民の皆さんの目にどう映っていることでしょうか。総理の認識とは相当な乖離があることは、統一地方選挙や衆議院愛知六区の補欠選挙の結果を見れば、火を見るより明らかであります。 

 先日、民主党内で設立された総調和の会の趣意書には、菅政権が国民の支持を失っているのは明らかだとの一節があり、極めて噴飯物であります。この期に及んでいまだに党内のパワーゲームに終始している民主党政権そのものが国民の信を失っていることを早く自覚すべきであります。 

 一方、我が自由民主党は、東日本大震災に対し、これまでの経験を生かしつつ、震災直後、直ちに緊急対策本部を設置するとともに、挙国一致での対応と、政府を全面支援する方針を表明し、緊急の被災者支援に、党の総力を挙げて対応に取り組んでまいりました。 

 救援活動といたしましては、これまでに、約千の個人、企業、団体から御提供をいただいた飲料水約二十二万リットルを初め約五百トンもの救援物資を被災地にお届けしたほか、募金活動やボランティア支援、医療支援など、現場感覚を重視したきめ細やかな対応を心がけてまいりました。 

 復旧を中心とした緊急的な課題への対応としましては、「被災者が安心し、自治体等が迅速かつ的確に事業を実施できるよう予算措置をはじめ国が最後まで責任を持つ 従来の制度の枠を超え、政治決断をもって事態に迅速に対処する」との基本理念に基づき、一次、二次にわたる緊急提言を速やかに取りまとめ、政府に申し入れたところであります。 

 単なる原状回復にとどまらない復興につきましては、二十一世紀半ばの日本のあるべき姿を被災地で先取りして実現することや、復興再生を強力かつ迅速に進めるため、計画づくりから実施に至るまで一元的に行う復興再生院の創設を提唱しております。既に我が党では、復興再生基本法案の骨子まで、所要の手続を踏まえ、公にお示ししており、しかるべきときには基本法案を国会に提出する用意があることを、この場をかりて申し上げます。 

 立地地域及びその周辺地域に過去に類を見ない被害をもたらしている原発事故被害に関しましては、国策として進めてきた原子力政策に多大なる協力をいただいた関係市町村長から、現地で直接お話をお伺いすることから始めました。そして、一時帰宅の許可や生活資金の支給等、直面する喫緊の課題を集約し、避難者の方々の生活の安定を第一に、現行法の枠を超え、特別立法も当然視野に入れた対応を政府に求めた次第であります。 

 補正予算に関して申し上げます。 

 一刻も早い補正予算の成立は与野党の垣根を越えた共通認識であり、政府・与党の提案に対しても、我が党としてできる限りの協力をするつもりであることは、これまで何度も申し上げてまいりました。 

 きのう、自公民三党の政策責任者により、マニフェストの見直しを初めとした、財源問題等に関する三党合意がなされました。我が党が政府・与党に対し再三指摘してきた点が合意に組み込まれております。 

 きのうの合意にとどまることなく、早急に実行の段階に進めるよう強く要求し、改めて、我々が正すべきと考える点を申し述べます。 

 まず、財源についてであります。 

 政府案では、基礎年金国庫負担を二分の一にするための年金臨時財源二兆五千億円を流用しようとしております。今年度当初予算において法改正までして無理やりひねり出した年金臨時財源二兆五千億円を再びつけかえるのは、余りにも無節操でありました。今回、子ども手当の上乗せ分や、高速道路無料化の一時凍結による財源が計上されておりますが、我が党としては、直ちに、子ども手当を初め、ばらまき四K施策の潔い撤回を求めます。 

 また、菅総理のかたい信念とも漏れ伝えられる国債発行せずとの姿勢でありますが、今後、数次にわたる補正予算の編成が見込まれ、総理も二次補正予算での国債発行は不可避との認識を示している中で、何ゆえ一次補正での国債発行を拒むのか、理解できません。我が党は、従来の国債と区別する復興再生債を、国民に理解を求め、市場の信認を得つつ、堂々と発行し、財源とすべきと考えております。 

 また、公共事業直轄負担金やODA予算の削減といった財源捻出も適当ではないと考えます。 

 財政需要に関して申し上げます。 

 我が党は、今次の補正予算での財政需要について、やれるべきことはすべて盛り込むべきであり、政府案に比べ約七千億円を上積みすべきと考えております。 

 具体的には、子供たちの就学援助金の支給、災害救助関係費や災害復旧等公共事業などの国庫負担率のかさ上げ、今夏の電力需給対策、中小・小規模企業への万全の支援、地方財源への目配りといった災害対策事業を追加すべきであります。 

 なお、二次補正の編成時期について菅総理は明言を避けておられますが、我が国のマクロ経済を取り巻く環境は、一時の小康状態から、再び厳しさを増しております。二次補正時には当然こうした点への対処も含まれるものと推察いたしますが、一次補正成立後の速やかな対応を改めて政府に要請したいと存じます。 

 巷間言われておりますが、通常国会を六月二十二日に閉じて第二次補正予算は臨時国会に回すという考え方は、復旧復興に懸命に努力され、我慢を強いられている被災者の気持ちを逆なでするものでしかありません。政権の延命を最優先とするような国会運営は、とるべきではありません。特別立法も含めて、被災地支援のためにどんな対応もできるように、国会は、ずっとずっとあけておくべきであり、このまま第二次補正予算の編成に全力を投入すべきであります。 

 国難ともいうべき事態に直面し、国民が一致結束して事に当たろうとするとき、政治の役割は、国民の生命と財産を守りながら、復旧を急ぎ、未来への復興、再生へのグランドデザインを明確に示すことであります。 

 しかし、菅内閣が発足して約十一カ月がたちましたが、これまでの総理は、目の前に次々起きる難問に対し、明確な方向性も具体性も持たず、厳しい表情と涙を浮かべ、感情的にうろたえ、周囲にどなり散らしているだけでありました。役割を果たすことができないのであれば、日本のためにも、そのかじ取りをかわっていただくしかありません。 

 総理、我々自由民主党は、早急な対応としての一次補正に関しては、国民の命を守るため、協力させていただきました。総理がなすべき仕事は、この予算成立とともに終了するのではないでしょうか。そろそろ、大義を踏まえ、みずから出処進退を判断すべきときであります。 

 菅内閣の退陣こそが、復旧復興へ向けた新たな一ページとなり、国民の希望となり、それこそが、あなたが提唱する最小不幸社会の実現への近道であるということを申し上げ、私の討論といたします。 

 ありがとうございました。(拍手)


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