衆議院本会議 会議録 平成23年2月28日(月曜日) 第6号
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【馳浩 質疑部分 抜粋】
○議長(横路孝弘君)
予算委員長中井洽君解任決議案を議題といたします。
提出者の趣旨弁明を許します。馳浩君。―――――――――――――
予算委員長中井洽君解任決議案
〔本号末尾に掲載〕
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〔馳浩君登壇〕
○馳浩君
自由民主党の馳浩です。私は、自由民主党・無所属の会を代表して、ただいま議題となりました予算委員長中井洽君解任決議案について、中井君は一刻も早く委員長席からおりなければならない、その強い決意とともに、提案の理由を御説明いたします。(拍手)
まず、案文を朗読いたします。
本院は、予算委員長中井洽君を解任する。
右決議する。
以下、その理由を説明いたします。
まず、予算委員長としての中井君の適格性を論じる前に、そもそも国会議員としてふさわしいかについて言及しなければなりません。
中井君は、昨年十一月二十九日、参議院本会議場で行われた議会開設百二十年記念式典で、来賓の秋篠宮御夫妻が御起立されていた際、早く座らないとこちらも座れないじゃないかという趣旨の発言をしたと報道されています。中井君も、行程表には、お座りになると書いてあって、一同着席となっている、どうしたんだろう、宮様に伝えていないのかねということを周囲の議員に申し上げたと認めています。本当に失礼な、耳を疑う行為であります。
発言の内容はもとより、式典の最中、厳粛であるべき参議院本会議場で周囲に聞こえるように大きな声を発する行為そのものが、大変な問題であると言わざるを得ません。
国会議員として勤続三十年の経験が礼節をわきまえない横柄な態度となってあらわれてしまっているのなら、国民の代表としての適格性に欠けると断じざるを得ません。ましてや、そのような中井君が予算委員長の座に座り続けることが、そもそも許されるわけがありません。
その中井君は、先週金曜日、二十五日昼過ぎ、野党欠席の理事会で、突如として、本日の締めくくり総括質疑、採決の日程を決定いたしました。分科会終了まで待たずに、たった一回の理事会で採決を決めた今回のやり方は、丁寧さのかけらもない不誠実きわまりないもので、許されるわけがありません。
さらに、その際、中井君は、野党の要求はすべてのんだ、これ以上延ばすことはできないと記者団に語ったそうですが、これは事実を全く無視したもので、強く抗議いたします。
野党の求めるものは何か。現在、民主党経理部所属の俊成浩章氏、民主党衆議院第三控室の高橋豊和氏の参考人招致、財団法人朝陽会理事の西坂信氏、同評議員浅野貴志氏及び西坂章氏の参考人招致、上記三名に加え、財団法人朝陽会理事長の参考人招致、厚生労働省大臣官房国際課課長補佐平嶋氏、国際労働機関第一係長藤原氏、警察庁警備局公安課山田幸孝氏及び柳原氏、法務省国会連絡調整室法務事務官高橋氏、法務省刑事局付浜氏の参考人招致、鳩山前内閣総理大臣の参考人招致、長妻昭前厚生労働大臣の参考人招致、日本航空会長稲盛和夫氏の参考人招致、二酸化炭素削減目標達成に向けた取り組みに関する政府統一見解、マニフェストに関する政府としての検証結果についての統一見解、最近の天下り・渡りの実態に関する予備的調査についての報告書の内容に関する精査などなど、枚挙にいとまがありません。特に、民主党小沢一郎元代表の証人喚問も、鳩山由紀夫前総理の参考人招致も、全く実現の兆しがないままではありませんか。
我が党の鴨下一郎君がただした専業主婦年金救済策の問題についても、政府はまともな回答をしないまま。
さらには、審議の中身を見れば、政府・民主党のマニフェスト違反、菅総理の税制改正や社会保障政策、外交政策への定見のなさ、リーダーシップのあり方など、まだまだ審議はし尽くされていないのは明白です。それなのに、どうして野党の要求をすべてのんだなどとうそを言えるのですか。
そもそも、中井君は、一月三十一日の理事会で、予算案審議を急ぐつもりはない、徹底的に議論してほしいと発言しています。今回、野党の反対を押し切って予算案の採決を強行に決めたのは、自然成立を確実にするためであり、野党六党が要求する小沢元代表証人喚問、野党全党が要求する鳩山前総理参考人招致から逃げるためでしかありません。また、本来、予算案とセットであるべき国税、地方税の審議に結論を出すことから逃げるためでしかありません。こんな無責任かつ拙速な予算案採決に、何の大義もありません。
予算案と歳入法案は、一体、セットであるはずです。予算案だけを参議院に送付しても、参議院の西岡議長は受け取ってくださらないのではないのですか。
また、横路議長、あなたにも物申したいと思います。
野党七党の国対委員長が抗議の申し入れに行った際、議長は、事もあろうに、正午の理事会で協議すればよかった、野党も努力をしてくださいと、責任を野党に押しつける始末。しかし、野党は、午後の分科会が不正常にならないよう、職権で決めるにしても、正午の理事会ではなく、分科会が終わってからにしてもらえないかと、職権の段取りまでをも丁寧に与党筆頭理事の中川正春理事に提案をしていたのであります。少しは人の意見を聞いたらどうですか。
昼の段階で早々と職権を行使した中井君の裁定は、明らかに、拙速で、公平性に欠けています。何をそんなに急いでいるのでしょうか。中井君が二十五日午後の分科会終了後に職権を行使したのであれば、野党も質問できたはずです。中井君は、拙速に職権を行使したことで、国会を不正常な状態に陥らせてしまいました。議長は、その責任を、中井君に対しては何も問わず、逆に野党に押しつけたのであります。民主党による国会運営は、全く異常としか言いようがありません。
野党が足かけ三年にわたり要求している民主党小沢元代表の国会招致、証人喚問については、二月十六日に、与党筆頭理事の中川正春さんが、六野党による証人喚問の要求を真摯かつ重く受けとめ、衆議院での予算案の通過までに責任を果たすよう最大限の努力をしてまいりますと誓約をしたばかりです。その後、民主党は、どう最大限の努力をしたのですか。小沢さんに証人喚問に出るようにお願いをしたのですか。党内の役員会で議論をしたのでしょうか。全く不誠実ではありませんか。中井君は、そんな不誠実きわまりない民主党に、説明責任を果たすようどれだけの働きかけをしたのですか。
中井君は、与党の描いたスケジュールを強行するためには理事会での採決をいとわないにもかかわらず、小沢元代表の証人喚問の問題については理事会での態度決定を避け続けています。真に公平中立な委員長であれば、小沢議員の証人喚問について、民主党に態度を決定するよう強く促すべきではありませんか。
結局、中井君と民主党が、とことんクリーンと言いながら、やっていることは、臭い物にふたをして、逃げ続けることだけです。一体、どこがとことんクリーンなのでしょうか。それどころか、ほこりがたまる一方ではありませんか。
証人喚問をいずれ政倫審でと逃げ、予算関連法案の審議もいずれ行うと逃げ、いずれ、いずれの逃げ菅の体質は民主党の国会運営にも伝染しています。このような、いずれ、いずれと逃げ続ける菅民主党は、もはや国民の信を失ってしまっていると確信をしております。
中井君の異常な運営は、今回の強行採決だけではありません。今国会、予算委員会のスタートから行われています。
一月二十八日の初めての委員会は、円満な日程協議を求めていた自民、公明、共産、みんなの野党四党の意向を無視し、民主党のみの不正常な理事会で決定されました。
理事会や理事懇談会の運営は、与野党の円満な協議によって合意を得ることを基本とし、合意が得られない場合に、やむなく委員長が職権を行使して物事を決する慣例になっています。与野党の円満な協議には与党側の丁寧な運営姿勢が不可欠で、協議の中で少数会派からも意見の表明があり、少数意見の反映という民主主義のよき精神が発揮されています。したがって、合意が得られず、委員長が職権を行使せざるを得ない段階に至るには、幾多の過程を経なければならないのは論をまちません。しかし、政権交代以来、民主党による国会運営には、合意を得るに至る努力が決定的に欠けております。
そもそも、民主党には、与野党で合意を得るという発想がないかのように感じられることすらあります。
今国会の予算委員会スタートに際しても、野党四党は、日程案を示し、誠実に日程協議を行うよう再三再四民主党に申し入れておりました。しかし、民主党は、与党であるにもかかわらず、自分たちの思い描いたとおりのスケジュールで予算委員会を開くことに躍起となり、日程協議を拒否し、開会を強行したのであります。
さらに問題なのは、後日の理事会で、与党筆頭理事の中川正春君が、一月二十八日の委員会決定に際し理事会で採決を行ったと明言し、中井君も、それを否定せず、満場一致だったと主張したことです。これは、我が国民主主義の根幹にかかわる大きな問題です。なぜならば、理事会や理事懇談会での採決が許されるならば、今後、与野党による協議は必要なくなってしまうからです。
理事会で採決を行ったことが明らかとなった今、民主党による横暴な国会運営もここにきわまれりの感があります。採決を主導した予算委員長中井君の責任は極めて重いものがありますが、何の反省の色も見せない中井君の態度を見ている限り、責任感が欠如していることは明らかであります。
さらに、中井君は、我が耳を疑う発言をしております。
二月一日の理事会で、委員会強行開催について、国対方針だったと発言したのであります。公平中立の立場から、与野党双方の意見を聞き運営を進めるべき中井君が、与党国対の方針に従って一方的な運営を主導したことをみずから宣言したことになります。このような与党寄りの姿勢を明らかにしている中井君を、野党はどのようにして信頼することができましょう。これ以上、中井君に運営を任せることはできません。
以上、与党側に偏った異常な運営姿勢を申し述べました。
次に、常任委員長のあるべき姿とは正反対の中井君の傲慢な姿勢について申し上げます。
中井君は、委員会での質疑中、突如として発言を行い、答弁や質疑を中断させることが多く見受けられます。求めた大臣とは違う大臣を勝手に指名したり、質疑者を教授、質疑を陳述と、やゆしたりしています。
さらには、開会中に携帯電話を使用していたことも明らかとなっています。中井君は、委員も携帯電話を使用していると、まるでみずからを正当化するかのような反論をしていますが、子供じみています。委員会の行司役である委員長が携帯電話を操作しながら、どのように的確に議事を進めることができるのでしょうか。明らかな詭弁であります。
中井君は、理事会で、合わせて一本という言葉を使って陳謝をしていますが、一本を認めたのならば、試合終了です。速やかに、潔く予算委員長の座をおりるべきであります。
また、二月八日の委員会では、我が党の小泉進次郎君の質疑中に、要求大臣は忙しい中委員会に来ているとの趣旨の発言をし、直後の理事会で撤回をしています。しかし、この発言は聞き捨てにすることができません。
中井君は、何か、我々野党の要求で予算案審議を行っていると勘違いされているのではないでしょうか。速やかな予算案審議をお願いしているのは政府・与党であって、我々野党は、それに真摯に対応し、かつての民主党のように審議拒否戦術はとらずに議論を闘わせているのであります。
中井君が言うように、大臣が忙しいなら、どうぞそちらの用件を優先していただいても一向に構いません。その間、予算委員会は休みにしていただいて、大臣の時間がとれるようになったら、平成二十三年度予算案の審議を再開して、しっかりと熟議を重ねていこうではありませんか。
中井君の、大臣は忙しい発言には、政府・与党は野党のためにしようがなく審議をしてやっているという民主党の姿勢が見え隠れしています。そのような国会軽視の、野党軽視の姿勢が見られる限り、民主党を信頼して与野党協議を進めることなど軽々にはできないと強く申し上げます。
さらに、二月十日の委員会では、我が党の平沢勝栄君の質疑中に、私どもの部会では余り聞いたことがないと発言しています。中井君にとっての私どもが、民主党を指すのは明らかです。さらには、二十三日の理事会で、民主党国対の会議に出席したことを明らかにしています。
中立であるべき予算委員長が、委員会審議や理事会の場で、公然と、どちらか一方によって立っていることを公言している以上、中井君に公平中立な運営を任せることなど到底できません。
このことについて、この場にいる議員諸君のだれも反論できないと思いますが、与党の皆さん、いかがでしょうか。中井君を予算委員長に指名した横路議長、いかがでしょうか。
中井君は、二月十六日の委員会で、我が党の赤澤亮正君に、ルールをお守りくださいと大声で注意しましたが、政府・与党のために運営を進めている中井君が、よく言えたものです。中井君こそ、中立公正の最も基本的なルールをお守りいただきたいものです。
二月九日の委員会では、民主党の委員席から信じられない不規則発言があり、ふだんめったに速記をとめない中井委員長も思わず速記を停止したほどでした。水野智彦君のその発言は、国会の場での言葉としては余りにも常識外れの恥ずかしい言葉なので、あえてここでは申し上げませんが、そのような言葉がやじとして出てくること自体、中井君の横柄、傲慢な雰囲気が民主党委員にも蔓延し、緊張感が欠けてしまっているからに違いありません。不規則発言を行った民主党の委員は、みずからへの反省の意を込めて、本決議案に勇気を持って賛成していただきたいと思います。
ここまで申し上げれば、中井君がおよそ委員長席に座る人間としてふさわしくないことは、十分御理解いただけたものと思います。それでもなお本決議案に賛成票を投じることにちゅうちょしている与党の皆さんに対し、中井君の昨年の所業についても申し上げさせていただきます。
さきの臨時国会の最大の焦点であった尖閣諸島沖での中国漁船衝突ビデオに関する中井君のミスリードについてであります。
昨年九月三十日の予算委員会理事会で、当時の松原仁委員長代理は、ビデオの件は、理事会の総意として予算委員会への提出を求め、取り扱いについては、公開を含め引き続き協議すると発言し、各党もこれに合意しました。
しかし、その後、委員長に就任した中井君は、十月二十七日に政府がビデオを提出した後、野党の主張を無視する形で、まず、衆参両院の予算委員会の委員長、理事、オブザーバー、陪席、質疑者に限ったビデオの視聴を独断で決め、実施いたしました。野党は、衆議院に提出されたビデオを参議院側に公開するかどうかは、国民に公開するかどうかと同レベルで協議すべきだと主張しましたが、中井君から、それに対するまともな説明は全くありませんでした。
また、ビデオを提出した際、政府は、極めて慎重な取り扱いに特段の配慮を求める要望書を提出しましたが、中井委員長は、これを全面的に受け入れ、視聴を行いました。
世論や野党の意見よりも政府の意見を優先して、どうして国権の最高機関たる国会の権威を守り続けることができましょう。国会は、政府の意向に沿い従う機関ではありません。憲法第四十一条を改めて読み直していただきたいと思います。
さらには、この視聴後、中井君は、公開は全く前提にないと発言、松原君が行った決定を突如として一方的に破棄し、与野党の協議を封じてしまいました。こんなだまし討ちのような運営が許されるはずがありません。
皮肉にも、極めて慎重な取り扱いを求めた政府のその内部から衝突ビデオが流出した事態は、結果として、国民にビデオの内容を隠し続け、国民の知る権利をないがしろにした中井君の判断が間違っていたことの何よりの証左となりました。中井君は、この段階で、潔く、みずから退場すべきだったのではないでしょうか。
以上、予算委員長中井洽君がその任に全くもってふさわしくない理由をるる申し述べました。中井君は、予算委員長として職責を果たすだけの覚悟も、力量も、器量も、全く持ち合わせておりません。持っているのは、傲岸不遜なはったりと大声だけであります。
ここまで詳細に理由を申し述べれば、民主党議員の皆さんもよく御理解をいただけたことと存じます。不誠実で、恣意的で、強権的で、独裁的な、中立性のかけらもない中井委員長に対する解任決議案を、与野党の枠を超えた圧倒的多数で可決していただき、議会人としての最低限の良識を守っていただきたい。
以上をもって私の趣旨の説明とさせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
○議長(横路孝弘君) これにて討論は終局いたしました。
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○議長(横路孝弘君) 採決いたします。
この採決は記名投票をもって行います。
本決議案に賛成の諸君は白票、反対の諸君は青票を持参されることを望みます。――議場閉鎖。
氏名点呼を命じます。
〔参事氏名を点呼〕
〔各員投票〕
○議長(横路孝弘君) 投票漏れはありませんか。――投票漏れなしと認めます。投票箱閉鎖。開票。――議場開鎖。
投票を計算させます。
〔参事投票を計算〕
○議長(横路孝弘君) 投票の結果を事務総長から報告させます。
〔事務総長報告〕
投票総数 四百四十八
可とする者(白票) 百五十五
否とする者(青票) 二百九十三
○議長(横路孝弘君) 右の結果、予算委員長中井洽君解任決議案は否決されました。(拍手)
※詳しくは衆議院 会議録議事情報 会議の一覧 をご覧ください。
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