衆議院本会議 議事録

 平成22年2月25日(木曜日)

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 【馳浩 質疑部分 抜粋

○副議長(衛藤征士郎君) 馳浩君。

〔馳浩君登壇〕

 

○馳浩君

 自由民主党・改革クラブ代表の馳浩です。
 高校無償化法案について、川端文部科学大臣初め、関係大臣に質問します。(拍手)

 まず、川端大臣の政治団体達友会架空事務所費六千六百七十万円問題について質問します。
 あなたは、記者会見で、達友会事務所が事務所機能を持たず、家賃、光熱水費などは発生しないことを認めました。 虚偽記載ではありませんか。東京の議員会館事務所費を達友会が負担していたと説明しました。 実際の事務作業は、あなたの秘書が議員会館で行っていたのではありませんか。
 あなたは、一月十二日の記者会見で、事務所費の明細は今精査中、最低限三年の部分は精査できると答弁しています。 精査した結果、どうでしたか。 政治資金の透明性が問われています。 会計帳簿や領収書を明示して説明すべきではありませんか。
 そもそも、達友会に、会報発行や勉強会などの活動の実態はあるのでしょうか。 収支報告書の支出の部分は、明細費で出てくる政治活動費のほとんどが飲食費です。 この中には、ニューハーフクラブの領収書も含まれていました。
 この団体の収入の九割以上は、民主党滋賀県第一区総支部と川友政治研究会からの寄附金です。 川端さんの飲食費を捻出するだけのトンネル団体だったのではありませんか。
 自殺をした我が党の松岡大臣、また赤城大臣は、実態のない架空事務所費問題で民主党の追及を受け、責任をとり、辞職しました。 あなたは辞職しますか。 責任をとりますか。 辞職をしないとしたら、恥ずかしいと思いませんか。

 次に、北海道教職員組合のやみ献金問題について質問します。
 民主党の小林千代美代議士の選対委員長代行は、連合札幌会長が務め、買収の選挙違反で逮捕され、小林さんも連座制が問われようとしております。
 (発言する者あり)

 

○副議長(衛藤征士郎君)

静粛に。 静粛に願います。

 

○馳浩君(続)

 この捜査の過程で、今度は、北教組から違法な選挙資金が裏金として授受されたことが会計担当者の証言で明るみとなり、公職選挙法違反や政治資金規正法違反で、現在、札幌地検が捜査中です。 北教組事務所も家宅捜索を受けています。
 規範意識や道徳心、公共の精神を教える立場の教育者としてあるまじき事件です。 子供を犠牲にして、組合活動と言いつつ選挙丸抱え、教職員組合の裏金で議席を買って政権交代とは、笑止千万、言語道断。 余りに異常であり、断じて許せません。 川端大臣の見解を求めます。
 大臣は、予算委員会で、こういう団体は、県の人事委員会に登録されている、いわゆる交渉団体です、その資格として、登録する要件として資金の流れを把握する仕組みにはなっておりません、文部科学行政の中で、このお金はどうだったかを調べることはできませんと答弁しています。

 そこで、原口総務大臣に質問いたします。
 人事委員会に登録する要件として、収支報告書の提出や監査人選定など、資金の流れを解明するような法整備が必要だと思いませんか。 そして、組合の不透明な資金の流用や、虚偽の収支報告や会計処理をするような違法な団体は、人事委員会の交渉団体として、勧告や登録停止や抹消が必要だと思いませんか。 自由民主党は、そのために議員立法の準備をいたします。 原口大臣や川端大臣の見解を求めます。
 文部科学省としても、平和闘争資金などの名目の選挙前のカンパの流れや、教職員組合の収支決算や政治資金の流れを把握できるようにしておく必要を感じませんか。
 教職員の違法な政治的行為について規制している教育公務員特例法第十八条第二項の削除をする議員立法を我が党は準備しています。 この法律では国家公務員並みに教職員の政治的行為の制限をしていますから、国家公務員並みに罰則も必要だと思いませんか。 そして、教育における政治的な中立性を守るべきだと思いませんか。 大臣の見解を求めます。

 教職員の違法な政治資金といえば、山梨県教職員組合の違法な裏献金事件が記憶に新しくあります。 参議院選挙で輿石東候補を応援するために一億円を超えるカンパをして裏金をつくり、問題が事件化しました。 政治資金規正法で略式起訴され、刑事罰まで受けた組合の幹部は、昨年春にめでたく教頭に昇進しています。 大臣、全国に、このような刑事罰を受けた人物の管理職登用の実例はありますか。
 政治資金規正法違反で略式起訴された鳩山総理の秘書は、秘書を解任されています。 しかし、同様の山梨県教職員組合幹部は、めでたく教頭に昇進しています。 異常だとは思いませんか。 川端大臣の見解を求めます。

 次に、高校無償化法案について質問します。
 そもそも、この政策を実行するに当たって、中教審に諮問しましたか。 どのような政策効果のねらいがありますか。 莫大な税金を投入するのであり、教育関係者による慎重な審議が必要ではありませんか。 政策効果はどのように検証しますか。
 大臣は、高校無償化法案の目的や成果、効果について、二月十五日の予算委員会で、我が党の下村博文委員の質問に答え、莫大な税金を投入して無償化することで子供たちに勉強してくださいという強いメッセージになる、税金を使って勉強の環境を整えることを認識させることで社会性や公共性を自覚させる、保護者も含めて社会、公共というものを自覚して立派な大人になるという自覚を促す効果という、極めて抽象的な答弁をしました。

 現場の声に耳を傾けたり専門家の緻密な議論の積み重ねの結果としての政策とはとても思われません。 莫大な税金を投入することの政策効果を全く説明しておりません。 この政策で果たして、子供たちの学力向上に貢献し、公共心育成につながるのでしょうか。 税金投入と政策効果の関連性についての答弁を求めます。
 そして、政策効果を練り上げる意味でも、今からでも遅くありませんから、制度の導入について中教審に諮問すべきではありませんか。 大臣の答弁を求めます。

 次に、我が党の考え方を申し上げます。
 進学率九八%を超え、実質的に義務教育に準ずる教育機関である高校教育費の負担軽減策は重要と考えます。 しかし、親責任や高校進学しない子供もいることを考えると、限られた財源で公平な支援をする必要があります。 つまり、所得制限が必要です。
 低所得層において教育費の負担が重いことを考え、経済的な事情で進学を断念せざるを得ない、意欲と能力のある子供をなくすため、年収三百五十万円未満の生活保護世帯、準要保護世帯に対し、入学金、修学旅行費、教科書代などの経費の支援を目的とする新たな就学援助制度の創設や給付型の奨学金制度を予算の範囲内で創設すべきと考えます。
 また、公立学校と私立学校の役割は、都会と地方では微妙に違います。 本当ならば公立高校に進学したかったけれども、合格できずに、通学圏の私学にやむを得ず進学する、いわゆる滑りどめの私学に通学せざるを得ない子供や保護者にとって、教育費の負担は重くのしかかります。 所得制限の上で、公私間格差解消に努めるべきと考えています。 大臣の見解を求めます。

 次に、税の公平性を考えると、同年齢で高校に進学しない子供たちへの支援をどうするかも重要な課題です。 政府のお考えはありますか。
 次に、特定扶養控除見直しについて質問します。
 文部科学省の平成二十二年度税制改正要望では、家庭の教育費負担の軽減に資する特定扶養控除の維持を要望しておりました。 その内容は、「扶養控除の見直しが行われる際には、現行の扶養控除や特定扶養控除が家庭の教育費負担の軽減に資している現状を踏まえ、より一層負担が軽減されるよう、税制上の配慮を行う。」となっています。
 しかし、信じられないことに、財務省との予算折衝で、いよいよ高校授業料無償化の財源が不足することが明らかになると、文部科学省側から特定扶養控除の見直しを提案したのです。 しかも、川端大臣は、高校授業料無償化とリンクしての特定扶養控除の見直しについて、かねがね言ってきたとまで述べています。 これは、総選挙の際のマニフェストに反するものではありませんか。
 それならば、なぜ税制改正要望で特定扶養控除の維持を要求したのですか。 わずか二カ月足らずで、舌の根も乾かぬうちに、特定扶養控除の上乗せ部分廃止についてみずから提案するのですか。 矛盾していませんか。 マニフェストを変更したこの間の経緯は、国民に全く明らかになっていません。 政務三役が政治主導で決めれば何をやってもいいのでしょうか。 まさしく、マニフェスト第一主義の財源あさりです。 大臣の説明を求めます。

 次に、各種学校も無償化に含まれますが、どの各種学校が対象となるか明確ではありません。 国会にリストをお示しくださいますか。 概算要求では四千八百校の各種学校を積算根拠としていますが、その中に朝鮮学校は対象となっているのでしょうか。 先ほど、文部科学省の担当者は、朝鮮学校も対象となっていると発言をしておりました。
 もし対象となるとすれば、そのことについて、拉致問題担当の中井大臣はどう考えますか。 拉致問題解決を優先する圧力に使いますか。 それとも、教育は別次元ですか。 川端大臣にも見解を求めます。
 無償化の対象となる各種学校については、文部科学省令で定めるとなっています。 法案が成立しないと省令は決められないのですか。 とすると、事務手続がおくれませんか。 四月一日からの実行に間に合いますか。 省令である以上、原則、文部科学委員会では審議の対象になりません。 無償化の対象となる各種学校の範囲、基準について、省令の内容の妥当性をだれがチェックするのですか。 極めて重要な制度変更であり、政務三役の密室で決めずに、国民に開かれた国会の場で議論すべきではありませんか。 川端大臣の方針を伺います。

 また、各種学校の中に外国人学校も対象となる可能性があると昨年の委員会で政務三役が答弁しておられました。
 すると、そもそも義務教育段階の外国人学校は経常経費補助の対象となっていませんから、高校生だけが支援費の対象となり、外国人学校に在籍する小中学生は置いてきぼりです。 逆転現象が起きるのではありませんか。 大臣の答弁を求めます。
 そもそも、このような重大な制度変更を行うには周知徹底が必要ですが、既に二月の最終週です。 地方自治体からは不安の声が寄せられています。
 例えば、留年者に対しては、授業料徴収の方針が不明確です。 法案では、公立高校の留年者の扱いについては明確に記載されていません。 大臣、どうするのですか。
 文部科学省は、留年者の授業料を国庫負担しない方針としており、公立校の留年者の授業料を無償にする場合は自治体の負担となります。
 制度施行予定の四月以降、自治体が法案の例外規定に基づいて留年者から授業料を徴収する場合には、三月議会で条例を改正する必要がありますが、準備期間が足りません。 三月議会で条例改正が行えなかった場合、六月議会に先送りになります。 その際は、高校無償化法案が優先されるため、自治体が、留年者は有償とした場合でも、四月、五月の授業料は徴収できなくなります。 万が一には、自治体に対して臨時議会の招集を要請しますか。

 また、東京都の公立高校の授業料は十二万二千四百円、大阪府の公立高校の授業料は十四万四千円であり、自治体に新たな負担が生じます。 実際に東京都は、差額分を生徒に負担させないために三億九千万円の新たな負担が生じる予定であり、経費節減での穴埋めを検討しています。 文部科学省は激変緩和的な措置で、負担がふえる自治体に対応するそうですが、その内容は明らかではありません。 大臣、どうやって対応しますか、明確な方針をお示しください。
 こういう事実を踏まえても、地方自治体は大変苦慮しており、国民への周知徹底期間もとれないことを考えると、制度の拙速な導入は混乱を引き起こします。
 大臣、拙速を避け、少なくともこの一年間をかけて、中教審や文部科学省内でのオープンな場での検討を積み重ねるべきではありませんか。 川端大臣の明確な決断を求め、質問を終わります。(拍手)

 

〔国務大臣川端達夫君登壇〕

 

○国務大臣(川端達夫君)

 最初に、政治団体達友会の活動及び事務所費について御質問がありました。
 政治団体達友会は、規約の中で、衆議院議員川端達夫氏の政治活動を後援することを本来の目的として設立された団体であり、その目的を踏まえて活動していたものと承知をしております。
 本団体の主たる事務所の届け出は、外部からの連絡拠点として、その代表者または会計責任者の自宅としてきました。 このため、達友会の政治資金収支報告書に記載されている経常経費には家賃及び水道光熱費等は計上しておりませんが、その団体の活動の結果、発生した経費のうち、経常経費に相当するものが計上されており、具体的には、備品、消耗品として、新聞、事務機器、文具類、車、ガソリン等の経費、事務所費として、電話、ファクス、コピー等に係る経費が含まれていると承知しております。
 したがって、すべて実態を伴うものであり、議員御指摘の架空事務所費には当たらないと認識をしております。
 また、政治活動についてお触れになりましたが、政治活動についても、当該団体の目的を踏まえて行った活動の結果として発生した経費であり、それは、政治資金規正法に基づき、適切に処理されていたと承知しております。
 私としては、本件について、今後とも、政治資金規正法に基づき、適切に説明責任を果たしていきたいと考えております。

 次に、北海道教職員組合の問題についてお尋ねがありました。
 北海道教職員組合の問題については、検察当局によって捜査が進められているところであり、コメントは差し控えますが、教育にかかわる団体は、子供たちへの影響を考えて、法令にのっとり適正に活動する必要があることは、言うまでもありません。
 文部科学省としては、本件に関し、公務員たる教職員が政治的行為の制限に違反するなど違法な行為を行っていたか否かについて、北海道教育委員会及び札幌市教育委員会に対して、速やかに事実確認を行うよう指導を行ったところであります。
 文部科学省としては、仮に、公務員である教職員に違法な活動があれば、教育委員会と連携して、法令にのっとり毅然と対処してまいります。

 次に、職員団体に関する法整備の必要性等についてお尋ねがありました。
 職員団体制度については、地方公務員法により、統一した仕組みが設けられ、また国家公務員についても、国家公務員法において同様の仕組みが設けられており、御指摘の点については、公務員法制全体にかかわる事柄であると考えております。
 次に、公立学校の教員が政治的行為の制限に違反した場合、国家公務員と同様に罰則規定を適用できるように政治的中立性を確保すべきではないかとのお尋ねがありました。
 お尋ねの罰則規定の適用については、昭和二十九年の教育公務員特例法改正の国会審議の過程で、議員修正を受けて現行の規定になったものであり、その経緯を十分に踏まえた上で慎重に検討することが必要ではないかと考えています。
 また、教育は、中立かつ公正に行われるべきものであり、特に学校は、児童生徒等に対する教育の場であることから、政治的中立性を確保することは重要であります。
 文部科学省としては、今後とも、公立学校の教員の政治的行為の制限に関して、服務規律の確保が図られるよう、指導の徹底に努めてまいります。

 次に、刑事罰を受けた人物の管理職登用についてお尋ねがありました。
 過去に処分等を受けた者を管理職に登用するかどうかについては、任命権者である各教育委員会の権限と責任のもとに適切に行われるべきものと考えております。
 次に、中教審への諮問についてお尋ねがありました。
 中教審への諮問については、これまでも、教職員定数の改善など教育条件の整備に係るものについては、必ずしも諮問を行わず、文部科学省として必要な措置を講じてきたところであります。 ただし、高等学校の実質無償化については、その重要性を踏まえ、教育関係者からの意見を幅広く制度に生かす観点から、関係団体との意見交換会や中教審委員を含む有識者との懇談の場などにおいて意見を伺った上で、制度の検討を行ってきたところであります。
 また、本年一月二十一日の中教審総会においても、本制度について御意見を伺ったところでございます。
 なお、対象となる高校生に対しては、本制度の意義について学校を通じて生徒、保護者に周知することにより、みずからの学びが社会に支えられていることの自覚を醸成し、国家、社会の形成者としての成長を目指し、学習意欲の維持向上を図ることを期待しているものであります。

 次に、所得制限と公私間格差についてお尋ねがありました。
 高等学校等への進学率は約九八%に達し、国民的な教育機関となっており、その教育の効果は広く社会に還元されるものであることから、その教育費について社会全体で負担していく方向で諸施策を進めていくべきであります。
 これに加え、多くの国で後期中等教育を無償としており、国際人権A規約にも中等教育における無償教育の漸進的な導入が規定されるなど、高校無償化は世界的な常識でもあります。
 このようなことから、すべての意志のある高校生が安心して勉学に打ち込めるよう、本法律案では所得制限を設けないこととしたものであります。
 また、私立高校に対する高等学校等就学支援金の支給については、低所得者世帯の高校生に対し手厚い支援を行うことなどにより、むしろ公私間格差は縮小するものと考えております。

 次に、高校に進学しない子供たちへの支援についてお尋ねがありました。
 本法律案は、家庭の経済状況にかかわらず、すべての意志ある人が安心して教育を受けることができるよう、高等学校等の実質無償化を進めるものであります。
 この制度では、全日制の高校だけでなく、高校の通信制課程、定時制課程、単位制高校、専修学校などのうち、高校の課程に類する課程を置くものなどについても対象となっていることから、個人のニーズに応じた多様な学習機会が保障されることになります。
 高校に進学しなかった人についても、本法律案における支援対象には年齢制限が設けられていないことから、高校に入学することで支援対象になるものであり、本人の学ぶ意欲に応じて学習する道は開かれているものと考えております。

 次に、特定扶養控除の見直しの経緯についてお尋ねがありました。
 特定扶養控除については、文部科学省は、高校実質無償化政策と相まって、トータルとしてより一層教育費負担が軽減されるよう、税制上の配慮を行う旨、要望していたところであります。 したがって、特定扶養控除と政策効果が共通する高校の無償化の実現のために、その縮減を提案いたしました。
 この案は、マニフェストの趣旨に沿って、ほとんどの家庭において便益が増となるようになっており、平成二十二年度税制改正大綱で決定されているところであります。 また、十九歳から二十三歳未満の特定扶養親族に係る控除の上乗せ分については、文部科学省より存続を提案し、大綱で決定されているところであります。
 以上により、教育費の負担軽減に資するよう配慮するという当初の要望内容と矛盾するものではなく、マニフェストは守られているものと認識しております。

 各種学校の対象範囲及び義務教育段階の外国人学校への支援についてお尋ねがありました。
 専修学校や各種学校については、高等学校の課程に類する課程として文部科学省令で定めるものを対象とすることとしております。
 具体的な支給対象については、一定の要件を満たすものを指定することを検討しているところであり、今後の国会における審議も踏まえつつ、文部科学省において適切に判断し、法案が成立次第、速やかに省令を定めてまいりたいと考えております。
 なお、本制度は生徒個人への支援であり、学校そのものに支援するものではありません。
 また、義務教育段階では、外国人を含む希望するすべての児童生徒に、公立で受け入れる体制を整えており、みずからの選択で高校に行くこととは性格が違うものと認識をしております。

 次に、高校無償化について、準備期間が不足しているのではないかとのお尋ねがございました。
 高校実質無償化制度の概要については、政府の責任において今国会に提出した予算案及び法律案を、地方公共団体や学校関係者に対して、各種会議、団体への説明、意見交換会や資料提供などを通じ、説明を行ってきたところでございます。
 今後とも、国会における御審議の状況も踏まえつつ、本年四月からの円滑な制度の実施に向けて、地方公共団体や各学校法人等に対して、各種会議における説明、意見交換、資料提供などを通じ、適宜適切に情報提供をして、協力を求めてまいる所存でございます。

 次に、高校無償化により地方公共団体に新たな負担が生じるのではないかとのお尋ねがありました。
 今回の法律による公立高校の無償化スキームは、公立高校運営費のうち、授業料を徴収することとした場合における授業料収入に相当する額を国が地方公共団体に交付することによって実施するものであります。
 具体的な交付金の算定方法は政令で定めることとしておりますが、原則として、標準的な授業料額を基礎として、生徒数を乗じるとともに、地方財政措置されている授業料減免相当額を控除して、一律に算定することが基本であると考えております。
 しかしながら、東京都や大阪府のように、他の地方公共団体より高額な授業料を設定している都府県もあることや、授業料減免の実施状況が都道府県によりさまざまであることから、これらの事情も考慮してほしいという地方公共団体の要望も踏まえ、制度導入当初においては、実際の授業料収入を勘案した算定とすることなど、留年者の取り扱いも含め、必要な対応について検討したいと考えております。

 最後に、国民への周知期間が十分とれていないのではないかとのお尋ねがありました。
 高校実質無償化制度の概要については、政府の責任において今国会に提出した予算案及び法律案を、地方公共団体や学校関係者に対して、各種会議、地方団体への説明、意見交換会や資料提供などを通じ、説明を行ってきたところでございます。
 今後とも、国会における御審議の状況も踏まえつつ、本年四月からの円滑な制度の実施に向けて、地方公共団体や各学校法人等に対し、各種会議における説明、意見交換や資料提供などを通じ、適宜適切に情報をしてまいりたいと思います。
 政府としては、国民の期待を裏切ることのないよう、平成二十二年度からの開始をお願いしているところでございます。
 以上でございます。(拍手)

 

〔国務大臣原口一博君登壇〕

 

○国務大臣(原口一博君)

 馳委員にお答えいたします。
 職員団体の登録についてお尋ねがございました。
 職員団体の登録制度は、構成員の範囲、規約の作成、変更や役員の選挙方法など、団体交渉に関する適格性等を判断する観点から定められるものであり、その要件については慎重な検討が必要である、こう考えております。(拍手)

 

〔国務大臣中井洽君登壇〕

 

○国務大臣(中井洽君)

 馳議員お尋ねの件につきましては、昨年十二月、川端文科大臣に対しまして、高校の実質無償化の対象校を定めるに当たっては、我が国が北朝鮮に制裁を行っていることを十分に考慮すべきだと私から申し入れてございます。
 いずれにいたしましても、文科省がこれからの御議論等も踏まえて適切に判断をされると考えています。(拍手)

 



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