衆議院 文部科学委員会議録

第171回 国会 第8号

 平成21年 4月24日(金曜日)

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≪馳代議士 質疑事項抜粋≫

 

○岩屋委員長

 以上で石井君の質疑は終了いたしました。
次に、馳浩君

 

○馳委員

 外国人学校への公的支援のあり方について、これをテーマに質問をいたします。
そもそも、認可校、無認可校も含めて、外国人学校への公的支援はどうなっているのでしょうか。

 

○木曽政府参考人

 外国人学校への公的支援でございますが、現在、各種学校として都道府県の認可を受けている外国人学校のうち、準学校法人立の各種学校のほとんどにつきましては都道府県から公的支援が行われているものと承知しております。

 また、各種学校に認可されていないいわゆる無認可校でございますが、これにつきましては国及び地方公共団体からの学校に対する直接の公的支援は行われてはいないということでございます。

 

○馳委員

 かつて岐阜県が県内の外国人学校に支援をしようとしましたが、文部科学省の指導もあり、結局、学校自体ではなく保護者に支援をすることになりました。

 なぜ学校に直接支援できなかったのでしょうか。

 

○木曽政府参考人

 これは一般論としてでございますが、無認可の外国人学校への直接的な支援につきましては、憲法八十九条の、公金その他の公の財産は公の支配に属さない教育施設に支出またはその利用に供してはならないという規定がございまして、そこと抵触するおそれがあるというふうに考えております。

 

○馳委員

 岐阜県のような自治体が直接外国人学校を支援したいとする政策判断について、文部科学省はどう評価しているのでしょうか。これを容認する法的担保が必要だと考えてはいないのでしょうか。

 

○木曽政府参考人

 今般の景気後退により、厳しい経営状態にありますブラジル人学校等につきまして、都道府県がどのような支援が可能かということを検討していただいているということにつきましては、非常にありがたく感じております。

 ただ、先ほど言いましたように、憲法八十九条との関係がございまして、これらに対する直接的な支援につきましては、法制面あるいは政策面からさまざまな解決すべき問題があるというふうに考えております。

 

○馳委員

 公立の小中学校への受け入れはすることができるということは、先ほどからの質疑、答弁でも理解しておりますが、問題は、公立学校への受け入れの体制が、質と量ともに十分と言えるのかどうかだと思います。また、日本の公立学校に入学はしたものの、その受け入れ体制の不十分さから、外国人学校に入学し直した児童生徒が多数いることをどう考えているのでしょうか。

 浜松市での視察においても、子供たちが直接、ひどいいじめに遭って、外国人学校、ブラジル人学校に来ているというふうな声も多数聞きまして、大変、何となく私も、日本人として申しわけないような思いもいたしました。

 この状況についての見解をお伺いしたいと思います。

 

○金森政府参考人

 文部科学省におきましては、従来から、公立学校に就学または在籍する外国人児童生徒の支援のために、日本語指導を行う教員等の配置や、日本の教育制度や就学の手続などをまとめた就学ガイドブックを七言語で作成、配付いたしましたり、日本語指導の際の補助や、学校と保護者との連絡調整等を行う際に必要な外国語が使える支援員等の配置、また、外国人児童生徒を受け入れるためのセンター校の設置などを実施しているところでございます。

 外国人の子供を公立学校に円滑に受け入れ、必要な教育を施すためには、まず、日本語指導や適応指導を適切に行うための体制を整えることが課題となってまいりますが、文部科学省といたしましては、先ほど申しましたような施策の充実によって、公立学校に入学を希望する子供の受け入れをさらに促進してまいりたいと考えているところでございます。

 

○馳委員

 受け入れ体制が十分と言えるのかと私は聞きました。大臣の見解を伺います。

 

○塩谷国務大臣

 現時点でできる限りのことは今努力をしておりますが、いわゆる人的な問題とか細かな指導という点ではまだ不十分な点があるかと思います。

 今回、急激な経済状況によって、また公立学校への受け入れというものがより重要な位置づけになってきておりますので、そういう点で、今後、指導者といいますか、支援員といいますか、そういう人たちもしっかりと確保していかなければなりませんが、例えば母国語で話ができる支援員等、これはなかなか現実に難しい。ただ、いわゆるブラジル人の中でも職を失った方なんかも採用していくということも考えたり、いろいろな方策を考えて、より充実をしていかなければならない状況だと思っております。

 

○馳委員

 なかなかやはり十分ではないと私も判断せざるを得ない。そう考えると、これは金森局長に御答弁いただければいいと思うんですが、やはり、教育委員会の指導主事とか学校経営者また教職員に対する理解を求めるための研修がより充実されなければいけないと思うんですよね。

 この研修の体制、ここについて、私は今以上に充実してほしいんですが、その研修について今後どのように取り組んでいくのか、決意も含めて、ちょっと金森局長からお聞かせいただきたいと思います。

 

○金森政府参考人

 教員の研修についてのお尋ねでございますが、日本語指導者等に対する研修の実施といたしまして、独立行政法人教員研修センターと文部科学省の共催によって、外国人児童生徒教育に携わる教員や、校長、教頭及び指導主事などの管理職を対象として、日本語指導法などを主な内容とした実践的な研修を毎年実施しているところでございます。

 こうした研修は、各都道府県におきましても必要に応じて実施されているところでございまして、外国人児童生徒の公立学校への円滑な受け入れを進めていくためにも、こうした研修の充実に努めてまいりたいと考えているところでございます。

 

○馳委員

 ここはやはり、大臣にぜひ指導力を発揮していただきたいんですが、学校経営者また教職員に日本語指導の充実だけでは十分ではないと思うんですよ。

 なぜ日系人の子供が日本にいるのか。平成二年に入管法が改正されて、これは政府の判断として受け入れてくるようになった。言葉がちょっと悪くなりますけれども、やはり労働者として製造現場で必要不可欠で受け入れてきたということの判断なんですよ。

 そうした場合に、当然、定住する場合にはお子さんがいるわけで、そのお子さんの教育環境の整備ということは、政府としてもやはり責任を持って対応していくべきである。こういうふうな大きな政府の判断から考えて、現場の校長は、この地域にも外国人のお子さんがいらっしゃる、受け入れなければいけない。こういった実情を踏まえた研修、外国人の子供がなぜ日本に存在しているのかというその意義を踏まえた十分な研修がないと、日本語を指導するだけではまだ十分ではないと私は思うんですが、大臣のお考えをお聞きしたいと思います。

 

○塩谷国務大臣

 まさに委員おっしゃるとおりだと思っておりますが、いずれにしましても、我が国としてブラジル人の皆さんをこちらへ受け入れる、それは、日本の経済の状況から、労働力としても日系ブラジル人に対して受け入れを始めたわけでございますから、そのための、これは単に教育だけに限らず、社会保障の面とか労働条件の面とか雇用対策とか、さまざまそういった総合的なことをしっかり踏まえて、子供の教育をどうするかということもあるわけでして、残念ながら、その点については整備が整わない中でこういう経済危機になったということでございまして、麻生総理も、内閣府官房の方ですか、総合的な外国人に対する対策室を設けて、けさも閣議等でその問題がお話しされました。総合的にしっかりと検討しなきゃならぬと。

 これは、中長期的な検討とあわせて、今、緊急的な対応もすべきでありますので、そういった点も含めた教員の研修ということで、やはり時代的背景とか今の経済状況も含めた指導をしていかなきゃならないと考えております。

 

○馳委員

 そこで、この外国人学校に対する公的支援のテーマに戻りますが、外国人学校は、外国人子弟の義務教育段階の教育について補完的な役割を果たしていることになるのではないかと思いますが、大臣はどうお考えですか。

 

○塩谷国務大臣

 外国人については、その保護する子供に憲法及び教育基本法上の義務教育を受けさせる義務は課されていないわけでございますが、外国人が子供を公立義務教育諸学校へ就学させることを希望する場合は、国際人権規約を踏まえて、日本人の子供と同じように無償で受け入れることになっているわけでございます。

 一方で、例えばブラジル人学校等は、将来母国へ帰国するということを予定している子供が、保護者の需要にこたえて、外国の教育課程に従って、外国人の教育を目的として行っておりますので、日本の公立学校あるいは外国人学校は、それぞれの役割を担っていると考えております。

 

○馳委員

 私は、外国人学校が日本の義務教育の補完的な役割を果たしているというのは、今の大臣の説明からは十分に判断し切れませんでした。しかし、現実はそうなんですね。現実はそうなんですよ。浜松に行って、よくわかりました。

 そう考えたときに、経済環境も世界的に厳しい中で、外国人学校の閉鎖とか経営難が現実化している中で、国も外国人学校に一定の支援をすることは、外国人子弟の教育を受ける権利の保障、さらには日本の国益にも資することだと考えておりますが、いかがお考えでしょうか。

 

○木曽政府参考人

 外国人の子供の就学支援を行うことは、ある意味で非常に重要であるという認識はしておりますが、その中で、先ほど出ましたような無認可の外国人学校への支援につきましては、種々の検討すべき課題があるということが一つございます。

 そういう中で、文部科学省におきましては、このたびの経済危機対策として、自宅待機、不就学となっている子供がまさに集まれる教室をつくろうということで、定住外国人の子供の就学支援事業を計画しているところでございます。そういう形で支援をしてまいりたいというふうに考えておるところでございます。

 

○馳委員

 そこで、今の木曽統括官の発言をちょっと逆手にとるようで申しわけないんですけれども、無認可の学校に対して検討すべき課題があるということを、逆に、我々立法府としてこういう考え方をとればどうかということで申し上げます。

 外国人労働者の地方の偏在性、外国人学校が果たす補完的役割のある、なし、程度というのは自治体によりかなり異なるという現実を踏まえれば、国が外国人学校に直接支援することは困難でありますし、適当ではないと考えます。つまり、自治体がその自主的判断により直接外国人学校を支援できるようにして、国は自治体の支援や申請を踏まえて間接的に支援する体制をとるべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。

 

○塩谷国務大臣

 今のお考えは私どもとしてもある程度理解はできるわけですが、いずれにしましても、無認可の学校への支援については憲法八十九条に抵触するおそれがあるということで、この問題はいろいろな観点からしっかりと議論をしていかなければならないと思っているところでございます。

 それについて今の御提言、例えば、先ほど来お話ししておりますように、外国人、ブラジル人の子供への直接支援とか、いろいろな形での支援を考えていく必要があると思っておりますが、無認可の学校への直接の支援というのは、先ほども答弁申し上げましたが、いろいろなほかの日本人、日本の学校等のことを考えると、一方的に簡単にはできないと考えております。

 

○馳委員

 つまり、大臣がおっしゃったように、現状では無理なんですよ。そして、税金の使い道というのはやはり公平性の問題がありますから、ここはやはり乗り越える知恵、また、我々立法府としての取り組みが必要ではないかという観点から、私は先ほどの試案として見解を求めたというところであります。

 そこで、私が今申し上げた試案は、現在の外国人学校の果たしている役割とか置かれている窮状を踏まえての緊急措置という意味で申し上げているんですが、でも、長期的な課題として、外国人学校を日本の学校教育上どう位置づけていくかという大問題は残ります。この問題は、言いかえれば、外国人子弟の受け入れ先について、日本の公立学校の受け入れ体制が十分整備されたとしても、日本の公立学校と外国人学校を共存共栄させて、外国人子弟にとって選択的教育システムとするかどうかという問題でもあります。この点についての大臣の御意見を伺いたいと思います。

 

○塩谷国務大臣

 先ほど私もお話し申し上げましたが、基本的な課題として外国人学校をどう位置づけるかということ、これは中長期的にしっかりと私どもの法的あるいは政策面で整備していかなきゃならぬと思っているところでございます。

 まず、外国人の子供に対する、いわゆる憲法あるいは教育基本法での義務というものは課されていないわけでございますが、公立学校としては、その子が希望すればしっかりと無償で受け入れるということは基本的な考え方として、そして外国人学校については、やはり何年かで本国へ帰るということでその国の教育に基づいて行われる、これが両方が両立してしっかりと受け入れ体制が図られれば望ましい環境だと思っておりますので、まずは私どもが一番力を入れなければならないのは、公立学校での受け入れ体制を確立することだと考えております。

 

○馳委員

 実は私たちが視察をした浜松市は塩谷大臣も選挙区でありますし、むしろ我々以上に市民の一員として、外国人の労働者の皆さん、その子供たちが生活されている現場を見て、何らかのやはり手を差し伸べなければ政府として申しわけないなという気持ちを一番持っておられるのではないかと拝察いたしますが、いかがですか。

 

○塩谷国務大臣

 おっしゃるとおりでございまして、今回、文部科学委員会の皆さん方が視察していただいたことは大変感謝しているところでございまして、実は、浜松市と文部科学省とも、そういう意味では、直接現場と連絡をとりながら具体的な対応を図っているところでございます。

 特に、私が先ほどもちょっと申し上げましたが、やはり、特に集住都市が直接いろんな対応をしている、しかしながら国としてはまだそれがおくれているというのが現状でありますから、私どもの立場でも、私の地元でそういう状況がありますので、よくここは、国としてもしっかりそれを受けとめて、国としての対応を考えていかなければならない。そしてこれは、ただ単に浜松だけじゃなくて、日本の国として、今後、外国人の労働者も含め、雇用の問題も含め、そして教育の問題、全体的にどう対応するかということをしっかりと検討して整備する必要があると感じております。

 

○馳委員

 幸いにというか、今、麻生総理も、それから河村建夫官房長官も塩谷文部科学大臣も、我々自由民主党が誇る文教族の大物中の大物でありまして、だからというわけではありませんが、ことし一月になって内閣府に支援室も特段設置をしていただいて、大変にこの問題にスポットライトを当てていただいているということには大変感謝をしております。であるがゆえに、国家的な課題として、この外国人子弟への教育問題に、より前向きに取り組んでいただきたいと思っています。

 ちょっと次元の違う話に入りますけれども、そもそも、その外国人の本国から教材の提供とか教員の派遣など、できる限りの支援を求めるべきではありませんか。

 

○木曽政府参考人

 まさに御指摘のとおりだというふうに思っております。ブラジル人学校等の教育の充実につきましては、ブラジル政府の役割が非常に重要であるというふうに考えております。

 文部科学省といたしましては、平成十七年度より、ブラジル政府との協議会をつくりまして、毎年開催しております。その中で、ブラジル政府との情報交換を含め、特に教科書の無償給与あるいは教師の派遣等についての支援をお願いしているところでございます。

 

○馳委員

 そのお願いしている支援がどの程度のものなのかについて、やはりよりハードルを上げることによって、日本国内の外国人学校での経営を支援することは可能になるわけですよね。

 ちなみに、国と国の関係ですから、ちょっとイレギュラーかもしれませんが、例えば草の根無償援助資金などを活用して資金援助をすることは可能でしょうか。この資金援助という意味は、先ほど申し上げたように、教材とか教員の派遣などなど、あらゆる限りの支援をこういったことで検討し、これは外交上の問題にもなりますので、やはり何らかの支援ができないかとすがるような思いで外務省にお尋ねいたしますが、いかがでしょうか。

 

○小田政府参考人

 お尋ねの草の根・人間の安全保障無償資金協力でございますけれども、これは、開発途上国におきまして、当該国の非政府団体、NGOとか地方公共団体などが実施する社会経済開発事業に対して資金協力を行っているものでございます。

 よって、この資金を我が国国内における経費に充てるということは、これまでも認めていないということでございます。

 

○馳委員

 我が国国内における経費というとらえ方ではなくて、外国人学校で使われる教材であるとか、指導する教員に対する研修を本国で行うときにこの資金を有効に使えないでしょうかという間接的なお願いなんですけれども、いろいろな組み合わせで検討はできないものなのでしょうか。もう一度外務省にお伺いいたします。

 現地のNGO団体が、日本の外国人学校でこういう課題があるので、教員研修をしたり、あるいは教材、教科書等、こういったことを支援する、いろいろな活動が含まれると私は思うんですが、外務省、もう一度、ちょっと検討いただけないでしょうか。答弁をお願いします。

 

○小田政府参考人

 お尋ねが、開発途上国において何か準備をするということであれば支援できるのではないかということだと思うんですが、目的が日本で行われる在日外国人子弟への支援という、活動場所が日本国内ということになりますと、当初申し上げました、やはり開発途上国の社会経済開発事業というものに該当するかどうかというところがどうしてもひっかかるということでございます。

 

○馳委員

 では、開発途上国において、いわゆる教育職員の研修をするために日本語指導をしてあげるとか、その活動支援とか、いろいろな組み合わせをやろうと思えばできないことはないし、むしろ、こういうことこそ我が国政府がその途上国に支援をする中で日本に対する信頼を深めるための事業となるのではないか、こういう考え方もしていいんじゃないかと私は思うんですが、もう一度、外務省の答弁を求めたいと思います。

 

○小田政府参考人

 開発途上国におきまして、当該国の先生の能力向上を図るというものについて当該国政府から支援要請があれば、そういう広い意味での事業ということであれば検討対象にはなろうかとは思いますが、そうした点も含めて、ちょっと考えさせていただきたいと思います。

 

○馳委員

 私、いつも思うんですが、できないことを前提にして話をするんじゃなくて、使われる税金がより我が国の国益に資するために考えて対応すべきであって、その税金の使い道がある意味では最終的には我が国の国益につながる、こういう判断をしていただいて、私は個人的には、やはり外国人学校に対する支援は、税制の面からも、先ほど申し上げたように根拠法をつくって支援するということも含めて考えていくべきだという立場に立っております。

 文部科学省も含めて、関係各省、どうやれば我が国政府としての一貫した支援体制をとることができるのかという観点からぜひお考えをいただきたいと思いますが、最後に大臣の答弁を求めて終わりたいと思います。

 

○岩屋委員長

 塩谷文部科学大臣、時間が参っておりますので手短にお願いします。

 

○塩谷国務大臣

 私どもも、どうやれば外国人の子供たちの教育が、安心してだれもが通えるという状況をつくるために努力してまいりたいと思っておりますが、なかなか役所、当局としては、いろいろないい意見もすぐ実行できるかどうかということも判断しなければなりませんので、すんなりと答えが出ない部分もありますので、その点は御理解いただきたいと思います。

 

○馳委員

 終わります。

 

○岩屋委員長

 以上で馳浩君の質疑は終了いたしました。


詳しくは衆議院 文部科学委員会議録をご覧ください
(常任委員会 → 文部科学委員会)

 

 


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