衆議院 本会議 会議録

 平成19年4月17日(火曜日)

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 ・学校教育法等改正案
・地方教育行政組織運営法改正案
・教育職員免許法及び教育公務員特例法改正案
  趣旨説明     伊吹 文部科学大臣

・教育職員の資質及び能力の向上のための教育
 職員免許の改革に関する法律案

・地方教育行政の適正な運営の確保に関する法律案
・学校教育の環境の整備の推進による教育の振興に関する法律案

【趣旨説明】
 藤村  修君 
牧  義夫君
笠  浩史君

【質   疑】
馳   浩君 
野田 佳彦君
西  博義君
石井 都子君
保坂 展人君
糸川 正晃君


【馳浩 質疑部分抜粋】

○議長 (河野洋平君)

 ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。順次これを許します。馳浩君。

○馳浩君

 私は、自由民主党を代表して、ただいま議題となりましたいわゆる教育再生三法案について、総理大臣及び文部科学大臣並びに厚生労働大臣に質問をいたします。(拍手)

 法律の具体的内容に先立ち、まずは、総理が立ち上げた教育再生会議の役割についてお伺いいたします。

 矢継ぎ早に改革案が打ち出される再生会議と、文部科学省との政策決定プロセスには、どのような連動性があるのでしょうか。また、再生会議と中教審にはどのような役割分担がなされているのでしょうか。さらに、再生会議はどうして中教審のようにマスコミにオープンではないのでしょうか。会議の後に議事録を公開するだけでは、議論の流れやニュアンスを第三者が判断することはできません。安倍内閣の重要課題に位置づけられている教育改革の、そのリーダー役を務めていると思われる再生会読は国民注目の的です。マスコミ公開に難色を示すメンバーがいるとしたならば、国民に開かれた再生会議とは言えず、何をか言わんやです。ぜひマスコミ公開のもとで議論されるべきであると考えますが、総理の見解をお伺いいたします。

 次に、改正の具体的内容について質問いたします。
第一に、学校教育法の改正について質問いたします。

 昨年、六十年ぶりに教育基本法が全面的に改正されました。新しい理念や目標が明示されました。これらの理念や目標を学校現場でどのように具体的に実現していくかがこれからの課題です。実現に向けての総理の見解をお伺いします。また、伊吹大臣には、学習指導要領をどのようなスケジュールで見直して、新たな教育の理念や目標の実現を現場に浸透させていくおつもりか、お伺いします。

 また、新たに規定された幼児期の教育についてお伺いします。

 幼児期の教育の重要性を考えると、保育所と幼稚園の垣根が低くなることが望まれます。幼保一元化に向けての国民の期待を総理はどのようにお考えでしょうか。また、幼児教育の将来の無償化については骨太の方針2006にも盛り込まれておりますが、実現に向けてのクリアすべきハードルは何なのか。財源なのか、文部科学省と厚生労働省のベルリンの壁なのか、総理と文部科学大臣及び厚生労働大臣に具体的にお伺いします。

 また、学校評価及び情報提供に関する規定が整備されます。
 私はかつて、母校星稜高校で国語の教員として教壇に立っておりました。体験から申し上げますが、学校が適切な評価を受けるために一番大切な情報提供は、職員会議の運営と内容についてであると確信しております。例えば、一部の組合員の大声でじゅうりんされるような閉鎖的な職員会議であってはなりません。

 今回の改正で、職員会議を含め、どのように学校運営の状況に関する情報が国民に対して提供されるのか、伊吹大臣の答弁を求めます。

 第二に、地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律案について質問いたします。

 一口に教育委員会と申しましても、大きく違います。都道府県教育委員会、政令指定都市教育委員会、中核市教育委員会、規模の小さな市や町や村の教育委員会です。規模は違えど、共通していることが一つあります。議会承認という手続こそありますが、いずれも任命権者である知事や市町村長に頭が上がらないことです。その証明は、三位一体改革のときに、教員給与の国庫負担金の一般財源化問題について、本心は反対なのに、知事会や市長会の顔色をうかがい、声高に意思表明できなかったことに尽きます。こんなありさまで、本当に教育の中立が保たれるとお考えでしょうか。総理と伊吹大臣にお伺いいたします。

 次に、高校の未履修問題について伊吹大臣に質問します。
 本来履修すべき教科の授業が行われていなかったこの問題は、いかなる言いわけも許されない、言語道断、情けない、根の深い問題でした。とりわけ私立学校に未履修が多く、裏返すと、地方教育行政上の指導が十分私学の現場に行き届いていないのではないかとの組織上の懸念を抱かせました。今回の法改正で、このような未履修問題に対し、私学も含めて対応できるようになるのでしょうか。

 御存じのとおり、私学を所管しているのは、教育委員会ではなく、知事部局である総務部です。このままでは、必要な教育行政上の相談や連絡体制において公立学校との格差が生じます。この間題は、国立大学法人附属学校においても同様です。私学を担当する知事部局に教育行政のプロの職員を配置するか、さもなくば、教育というくくりで教育委員会が所管するという形にするかを検討する時代ではないかと思いますが、伊吹大臣の見解を伺います。

 次に、民主党の、地方教育行政の適正な運営の確保に関する法律案の提出者に伺います。
 この法案においては、教育委員会を廃止して教育事務を首長に移管するなどの仕組みが提案されていますが、このような提案で果たして教育がよりよくなるのか、民主党案の提出者に見解を伺います。

 第三に、教育職員免許法及び教育公務員特例法の改正案について質問いたします。
 私は、指導が不適切な教員を現場から排除する仕組みとして免許更新制を導入するという発想には断固反対します。

 私も、大学を卒業していきなり教壇に立ったとき、自分に自信がなく、大いに不安でした。しかし、そんな私を温かく指導してくださった先輩教員や保護者の支えがあったおかげで少しずつ成長できました。だめ教員を一方的に評価して現場から駆逐するという発想があっては、人間教育のはずの学校現場が殺伐とし、教員に求められる多様な個性を萎縮させかねません。免許更新制を今導入しなければならない哲学について、総理に伺います。

 また、現在教壇に立っている110万人の教員が今後10年ごとの免許状更新講習を修了するとして、一体幾らの国庫負担や都道府県の負担が必要でしょうか。また、大学側の負担はどのようなものになるのでしょうか。それらの新たな負担に見合った、いや、それ以上の成果が納税者から期待されるわけですが、伊吹大臣の見解を伺います。

 次に、民主党から提案のあった新免許法について質問いたします。

 現行の教育職員免許法は、短期大学から大学院まで、さまざまな大学が、その特性を生かし、多様な教員を養成することを基本理念としていますが、民主党案では、どのような教員を養成することをお考えでしょうか。提案者の見解を伺います。

 また、政府から提出している教員免許更新制の要件は、教員の負担や大学の講師等の受け入れ体制を勘案して、30時間の講習の修了としていますが、民主党案では、どのような要件を満たした者に更新を認めることとなるのでしょうか。お答えください。

 次に、指導が不適切な教員の人事管理の厳格化について伺います。
 そもそも、指導が不適切という言葉の定義は何でしょうか。伊吹大臣に伺います。

 既に、各都道府県で指導力不足教員への対応が一定程度進んでいます。しかし、その取り組み状況には地域によって温度差があります。文部科学省は、教員の資質の向上のために、つくばにある中央教員研修センターなどを活用して、全国的な教育水準の維持向上を図る必要があると思いますが、伊吹大臣の見解を伺います。

 また、よりよい教員を育てていくためには、教員の養成、採用、研修、免許更新制と、それぞれの段階を貫く哲学が必要であります。とりわけ採用に関しては、多様な指導力のある教員を現場に配置できるような配慮が必要です。より実践的な教科教育法や学級経営論や、障害児対策や、生徒指導や進路指導や部活動指導の方法もマスターしていかなければなりません。時には、理不尽な保護者への対応の仕方も求められます。伊吹大臣の哲学を伺います。

 多忙感をきわめる現職教員への要求は、尽きることがありません。大変なプレッシャーのかかる教員の処遇については、一罰百戒ばかりではなく、優秀な教員に対する表彰制度や給与へのめり張りをつけることも必要です。当然、教職員をふやし、多様な要求にこたえるための職場環境の改善は、待ったなしであります。教員給与の優遇措置を定めた人材確保法は、制定時と現在では社会的、政治的背景が違いますので、一律性はぜひとも見直し、頑張る教員は評価され、処遇に反映されてしかるべきと思いますが、伊吹大臣の見解を伺います。

 最後に、美しい国を支える人材とは、具体的に一体どんな日本人像とお考えか、総理にお伺いして、質問を終わります。(拍手)

 

    〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇〕

○内閣総理大臣(安倍晋三君)

 馳浩議員にお答えいたします。
 教育再生会議の役割と中教審との役割分担についてお尋ねがありました。

 教育再生は、私の内閣における国政上の最重要課題であります。二十一世紀の日本にふさわしい教育体制を構築し、教育の再生を図るために、教育再生会議を設置いたしました。

 教育再生会議の提言については、速やかに施策として実行に移せるものは移し、今回の教育三法案のように、制度改正が必要な場合など、さらに検討が必要なものは、中央教育審議会での検討も踏まえつつ、内閣を挙げて教育再生に取り組んでいるところであります。

 教育再生会議の議事の公開についてお尋ねがありました。
 教育再生会議については、記者ブリーフィング、議事要旨、議事録等により、会議の内容を公開しています。これは委員の意見を踏まえた措置であり、今後とも、こうした形で会議の内容の公開に努めてまいります。

 学校現場における改正教育基本法の理念の実現についてお尋ねがありました。
 教育基本法の新しい教育理念を学校現場において実現するため、まず、学校教育法を改正し、義務教育の目標として、規範意識、公共の精神、伝統と文化の尊重、そして郷土や国を愛する態度を養うことなどを法律上明確にします。さらには、学習指導要領の改定などを通じて、このような内容の具体化を図り、公教育の再生に取り組んでまいります。

 幼保一元化についてのお尋ねがありました。
 現在の幼稚園と保育所は、それぞれ異なる目的、役割を有していますが、連携を進めていくことが重要と考えております。また、国民の多様なニーズに対応するため、昨年10月、就学前の子供への教育と保育を一体的に提供する認定こども園を創設したところであります。今後とも、認定こども園制度の活用促進など幼稚園と保育所の一層の連携を進め、就学前の子供に対する教育、保育の充実に取り組んでまいります。

 幼児教育の無償化についてお尋ねがありました。
 幼児教育の将来の無償化については、財源、制度等について検討する必要があると考えており、歳入改革にあわせてそれらの問題を総合的に検討することとしております。いずれにせよ、幼児期の教育は人間形成の基礎を培う重要なものとして極めて大切であると考えており、文部科学省と厚生労働省の連携により幼児教育の充実に取り組んでまいります。

 教育委員の中立性についてのお尋ねがありました。
 地方における教育行政については、教育の中立性や継続性、安定性の確保、さらには多様な民意の反映を図るため、首長から独立した合議制の執行機関として教育委員会が設けられております。このような制度の趣旨を踏まえ、教育委員会はみずからの責任を自覚して教育行政を進めていくことが重要であると考えています。

 教員免許更新制についてお尋ねがございました。
 国際化が進み、価値観が変化し、自然科学が進化するなど、世の中が時々刻々と変化している中で、教員が、その時々、必要な知識、技能を確実に身につけることは、教育の充実を図る観点から極めて重要であります。このため、すべての教員が自信と誇りを持って教壇に立ち、そして社会の尊敬と信頼を得ることができるよう、10年に一度、資質、能力を刷新する教員免許更新制の導入が必要と考えています。

 なお、問題ある教員への対応については、御指摘の点に十分留意しながら、教育公務員特例法において対処していく所存でございます。

 美しい国を支える人材についてお尋ねがございました。
 明治、大正期に日本を訪問した多くの外国人は、日本人の謙虚さや質素さなどについて称賛をしております。そういう意味で、立ち居振る舞いの美しい日本人の育成こそ美しい国を実現する上で重要と考えています。このため、先般成立した改正教育基本法の理念のもと、家族、地域、国、そして命や自然を大切にし、公共の精神、そして豊かな人間性と創造性を備えた日本人の育成を目指してまいります。

 残余の質問については、関係大臣から答弁させます。(拍手)

 

    〔国務大臣伊吹文明君登壇〕

○国務大臣(伊吹文明君)

 馳委員から11にわたる御質問がございました。
 まず、学習指導要領の見直しでありますが、現在、中教審において審議をいただいております。その中では、国会で御承認をいただきました改正基本法の理念を踏まえて、基礎的な知識の着実かつ確実な定着とその活用をする力、あるいは規範意識の確立のための具体的な手だてなどを検討していただいております。

 改正基本法を国会で御承認はいただいておりますけれども、学習指導要領は文部科学大臣の告示という手続によってなされますので、今回、学校教育法の御審議をもう一度国会にお願いすることによって、その間を国民の意思によってつないでいきたいと考えております。

 次に、幼児教育の無償化についてのお尋ねでありますが、御指摘のとおり、骨太の方針あるいは「日本経済の進路と戦略」等についての閣議決定がございます。文部科学省と厚生労働省の間には、ベルリンの壁などというものはございません。あるとすれば、まさにそれは財源の壁でございます。これを無償化するためにはやはり膨大な財源が要りますので、閣議決定の際にも併記してあるように、今後の税制改正のあり方等々を参考にしながら、できれば無償化にすることが望ましいと思っております。

 次に、学校教育法改正で、職員会議等を含めて、学校の情報提供についてどうするのかというお尋ねでございます。
 学校は、まずその説明責任を果たして、そして家庭と地域と協力をして教育力を果たさねばなりません。そのためには、学校に関する情報の積極的な提供が求められておりますので、今回の学校教育法においても、情報提供について新たな条項を求めて規定しているところであります。

 この規定は必ずしも義務規定ではありませんけれども、本条の趣旨に照らして、学校の教育目標、教科指導や生徒指導の様子など、職員会議の内容も含めて、学校運営の状況を知らせるために必要な情報を各学校において積極的に検討していただきたいと考えております。

 次に、地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律案について二つ御質問があったと存じます。
 まず最初は、教育の中立性についてであります。

 既に総理がお答えをいたしましたように、地方における教育行政については、教育の中立性や継続性、安定性を確保し、さらに、多様な民意を反映させるために、選挙によって選ばれる首長から独立をした合議制の中立的執行機関としての教育委員会を設けていることは御承知のとおりであります。

 このような制度の趣旨を踏まえて、今回の改正案では、特に教育委員は、その職務の遂行に当たって、みずからが教育行政の運営について重大な責任を負っているということを自覚していただくことを規定し、同時に、教育委員会の責任体制の明確化を図ることといたしております。

 このような観点から、教育委員会が地方教育行政の中心として主体的にその責任を果たしていただくことを促してまいりたいと思っております。

 次に、私立学校の未履修問題についてお尋ねがありました。
 私立学校といえども、国公立学校と同様に、国会で定められた法律に基づく学習指導要領に基づいて適正な教育課程が編成、運営されることは、私は、国民として当然のことだと思っております。学習指導要領に反し未履修がある私立学校については、所管庁である都道府県知事の十分な指導助言が行われることが大切であることは言うまでもありません。

 今回の地教行法の改正では、知事が必要と認めるときは、教育委員会に対し、「学校教育に関する専門的事項について助言又は援助を求めることができる。」という規定を新たに設けており、したがって、私立学校における未履修問題については、これまでどおり、所管庁である都道府県知事において管理監督をいたしますけれども、その際には、教育委員会から助言指導等が十分活用されるよう、一層適切な文部科学省としての要請、指導を行いたいと思っております。

 なお、法律を作成する際に、内閣総理大臣から総務大臣に対しまして、ただいま御指摘になりましたように、知事部局に指導主事を置くなど、適切な指導が行える体制を促すようにという御指示があったことを申し伝えたいと思います。

 次に、私立学校に関する教育行政のあり方についてでありますが、私立学校も公教育の一端を担うものでありますから、主権者たる国民の代表である国会で決められた法律を遵守することは、これは当然のことであります。このような考え方に基づき、中央教育審議会の答申では、所轄庁である都道府県知事のもとに学校教育に関する専門的知識を有する者を配置するなど、体制の充実を求めております。この求めに応じて、先ほど申し上げた総理の指示が出されたところであります。

 また、今回の改正教育基本法におきましても、ただいま申し上げましたように、知事が必要と認めるときは、教育委員会に対し、学校教育に関する専門的事項について助言または援助を求めることができる旨の規定も織り込んでおります。

 今後とも、私立学校の教育行政上のあり方については、注意深くこれを見守り、国会の議決の範囲の中で公教育の責任を果たしていただくように努力をさせていただきたいと思っております。

 次に、免許更新制についての費用負担でございますが、更新制の導入に当たっては、更新の講習会の実施、全国的な免許管理システムの導入、その他必要な広報の実施等に係る費用が必要となってまいります。

 そのうち最も重要なものは、言うまでもなく、更新の講習の実施に要する費用であります。年間10万人ずつの教員が受講するといたしまして、従来の実績を勘案いたしますと、一人大体3万円程度の費用が必要になります。ということは、年間30億前後の費用が必要だということです。

 この教員免許は、個人の資格、職業に対する資格でありますから、その更新に要する費用については個人負担にするという考えももちろんございます。しかし、同時に、国あるいは教育上の要請から、国会の議決によって、特に現職の教員についてはこれまで予期しなかった負担が生ずることになりますので、当然一定の配慮が必要だと考えております。

 したがって、国会においてどのような御議論をしていただくかということも踏まえて、今後、費用のあり方については、国、地方自治体、そして御本人の負担等について検討させていただきたいと思います。

 指導力が不足という言葉の定義についてお尋ねがありました。
 これは、率直に言って、見る人の立場によっていろいろ考えが違うと思います。しかし、一般論として言えば、教科に対する専門的知識、技術が不足しているため、学習指導が適正に行えない教師、あるいは、指導力、指導方法が不適切であるため、学習指導を行うための技術や専門的知識まで欠けているような教師、そして、児童生徒の心を理解する能力や意欲に欠けて、学級経営や生徒指導を適切に行い得ないような教師、このような場合が、やはり指導が不適切な教師に当たると理解しております。

 次に、教師の資質向上について、全国的な教育水準の維持向上を図ることにつき、中央教員研修センターの活用などの御提案がございました。

 各地域で中心的な役割を担う校長、教頭等に対する研修や、都道府県教育委員会が実施する研修の指導者の養成を行うのが、御承知のとおり中央教員研修センターであります。文部科学省といたしましては、このセンターを活用し、教員の底上げに努め、全国的な教育水準の一定化を図りたいと考えております。

 教員の養成について、極めて哲学的なお尋ねがございました。
 教育は人なりと言われますように、学校教育の成否は教員にかかるところが大きいことは言うまでもありません。養成、採用、研修の各段階の改善充実を通じ、質の高い教員を育てていかねばなりません。養成段階にある大学においては、教職課程の見直しを図ることも大切だと思いますし、教員に求められる基礎学力をしっかり身につけるように指導をしていくことも必要だと考えます。採用段階では、御指摘のように選考方法に工夫を凝らし、質の高い教員の卵をしっかりと見きわめねばなりませんし、また採用された後の現職の研修では、経験豊富な先輩教員の教えを前提として、実践的な指導力の完成を目指すことが何より大切です。そして、それとあわせて、今回お願いしております更新制は、時代の変化や要請に応じて求められる資質の刷新を図ることをねらっているものであります。

 こうした各般の施策を通じて、強い情熱そして確かな力量、総合的な人間力、馳先生が備えておられたような資質をしっかりと兼ね備えたすぐれた教職員の養成、確保に努めてまいりたいと考えております。

 最後に、教職員の処遇の改善、教員の表彰あるいは給与等についてのお尋ねがございました。
 単に教職員をむちで追うだけが私は教員をよくする道だとは決して思ってはおりません。そして、黙々と努力をしている多くの教員の人がおられることをよく存じております。したがって、政府としては、教職員の数も含めて公務員の総人件費の改革に取り組んではおりますけれども、今後の教職員定数のあり方については、安倍内閣の教育改革にかける思い、そして今後の教育振興計画の策定等の議論を踏まえて、総理も厚い決断をしてくださることを私は期待いたしております。

 すぐれた成果を上げた教員を表彰することは、ことし、初めて安倍内閣においてこれを実施いたしました。今後とも、教員の意欲を高めるためにさまざまな取り組みを推進してまいりたいと思います。

 なお、教員に優秀な人材を確保することは教育再生の必要不可欠な条件であると思いますので、人材確保法の精神は今後とも大切にすべきであると考えております。ただ、一律の優遇措置の見直しは、馳議員のおっしゃったとおり考えていく必要があると思いますし、職務負担の適切な評価やめり張りのある教員の給与ということが大切だと思っております。

 平成20年度の予算編成に向けて議員各位の御協力を心からお願いして、御答弁といたします。(拍手)

 

    〔国務大臣柳澤伯夫君登壇〕

○国務大臣(柳澤伯夫君)

 馳議員からは、私に、幼保一元化関連で二つほど御質問をいただきました。
 保育所と幼稚園とはそれぞれ異なる目的、役割を果たすものとして設置をされております。したがいまして、今後ともそれぞれの特性を踏まえながら連携を深めていくことが基本であろうと考えております。

 他方、少子化の進行や保育、教育ニーズの多様化への対応も求められておりまして、これに対しましては、保育、教育を一体的に提供し、地域における子育てを総合的に支援する施設として、認定こども園というものを昨年10月より設置し始めたところでございます。

 いずれにいたしましても、文部省との間で垣根を低くして協調して、保育所と幼稚園の一層の連携を深め、就学前の子供に関する保育、教育の充実に取り組んでまいりたい、このように考えております。

 幼児教育の無償化につきましてお尋ねがありました。
 昨年7月に閣議決定されました骨太の方針2006等におきまして、御指摘のとおり、幼児教育の将来の無償化について検討することとされております。

 保育所も含めた幼児教育の無償化につきましては、保育制度、教育制度のあり方及び財源の問題にもかかわりがありますのは当然のことですが、さらに、親の働き方とも関連する面があること等から、国民の幅広い議論が必要であろうと考えております。

 厚生労働省といたしましては、閣議決定された方針に沿って、歳入改革が行われる場合には、文部科学省とも連携を図りながら、幼児教育のあり方として総合的に検討してまいる所存であります。

 以上であります。(拍手)

 

    〔藤村修君登壇〕

○藤村修君

 馳浩議員の御質問にお答え申し上げます。
 まず、馳議員の内閣提出法案に対する御質問については、ポイントを非常に厳しく押さえられ、時に辛口の質問をされたというふうに受けとめております。これぞ国会審議の矜持を示したものだと敬意を表したいと存じます。また、本日提出したばかりの我が党案にも御質問をいただいたことに感謝を申し上げます。

 馳議員からは、我々の新地教行法と免許法についての御質問でございました。
 まず、地教行法について、地方公共団体の行う教育行政について、我々は首長ということに権限を集中させました。

 現在、首長と教育委員会との二元行政の問題が、これはずっと指摘されているところであり、また、地教行法に基づく現行の教育委員会制度においては、教育委員は首長による任命制でございますし、ですから、レーマンコントロールという、いわば民意を反映した教育行政が行われているとは言いがたいということもずっと指摘されていたところであります。

 選挙を通じて住民に責任を負う首長が、これは財政も持ちますから、一元的に教育行政を所管することにより、地域の個性を発揮し、住民の声にも的確に対応する教育行政が可能となる、このように考えております。

 ただし、中立性の問題ということが常に指摘されます。そこで、我々は、現行教育委員会を、これは発展的改組という言い方をしておりますが、外部の教育監査委員会に改組することとし、教育行政に対する厳しいチェックを外部機関、独立した機関として機能することにより、首長の恣意あるいは行き過ぎた過度な政治性を排除することも、また、学校現場の不適切な運営を排除することもでき、よりよい教育の実現に資するものと考えております。

 次に、免許法のことで二問ございました。
 まず、各大学、学部で学んだということを全然否定するものではございません。我々も教員養成についてはいわゆる開放制を考えております。ただ、現在、全国で約八百ぐらいの教員養成大学があります。先ほどの伊吹大臣の答弁にもありました、それらがマンネリ化しているといいますか、教員養成課程を持つそれぞれの大学にもやや問題があることは中教審からも指摘されているところでございます。

 基本理念としては、教員には高い質、能力を求めたいという気持ちがございます。子供たちも多様化しており、昔は見られなかったような問題もさまざま出てきている教育現場でございますことも考え合わせれば、現在までと同じ学びの量で現在の理想に足り得る教員の資質、能力が培われるとはなかなか言いがたい現状があることも認めなければならないと思います。

 よって、民主党案では、思い切った教員養成におけるレベルアップを目標とし、一般免許はすべて修士レベルを要求し、その養成課程の中で、これは修士の段階でありますが、一年間の教育実習を必須とすることにより、養成段階での適切な学びと、教員としての高度の専門性と豊かな人間性を培うことに力点を置いております。

 もう一問、教員免許のことで。
 免許状の取得後原則として十年を目途に、学び直しの機会を設け、自己研さんを奨励するため、教員等の経験八年と教職専門大学院においての一年課程を修了した者に、より専門的な力を持っていると認定し、専門免許を授与することとし、免許を新設しております。

 また、専門免許未取得の免許者に対しては、原則として10年ごとに講習を実施することとし、その最初の研修機会としては、現行教育公務員特例法で定められております10年経験者研修というものを拡充し、これに充てたいと思っております。また、その内容については、100時間程度。現行の教特法における10年講習というのは20日間で、時間数にするとおおむね百時間程度になるかと思います。それを一つの参考にし、10年研修における百時間程度の講習の修了を目指しております。

 修了要件は、もちろん通信教育あるいはオンデマンド教育なども活用し、知識科目70時間、スクーリング形式による実習、演習等を30時間、計100時間程度としております。そして、これは委託された各認定大学が修了認定をすることといたしております。

 以上、簡単に申し上げました。(拍手)  


詳しくは衆議院審議中継 ビデオライブラリーをご覧ください
( 開会日・・・平成19年4月17日、会議名・・・本会議 馳浩 から検索できます。)

 

 


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