鈴音ちゃん成長記録(はせ日記から抜粋)
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1月23日
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ぴちゃ、ぴちゃ、ぴちゃ・・・音がする。
闇の中。
記憶の向こう側で、音がする。
ぴちゃ、ぴちゃ、ぴちゃ・・・まるで猫娘が、油をなめているような、そんな闇の中。
ん?
これは夢ではないのか?
現実?
急に寒気がして、目が覚める。
やっぱり耳元で音がしている。
闇の中。
ぴちゃぴちゃぴちゃ・・・・
「だ、だれだぁ!!!」
と、枕元を見ると、なんと、おりんさんが体育座りをして、水を飲んでいるのであった。
「喉乾いたんだ!」って、暢気にしゃべってる場合じゃないっつうの。
それも、ぐっすり寝ているパパの耳元で、飲むこたぁないじゃないの!
お化けや幽霊の大嫌いなパパは、おかげで寝られなくなってしまったのであった。
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1月19日
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午後4時、区立美術館へ。
おりんさんの書き初めが展示されているので、家族そろって、そして、おりんさんの友達も一緒に出かけて鑑賞。
「新しい文化」 とっても上手、というよりも、とても味のある、思い切りのいい字、という印象だ。
ここに作品が張り出されるのは、小学校時代も含めて4回目だ。
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1月13日
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午後8時から、ママとおりんさんといっしょに晩御飯。
ママ特製のハンバーグと、蓮根炒め。
美味しい!
おりんさんは、今日はとても疲れていて、合唱団は休んだのだそうだ。
その反省からか、自宅で初めてCDを聴きながら、チェコ語で歌の練習をするおりんさんを見た。
で、正直言って、すごく上手だった。
どうしてチェコ語で歌なんて歌えるんだろう?
とても俺の子どもとは思えない能力だ。
ママに似たのだ。
また、学校の書き初めの宿題が、区の美術館に張り出されることになったのだそうだ。
やった、これは俺に似たのだな!
お題は「新しい文化」。
親子3人で美術館に見に行かなきゃ!
頑張ってるのね。
お父さんもがんばらなきゃ・・・・
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1月12日
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おりんさんを迎えに行く。
助手席で、聴いたことのない言語で、歌の練習をするおりんさん。
「それ、どこの言葉?」
「ちょこご・・・」
「中国語?」
「チェコ語!」
「え! よくそんな難しい言葉覚えられるねぇ・・・家で一切練習しないのに!」
「ふ〜〜んだ、合唱団で一生懸命練習してるんだもんね〜〜!」
と、いうわけで、チェコ語をそらんじて歌の練習をするおりん。
「で、意味はわかってるの?」
「わかってない!」
「それだと、感情がこもらないじゃん!」
「そうなの。 もっと勉強しないと、心がこもった歌にならないんだよね。 歌のストーリーがわからないと、ちょっとね!」
「頑張ってね!」
と、いうわけで、リズムや音感で言葉は覚えても、意味まではよくわからないと。
でも、意味はわからなくても暗唱できるほどチェコ語をマスターするって、これって小学生や中学生の英語教育の指導法と共通するようなところを感じる。
自宅に戻って、ママ特製の「さむげたんスープ」で晩御飯。
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1月 5日
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午後6時過ぎには珍しく早く自宅に戻り、妻の誕生日を祝うのであった!
おりんさんも嬉しそうに、パパの帰りを待っていたようで、さっそく晩御飯。
富山の黒ラーメンと、富山の美味しいご飯を炊いてあげ、おかずは妻の煮物。
白菜と厚揚げ。
美味しい。
家族そろっての晩御飯が何よりだ。
こういう家族だんらんを過ごすことのできない子どもたちも、児童養護施設にはいっぱいいる。
何とかしてあげたい。
「あれ、おりん、パパに書き初め見てもらうんじゃなかったの?」
「だって、パパ、ビール飲んじゃってるよ!」
「あ、本当だ、目がへろへろになっちゃってるよ。 どうする?」
「いいよ・・・」
「ここで、へろへろになったパパが口をはさむ。」
「なんていう字を書くの?」
「新しい文化!」
「ふむむ、新しい、ってとこが難しいな!」
「そう。 文化、は得意なんだ!」
「じゃあ、新という字は、できるだけ小さめに書いてみな、そうすりゃバランス取れるから。 それと、縦と横の線を並行に書くことね!」
と、えらそうに、お習字の指導をする「書道科教員免許」を持っているパパなのであった。
ママは、
「本当に今か書かなくてもいいの? パパのいるうちに書いてしまいなさいよ!」
と、心配するも、おりんさんは、面倒くさくなったのか、酔っ払ったパパに呆れているのか、
「だいじょうぶ、だいじょうぶ!」
と、遠慮するのであった。
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