秀英予備校発、やる気が出るホットなニューズ・ペーパー。 「Shuei.com」 Shuei Communication Vol15 2007.4月号
特別寄稿 勉強だけ、クラブ活動だけでは、もったいない!
自分のポジションを理解するのが教育の目標。
知的好奇心を高める。
私の小学校の時は、スポーツ少年団で剣道をやり、学校の授業が終われば、皆と校庭でソフトボールをしたり冬は裏山でスキーをしたりしていました。あとは漫画の本ばかり読んでいましたね。
中学校では剣道と相撲、それに生徒会活動もやりました。勉強をあまりしなかったせいで公立高校の受験に失敗して私立高校に入り、スポーツが好きでしたからレスリングにうちこみスポーツ推薦での大学進学を目指しました。教員免許をとり国語の教員になりたかったので、国文科と教職課程がありレスリングも強いということで専修大学に入学しました。
これまで自分で学んで得たことも多かったですが、先生や先輩から受けた影響も大きかったですね。その先生の物事に対する考え方や指導指針といったものは、教科書や本を読むだけでは十分伝わってきません。それに、人間には誰でも、どの高校を受けようか、大学受験をどうするか、将来どんな職業に就こうかと、いろいろ悩み決断しなければならない時がありますね。そういう時、私は直接先生や先輩に聞きに行き、判断は自分でしてきました。
学校では、授業をしっかり聞きノートを筆まめに取ってまとめました。授業の内容に納得がいかない時は、ノートをきちんとまとめている子に見せてもらったこともありましたよ。授業の予習と復習をちゃんとやるように心がけましたが、試験や受験のための勉強はあまりやった覚えがないですね。
国語・古典が得意になるためには、「好きこそものの上手なれ」で、気分転換に小説などをたくさん読むのがいいと思います。作家では山本周五郎なんかがお勧めです。
図書館に通うだけではなく、学校の行き帰りに本屋に寄って雑誌や文庫本、新刊の単行本などを立ち読みするのも、勉強が得意になる秘訣の一つです。自分の好きなものならスポーツでも料理でも旅でも何でもいい。いろいろなグラビアがたくさん載っている雑誌などを見て、世の中に対する関心や知的好奇心を高めていくのがいいんじゃないでしょうか。
クラブは生涯にわたる仲間づくりの場。
私は父親から社会人として自立すること、職業を持ち家庭を設け子どもを育て家族仲良く暮らしていくことを教えられ、友達からは、一緒にいることで何ものにも代えがたいオアシスのようなやすらぎを得できました。
国会議員のかたわら、大学のレスリング部の監督として学生の指導もしています。クラブには先輩と後輩の人間関係、守るべき規律や言葉使いなどがあります。いわば社会の縮図のようなものですね。クラブの仲間は、社会に出てからいろいろなチャンスをつかんでいくうえでも大切です。クラブは生涯にわたる仲間づくりの場でもあると思います。
クラブ活動と言っても、スポーツに限定する必要はなく、音楽や美術、芸能などの文化的な活動もありますね。
勉強とクラブ活動は、どちらかを一生懸命やればよいというものではありません。両方やるのがバランスの取れた当たり前の生き方なんです。両方やるという気合、意気込みが大切です。一日は24時間あるんですから、勉強しかしないのも、クラブ活動しかしないのも、人生を半分損しているようでもったいないですよ。
世界を知り高い視点に立って。
今後の教育の課題としては、まず公教育の再生があります。公立の小・中学校に通っていれば、学習指導要領に基づいて国語、算数・数学、英語、理科、社会など、社会に出たときに必要な基礎学力をきちんと身につけることができる環境づくりをすることが教育行政の大原則です。そのうえで、独自の建学精神を持った私立学校や生活指導を重視するフリースクールなどを尊重していく教育行政の体制が必要です。
学習塾・予備校はそれぞれ経営理念を持っています。秀英予備校は「秀英の育てる生徒像」という教育理念を掲げ「学力低下に真正面から挑む」という経営方針を打ち出しているそうですね。高いレベルの高校や大学を目指す生徒もいれば、学校の授業になかなかついていけないという生徒もいます。個々の生徒の希望や実情に応じて、学力をアップする指導を行うのはとても必要なことです。
それと共に、塾や予備校で学習指導要領の枠を越えた発展的な学習を行うのも社会のニーズに応えることになるのではないでしょうか。
新しい時代を担う子どもたちには、ぜひ世界を知ってほしいですね。私たちが生活している家庭や故郷、地域、さらには都道府県や国は必ず世界の国々とつながっています。世界を知り高い視点に立った見方ができれば、今自分がどのような能力を身につけ、何をすべきかという自分の立ち位置、ポジションを理解できるようになります。私は、そこに教育の最終的な目標があると考えています。