馳浩の快刀乱筆

 男女参画社会は国会から 

 聖子ちゃん、安心して産め

平成12年3月12日富山新聞掲載


 

 3月10日、参議院本会議で参議院規則が改正された、画期的なことである。内容は、議員が請暇願いを提出する理由として事故、疾病の次に「出産」という一項目が書き加えられたのである。良かった。これで橋本聖子議員も安心して請暇願いを出して出産休暇を取れるようになった。めでたし、めでたし・・・とまではいかないので、解説を加えておこう。なぜなら私も今回の規則改正を提起し、問題喚起をした一人だからである。

 現職の女性国会議員が出産、というのは、日本の政治史上二回目。最初が園田天光光元衆議院議員。今回の橋本聖子参議院議員が二例目。実は聖子ちゃんの妊娠が発表された時、以下のようなマイナス意見が国会内外から出された。

「請暇願いを出せば国会議員はいつでも休めるのだから、改正しなくてもかまわない」

「国会議員なんだから休むならもうやめてしまえ!」・・・こんなヒドイ反応があったのだ。

 先輩の園田元議員に聞いてみると「私の出産時も、世論に気がねしながら出産した。出産後、一週間後に本会議に出席した」との意見。これでは、せっかく昨年「男女共同参画社会基本法」を成立させた国会の姿勢としては後ろ向き。働く女性の模範となるためにも、まず国会がお手本となるべきだ! と私や野田聖子代議士が主張して、まず今回の参議院規則改正となった次第。しかし、あと二つ懸案が残っている。

 一つ目は、出産休暇中に本会議、委員会で採決が行なわれる時に書面で意思表示をすることかできるようにすること。二つ目は、国会内に託児所を設置すること。出産による休暇を前向きにとらえるべきであり、その間も議員としての権利を行使できるようにすべきだということ。また、国会には議員、秘書、職員、衛視合わせて3000人が働いている。子育てに苦しんでいる人はた<きんいる。(私もその一人)男女共同参画社会は国会から始めよ!だ。

 

国会も 出産ひかえ 春らんまん
 

エッセイスト・小矢部市出身

 
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