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馳浩の快刀乱筆
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『馳さーん、iモードに携帯変えたんだってー!! あたしも欲しいなぁ・・・。うちの職員室でも先生方はみんなiモードにはまっちゃって、あっちでピコピコ、こっちでピコピコうるさいったらありゃしない。これじゃ生徒に携帯の使い方のマナーを指導できるはずがないわよねェ。でも、あたしも欲しいー!!』まさに、聞きしにまさる大人気のようである。私はただ単に、以前使っていた携帯が故障したから、新機種に買い換えただけなのに、iモードを持っているだけでたくさんの友人からうらやましがれている。こんなことを言われるのは、「だんご3兄弟」のCDをゲットして以来のこと。
一体iモードの人気爆発の秘密って何なんだ?
調べてみると、サービス開始からわずか一年で加入430万件を突破したらしい。
携帯電話とインターネットを融合したことが、こんなにもライフスタイルを変えてしまうものなのか?というのが実感である。
だって「i」というボタンを押すだけで、欲しい情報が瞬時に手に入るし、メールだって送信できるのだ。銀行振込み、日々のニュース、チケット予約、占いなどなど、時空を超えて何でも手に入る。まさしく、「ドラエもん」のどこでもドア状態。これに、デジタル世代の若者たちがとびつかないはずがない。
でも、私はちょっと言いたい。
あまりにも簡単に情報が手に入ると、全く余韻がないのではないか? たとえば、改めて手紙を書いたり時刻表を読んだり、窓口にチケットを買いに行ったりというプロセスを省くことによって、人と人とのつながりをなくしてしまうことによる無味乾燥な社会になるのではないか?ということ。大の大人が、ピコピコうつ向きながら携帯に夢中になっている姿は正常ではない。便利だけれど、使う側に立ってみれば心が閉じこもり状態になってしまう気がする。iモードに身も心も奪われてしまうことのないように。あくまで人間が使いこなすという主体性を持つ必要がある。
エッセイスト・小矢部市出身
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