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馳浩の快刀乱筆
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1月19日の東京株式市場で、インターネット情報検索サービス最大手のヤフーの株価が一億円台に達した。日本の株式市場では初。ヤフー株は平成9年11月に、初値200万円でスタートしている。わずか2年余で史上初の一億円突破。これまで2回の株式分割をしていることから、最初に200万円で一株購入した人がそのまま保有し続けていれば、実際は4株で時価4億円を突破したことになる。
まさしく一獲千金のハイペースの株価上昇である。
この現象をどう見るか? の分析が必要だ。
そもそもヤフーの仕事って何? どうやってもうけているの? 社員は何人?
インターネットを利用していない人のために簡単に解説しておこう。
仕事は、インターネット検索サービス。一言で言えば、情報の水先案内人だ。
主な収入源は、ホームページに掲載する広告。平成11年3月期の売上高は、19億1400万円。経常利益は3億9100万円。
従業員は同年9月時点で120人。
そこで、だ。
ヤフーの実体って何なんだ? ということに尽きる。どうも汗を流して働いて稼いでいるっていうようには見えない。お金がジャブジャブもうかっている、とも見えない。何よりもネット上の展開であるから、従業員の顔も見えない。そう! 実体がつかめないのである。
実体が見えない、にもかかわらず成長企業であるところに、私は一抹の怖さを感じる。あの、バブルに躍らされていた頃の日本人の姿を垣間見てしまうのだ!
株の売買って売る人と買う人がいて成立するのだから、一株一億円を突破とはしゃいでみたところで、すぐに頭打ちとなるのは目に見えている。
とても庶民に手の出る額じゃない。でも、そうは言ってもネット関連企業は日本のこれからの成長産業であることは間違いない。要は、いかにその実体を庶民に見える(理解できる)ようにしていくか、だ。
エッセイスト・小矢部市出身
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