馳浩の快刀乱筆

 クエスチョンタイム? 

 国会は『言論の府』

平成11年11月14日富山新聞掲載


 

 どうも気に入らない。クエスチョンタイムという名前だ。なぞなぞの時間じゃあるまいし。ましてやここは日本。日本語で表現できないのか、と言いたい。

 国会法が改正され、議員同士の議論を活発化させるために今国会から導入された。与党対野党の党首同士による論戦。本場英国議会のうけうりではあるが、良いものはどんどん取り入れれば良い。そして不都合な点かあれば日本式に見直して行けば良いだけのこと。

 その第一回が11月10日行われた。場所は衆議院予算委員会室。今回は試行段階であり、予算委員会の合同審査会という形式で行われた。私も傍聴に行って盛大に野次を飛ばしたかったのだが見物人が多くて入れず、テレビで観戦した。久しぶりに国会中継をワクワクドキドキしながら見つめたように思う。こういう期待感を国民にお示しするのが政治のダイナミズムであろう。

 しかし、がっかりした。攻める野党党首も突っ込み不足。受ける小渕首相も防戦一方。とても丁々発止のやりとりではない。

 まず鳩山由紀夫民主党代表の質問が散漫だった。『今朝何食べた?』なんて小学生じゃあるまいし。もっと介護保険制度や企業献金禁止問題に焦点をしぼって連立与党の足並みの乱れを攻撃して矛盾点を浮きぼりにしなけりゃ野党第一党の存在価値はない。

 不破哲三共産党委員長は原子力行政の原点に質問をしぼったのはわかりやすかったが、内容が細かすぎる。いじわる爺さんにしか見えない。小渕首相も「そんな細かいことは急に言われても知らん!」と突っぱねた方が受けたのに。立ち往生なんてみっともない。

 そして土井たか子社民党党首。運営方法について聞くなんて時間がもったいないぞ、だ。

 来年の通常国会からは国家基本政策委員会という舞台で本格的に行われる。まさしく日本国家の基本問題を論じあう場にしてほしい。国会は『言論の府』なのだから。

 

永田町 言論の府に 花咲かせ
 

エッセイスト・小矢部市出身

 
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