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馳浩の快刀乱筆
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またか!? トルコ大地震の記憶もまだ生々しい9月21日未明、台湾中部をマグニチュード7.7の大地震が襲った。死者行方不明者は五千名近くに。負傷者は八千名にも。いまだに倒壊したガレキの中には生存者が取り残されている。しかしその被災者たちをあざ笑うかのように余震は続いている。救出は時間との闘いであるにもかかわらず、道路や水道、ガス、電気のライフラインが寸断されてしまい、思うにまかせないことがテレビ中継から見て取ることかできる。見れば見るほど阪神大震災の悪夢がよみがえり、あの教訓をどうして台湾大地震の被災者対策に生かせないのか?ともどかしい。
9月21日は自民党総裁選の日。党本部八階ホールで、武見敬三外務政務次官に逢った。
「いいんですか?こんな大変な時に日本にいて!すぐ台湾に飛ばなきゃ!」と言うと
「夕方五時の飛行機で緊急援助隊を送り込んだから。でも外務政務次官は立場上台湾に行けないから・・・」あ、そっか!? 興奮して忘れていた。中国との関係もあり、日本は台湾を独立国として認めておらず、政府高官の往来はまだ出来ないんだったっけか・・・。武見さんの悔しそうな顔。
でも、私は思った。
こんな非常時、緊急時にそんなこと言ってる場合じゃないんじゃないか!何せ救助や被災者支援や復興支援は初動サポートが何よりも必要。とりわけ距離的に隣国であり、震災にあった時の防災のノウハウを持つ日本の物心両面での援助は、台湾国民も心強いはずだ。また、それができてこそ日本はアジアのリーダーたり得る。
ここはぜひ、国家体制を超えて日本は支援チームを組むべきだ。また、こういう自然災害対策のために日ごろから「環日本海防災ネットワーク」を構築し、この地域の災害情報を共有しておくべきだ。そのリーダーこそが日本の役割だ。これぞ人道上の安全保障のはずだ。
エッセイスト・小矢部市出身
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