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馳浩の快刀乱筆
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我々日本人は過去の歴史の反省から、どうしてもおとなりの国、韓国に対して遠慮がちに接して来ている。それはそれで慎重に言葉を選んでおつきあいすることは人間として当然のこと。しかし、あまりにそのことにこだわりすぎて萎縮しすぎてしまっているのではないかと不安にかられる。そんなぎくしゃくした関係の潤滑油となるのがスポーツ。つい先日、サッカー競技のシドニー五輪最終予選に向けての日韓壮行試合が国立競技場で開催された。
ホームの地の利があったにせよ、中田をチームリーダーとする日本代表が4対1で圧勝した。日本の代表チームがこんなに余裕を持って闘い、完勝したのは久しぶり。しかし、だ。韓国民は感情あらわに悔しがっているにもかかわらず、日本人が韓国戦に向ける視線はいつもクール。「たかがサッカーじゃないの?」てな調子。先週韓国で行われていた野球競技のアジア地区予選にしてもそう。
日本チームは「プロとアマの垣根を越えた」だの「やっぱり松坂、古田はすごい」だのと内輪ぼめに終始している。結局「日韓両国とも代表になれて良かったネ!」だと。
これじゃ、いかん!と私は怒っている。
スポーツだからこそ、サッカーや野球の団体競技だからこそ、日本チームも我々応援側も徹底的に本気になって韓国を叩きのめす気迫を持たねばならない。強くて、本気の日本を打倒するからこそ、韓国民も優越感を得ることができる。本気の闘いがあるからこそ、本当の友情を築くことができる。本能や感情を押し殺して相手の出方をうかがうだけのつきあいなんて、非生産的である。
私は、怒りこそ日韓の成長のエネルギーだと思っている。韓国は政治でも経済でも外交でもスポーツでもとにかく「打倒日本!なのである。日本はそれをスカしてはならない。むしろ攻撃的に韓国と渡り合ってこそ、互いに信頼を積み重ねることができる。日本は兄弟ゲンカをもっと派手に仕掛けるべきだ!
エッセイスト・小矢部市出身
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