馳浩の快刀乱筆

 巨人軍大改造計画 

 松井、上原を大黒柱に 

平成11年8月22日富山新聞掲載


 

 今季セリーグのペナントレースの行方を左右する天王山と言われた対中日3連戦。まさかの3連敗。それも2度のサヨナラ負け。これで自力優勝も消滅。長嶋監督の去就さえ取りざたされる事態。あまりにも情けない。

 そこで、巨人軍命の私が独断で来季巨人軍大改造計画を練り上げた。半ばヤケクソでもある。だって今年の楽しみは上原投手が新人賞をはじめいくつのタイトルを獲るのか、あるいは高橋はホームラン王になれるのか、くらい。マスコミに暗い話題を書き立てられる前に、一人ひそかに来季の構想を思い描いてこの落ち込んだ心を鼓舞しておきたい。

 まずリストラだ。清原、広沢、石井、マルチネスは要らない。強制引退か放出だ。打てない、守れない、走れない、高給取りだけが能のロートルは見たくない。浮いたお金でぜひとも補強してほしいのがキャッチャーだ。力のある投手陣を盛り立て、ゲームの要となるのはやはり信頼できるキャッチャーがいてこそ。ここはヤクルトの古田選手を金に物を言わせて獲るしかないだろう。

 次は、チームの投打のリーダーを決定して大黒柱を作ることだ。それも生え抜きでなきゃいけない。投は問題なく上原。打は松井。松井を4番に固定するとともに、守備位置をセンターからサードにコンバートすべきだ。

 あの巨体をセンターで右へ左へ走り回らせていては選手寿命を縮めるだけだ。星稜高校時代に迫力あるフィールディングを誇っていたサードで、目立つ役割をさせた方が、お調子者の松井の能力を発揮できる。巨人の顔はやっぱりサードで4番が似合う。相手打者に与える威圧感も、松井なら抜群だ。名実共に球界一の選手にするためにも松井を巨人のサードで4番にするしかない。これが来季の起爆剤だ。

 我々ファンは、巨人にスカウトされて巨人で育って巨人を背負うような、そんなジャパニーズドリームを見たいのである。ポンコツは要らない。ハツラツとした新鮮力を見たいのである。巨人よ、がんばってくれ・・・・。 

 

三連敗 残暑厳しき 巨人軍
 

エッセイスト・小矢部市出身

 
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