馳浩の快刀乱筆

 ピル使いますか? 

 解禁には賛成だけど・・・ 

平成11年3月7日富山新聞掲載


 

 女性の皆さん、待ち望んでいましたか?そして使いますか?そう、ピルの解禁です。

 厚生省の中央薬事審議会は3月3日(桃の節句)に開いた常任部会で、低用量経口避妊薬(ピル)の承認についての実質的討議を終了。6月に予定されている次回の常任部会で承認の答申をまとめ、厚生大臣に提出する方向になった。男性にはピンとこないのだが、この問題で私に意見を求めてくる女性の考えにバラつきがある。論点を整理してみよう。

 「私は使う気はないわ。副作用の問題があるし、もともと薬は好きじゃないの。でも、解禁には賛成。だって、妊娠して新たないのちを宿すのは女性。でもこれまでは避妊するかしないかの決定権は男性中心。これじゃ女性の主体性を否定していることになるわ。医師の説明を受けた上で、使いたいという女性がいるのならば、選択できる方法を与えていただきたいということ」。

 「私は反対。避妊薬といったって100%の確率じゃない。ということはピルを飲んでいても妊娠することもある。そういう人は必ず中絶するでしょ?いのちを軽視することになるからダメ。それに性感染症対策はどうなるの?やっぱり男女ともしっかりコンドームの必要性を理解してなきゃ。反対。」

 「私は賛成。だってピルを服用することによって根本的に避妊の効果があがって、中絶数は減少することになるのだから。ピルについては1990年に承認申請が出されて以来10年もほったらかしのまま。女性べっ視よ!」

 「私は反対!ますます性の快楽化が進むわ。それにピルって合成女性ホルモンの配合剤でしょ。環境ホルモンとしてのピルの評価もまだ定まってないんだから、まだだめよ!」

 これらすべて女性の意見。それだけ女性の人権と性をとりまく問題(産業、医学、教育、倫理など)に絡むわけだ。ちなみに私は賛成。使う使わないは個人の問題。女性に避妊の選択決定権を与えるべきだ。でも、それ以上に性教育の充実が必要。

 一句。
 
バイアグラ でもかなわない ピル解禁
 

エッセイスト・小矢部市出身

 

INDEX