馳浩の快刀乱筆

 「知的芸能人」の代表に 

 入学してからこそ勝負! 

平成10年11月29日富山新聞掲載


 広末涼子ちゃん。アイドル。早稲田大学教育学部国語国文科に合格したそうな。

 小渕恵三総理大臣まで
「顔は知らないけど名前は知ってるよ。おめでとう」
 とコメントする位だから、大ニュース。

 彼女は自己推薦制度、いわゆる一芸入学で受験した。

 一応、筆記試験も面接もある。

 けれどマスコミはあおる。どうせ最初っから合格させるつもりだったんでしょ。だって受験者減で経営苦しいんだから、吉永小百合以来のスターを入学させて、世間の注目を集めるための人寄せパンダでしょ。早稲田も地に堕(お)ちたものね・・・・と。

 そういう人がいるかもしらんが、私は二つの理由で涼子ちゃんを応援したい。

 ひとつは、一芸入試の意味の大きさ。

 実は私もスポーツ特待生で専修大学国文学科に入学させてもらった。後ろめたい組。

 でも、入学選抜のされ方は多様であって良いと思う。要は、大学側が望む人材であれば、入ってから後、いかに勉強し、研究し、社会に貢献できる人材となるかこそが問題。大学側にしてみれば、入学してくる学生をいかに教育して有為な人材として世に輩出できるかが使命。ヒロスエもそういう「ワセダOG」となれるように努力して行けば良い。

 もうひとつは、知的芸能人を一人でも増やすための代表になってほしいということ。

 別に大学を出たから偉い!とは私も思わない。でも、知識欲、向上心を持つ人がいると、周囲に大きな影響を及ぼす。昨今の低レベルなテレビ番組を見るにつけ、私は嘆かわしかった。せめてインテリジェンスの裏付けのあるバラエティー番組は出来ないものか、と。それにはやっぱりタレント次第。

 「女性の魅力は30代」が持論の私からすれば、ヒロスエのどこがいいの?と思うが、大きな可能性を秘めているのは事実。激励の一句。

  

寒天へ 夢を抱いて 羽ばたかむ

 

エッセイスト・小矢部市出身

 
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