馳浩の快刀乱筆

 あさはかな男と女

 援助交際ふざけるな! 

平成10年11月8日富山新聞掲載


 
 イヤな事件だ。中学2年生の男子が逮捕された。罪状は売春防止法違反。つきあっていた女の子に「オレと別れるのがイヤだったら援助交際でお金かせいでオレにみつげ」と脅かし、本当にその通りにみつがせたのだそうな。
 それも、テレクラでひっかかった相手を聞いて驚いた。39歳の小学校教師だそうな。

 一体、日本の公教育はどないなっとんの?と叫びたくなる事件だ。

 この事件にはいくつかのキーポイントがある。

 まずは、中学生の男の子が女性との別れにお金を持ち出したこと。拝金主義ここに極まれり、だ。

 そしてそのお金を調達するのにわざわざ援助交際を強要したこと。「援助」という聞こえはオブラートでくるまれているが、要するに少女売春じゃないか。「オマエの肉体をカネで売ってこい」ということ。

 こんなあさはかな男の悪知恵に従うこの女の子の罪の意識の薄さも問題だ。

 「何でこんな勝手な男のために」とは思わなかったのだろうか。そんなに彼女にとって援助交際とは手っ取り早いかせぎ方だったのだろうか。セックスなんて金もうけの一つ位にしか思っていないとしたら、バカだ。親は一体どんな性教育をしていたのだ?

 そしてテレクラを通じて買った39歳の小学校教師。別に私は営業行為としてのテレクラに文句を言うつもりはない。話し相手の欲しい男女がお互い合意の上でお話ししようが、おつきあいしようが、それはテレクラ経営者の関知するところではないのだから。何がイヤかというと、「セックスしたい」目的だけで未成年の女の子を物色し、おもちゃ同然に素人の女の子を扱うこの教師の物の考え方がたまらなくイヤだ。あまり大きな声じゃ言えないが、その目的だけなら他にいくらでもやりようはあるだろうに、教師とて男性故(ゆえ)、そりゃ人に言えない欲望もある、と認めた上で、それにしてもやり方がフェアじゃないと言いたい。

まったく不愉快だ。口直しに一句、
 

 

初恋は 手と手をつなぐ 文化祭
 

エッセイスト・小矢部市出身

 

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