「日本経済新聞(夕刊)」 平成19年1月31日掲載
充実した一年をスタートさせよう

当たり前の毎日を、普通に積み重ねる
単純だが、実は難しいことです

 

 一年の初めは誰しも、「今年こそよい年に」と願うもの。けれど充実した一年は、待っているだけでは訪れません。まず、何をしたいのか、どう努力するのか。道筋をつけていくことが大切。お宅では、どんなことを話し合われましたか?
 お父さんと子どもたちが、一緒にさまざまなことを学んでいく企画「パパはクラスメイト」。今回は衆議院議員の馳浩さんに、新春の抱負を伺いました。

一緒に散歩や百人一首 遊んで過したお正月

 今年の新春は、どのように過ごされましたか。

 馳 私は通常、週末は家にいません。一緒に過ごせないので、その分平日の時間を大切にしていますし、中でもお正月は一緒にいられる貴重な休暇です。横浜の兄貴の家に家族で年賀に出かけ、後は犬と散歩したり、百人一首やトランプをしたり、遊んで過ごしました。

 お嬢さんは小学校三年生。なのにもう百人一首がわかるのですか。

 馳 小さい子どもと百人一首を全部やろうと思ったら大変で、最初に20枚くらい、読み札と取り札を選んでおけばいいんです。いきなりたくさんは覚えられませんが、少ないと取りやすいし、覚えやすいので自信がつきます。

 ほめて、自信を持たせることが大事なのですね。

 馳 漢字も、家庭では学校のようにすべて書き順からていねいに覚える必要はありません。例えば、「口(四角形)を使った漢字を30、書いてごらん」という問題を出します。どんな字が思い浮かびますか?

 「国」とか、「囲」とか、国がまえの字です。

 馳 それもあるけど、子どもは「年」とか「目」とか、図形として四角形が入った字も選ぶんですよ。おもしろいでしょう。そんな風にゲーム感覚で入ることが、実は大事なんです。

 

個の学習とは別に集団で学ぶことの意義

 馳さんは元高校の国語科の先生で、教えるプロでもあります。でも、普通の親がそこまで考えるのは難しい気もします。

 馳 そんなことはありません。勉強だと構えるが、遊びなら入りやすいし、子どもも喜ぶ。大人だって同じでしょう?
 こうしたゲーム遊びのいいところは、みんなでワイワイ話しながらできること。協力しながら、答えを見つけていくことができます。

 協力しながら、漢字や知識を身に付ける……。

 馳 そんなに難しく考えないで(笑)。自分が知らないことでも、知っている人はいるんだ。一人で悩んでいるより、皆でやった方がいいと理解する。それだけで十分なんですよ。
 もちろん、自分だけの勉強が大事だなと思えるときが来たら、そこでそれを伸ばせばいい。個の学習と集団の学習をどちらも大事にすることは、最近の学校も力を入れていて、縦割り班やお年寄りとの交流など、熱心です。とてもいいことだと思いますよ。

 親も、学ぶことを押しつけるのではなく、見守る態度が大切なのですね。

 

親が率先して実現する当たり前の生活

 ところで新年の目標はどう設定されましたか?

 馳 それが、ありません(笑)。うちは目標設定ナシなんです。普段、一緒に寝て、起きて、ごはんを食べるという当たり前の生活がきちんとできない分、まず「一緒にいること」を優先させています。月曜から木曜までは一緒なので、その間は毎日の様子の報告を聞きながら、連絡表を見て持ち物や宿題をチェックしたり、何でも話し合います。

 お父さんが持ち物までチェックなさるのですか。

 馳 先生の注意をあまり聞かない、落ち着きのない娘ですから(笑)。でも好きなことには熱中するタイプで、よく本を読みます。
 大きくなってなりたいものは、漫画家か、近くのコンビニの店員だそうです。


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