「建設工業新聞」 平成12年8月8日
新世紀 日本の針路
衆議院議員に聞く

 

 先の衆院選石川一区では接戦のでしたが、みごと当選しました。今の心境を一言。

 『北陸の中核都市である金沢から、野党でなく与党の代議士が必要ではないかという声がかかり、政治に対する願いとか怒りとかが国会を通じて国政に反映される必要性を感じ出馬するに至った。激しい選挙戦となったが、当選できてうれしい。感謝の一言です』

 参院から衆院にくら替えした一番の動機は。

 『自民党石川県連会長として石川一区の選挙戦に勝てる与党の候補者を探す立場にあった。結果的に候補者を出せず責任を取って出馬したが、個人的にはくら替せず参院の任期をまっとうしたかった。だが、それ以上に県都から与党の代議士をというおおきな目標があり、苦渋の決断だった』

 21世紀初頭は教育、福祉、環境等への対応が焦点になる。専門的立場から教育問題について。

 『全体からすれば、政府は「小さな政府」を目指さなければいけない。そういう意味で行政改革は引き続き進めるべきだ。教育問題で言えば教育基本法の改正について過去5年間、自民党本部でも主張してきた。教育の目的は人材育成と人材のリサイクルにあると思う。つまり能力のある人材の掘り起こしを行うということ。そのためには理念の問題から入る必要がある。教育基本法の改正で私は「歴史の尊重」、「公徳心」、「生涯教育」の3つを教育の柱に挙げている。歴史の尊重は、歴史を語る民俗にならなければいけないということ。2つ目の公徳心は個人の尊重にあるが、公のために尽くすという気持ちを教育を通じて学ばせるべき。3つ目の生涯教育では、学校現場だけでなく国民が常に学習意欲をもち何かを学ぼうとすれば、いつでも学ぶことのできる環境を整備する必要がある。経済的にこれ以上の発展が厳しい中で、間に合う人材、思いやりのある人材を育てることによって、21世紀の日本はさらに発展すると思う』

 地域振興策について伺います。インフラ整備で本県に欠けているもの、もしくは必要とするものは。

 『ひとつには北陸新幹線。一日も早い全線開通を望んでいる。中でも長野−金沢間を政府案として早期に決定する必要がある。これには財源の安定的確保が前提になるが、実は今ひとつの好機にあるといってよい。それは来年1月から省庁再編で建設省と運輸省、国土庁が一体化し国土交通省になる。その中で都市整備は公共交通体系と一体化したものに位置づけられる。金沢中心部に限れば中心市街地活性化法、大店舗立地法、都市計画法の改正と3つの法的整備が整っている。この“3本の矢”を支えるのは国土交通省だ。県庁も郊外へ移転する。これらをソフト面でリードするのは来年テレビ放映される大河ドラマ「利家とまつ」だろう。まさに今がチャンスだといえる。だからこそこの時期に、与党の代議士が金沢に必要だった。観光都市を柱とした中心市街地の整備は、私たちに与えられた題名だと思っている』 

“3本の矢”で観光都市金沢を活性化 

馳浩 in Mediaメニューへ戻る



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