北國新聞 平成20年4月30日掲載
 【奥田氏より小沢氏気になる】
 次期衆院選 「耐えて勝つ」

 

 −ガソリン税の暫定税率維持を盛り込んだ税制改正法案が30日、衆院で再議決される見通しだ。 自民党副幹事長として党運営にかかわってきたが、これまでの対応に誤りはなかったか。

 一点だけ失敗したと思うのは両院議長あっせんを信用して1月30日に(暫定税率延長の)つなぎ法案を取り下げたことだ。 これをお人よしって言うんだな。 あの時、伊吹(文明自民党幹事長)さんに 「小沢(一郎民主党代表)さんは反故(ほご)にする可能性が強い」 と言ったけど、伊吹さんは 「いま小沢氏を殺してはいけない」 と答えた。 (福田康夫)首相は大連立への未練を捨てていないんだなと思ったが、あの時、決断していれば、今こんなことにはなっていなかった。

 −衆院山口2区補欠選挙は自民候補が敗れた。 再議決に国民の理解は得られるか。

 結果は厳粛に受け止めた上で(再議決は)やります。 ガソリンの価格が下がった上がったで国民に迷惑を掛けると思うと涙が出そうなくらいつらい。 でも、道路整備は地域に住む方々の切実な願いであり、地域の発展を目指して要望しておられるのだから、それを裏切ってはいけない。

 −5月12日以降には道路特定財源の10年間維持を定めた特例法改正案の再議決が可能になる。 来年度から一般財源化する首相公約とは矛盾する。

 矛盾するんだよ。 野党が修正に応じてくれなければ。 ただ、首相の提案を担保することは絶対に必要で、国会決議にするか、最悪、首相答弁でもいい。 民主の本丸も一般財源化だったんだから、席をけるようなひどいことはしないだろう。 今年秋には消費税増税と社会保障の財源確保も含めて税制抜本改革を成し遂げていく。

 −解散総選挙はいつと想定しているか。

 北京オリンピックの後、秋だね。 後援会名簿の整理、後援企業とのお付き合い、国政報告会、街頭演説会などを今まで以上にきめ細かくやっている。 「馳は頑張っている、情熱もある」 というありがたい言葉はいただいています。 しかし、積み木を下の段から徐々に積み上げても、(与党の対応を批判する) 報道のたびにがらがらと崩れていくような印象を肌で感じる。

 −「宿命のライバル」と位置付ける石川1区の民主党公認候補内定者、奥田建氏の動きはやはり気になるか。

 奥田さんが気になると言うよりも、小沢さんが気になると言った方が本音です。 民主は理屈抜きに政権奪取の勝負に入ったなとみている。 国民とか、生活とか、自治体のことは全く考えていないが、それに耐えて勝つ。 9月の民主党代表選で小沢さんの行け行けどんどんの戦略を見直すラインが出てこないとも限らない。

 −次期衆院選で当選を果たせば、いよいよ閣僚も視野に入ってくる。

 まだまだ勉強です。 それでも、大学で政治学の講義ぐらいはできるようになったかな。 党をリードする立場まできて、大臣を務めるような年季が入ってきたわけだから、その期待をつないでいけるように行動を続ける。

 −あらためて聞くが、比例代表への重複立候補はないのか。

 ありません。 みんな怒っているけどね。 馳さんだけの議席ではないとか、応援している者の身にもなれとか。 けれども、自分はやっばり国会議員である前に、一人の国民としてこの制度はおかしいと思っている。 だから、重複立候補はしない。

 −金沢市議会の自民勢力が分裂した。

 分裂するにはそれなりの理由があったのでしょうから口を挟むつもりはない。 このことが馳を応援するかしないかに重なるなら、市議団の責任ではなく、おれの責任です。

 −著書「ねじれ国会方程式」で議員立法の重要性を説いた。 今は障害者虐待防止法の制定にも取り組む。

 要綱まで作った。 早ければこの国会、遅くとも秋の臨時国会で実現させたいという強い信念を持っている。 外国人子弟や外国人学校の教育支援もしっかりしないと、政府として外国人労働者を受け入れますと胸を張って言えない。 (政策決定は) 世論とか、学識経験者、自治体関係者の意見を総合的に判断して決断する。 こういうたくましさが国会議員には求められていると思う。 ねじれ国会方程式の答えはここにあるんです。

 

一般財源化 担保が必要  障害者虐待防止法 秋には実現

馳浩 in Mediaメニューへ戻る



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