北國新聞 2001年5月1日掲載
「森会長」で派内の不満吸収

『小泉改革政権』でどう動く ―県関係国会議員に聞く

 自民党森派の馳浩代議士は、森喜朗前首相が小泉新内閣の『御意見番』として森派の意見をまとめ不満を吸収する『サンドバック役』として派閥会長に復帰すべきとの考えを強調した。ただ、派内には反対の声があることも感じ取っている。 


 森派は森氏を再び会長として迎えるのか。

 先日の派閥総会で「森先生を早く会長に復帰させるべきだ」と幹部に求めた。しかし、森先生の側近中の側近である中川(秀直)先生が「馳君の意見は、馳君の意見だ」という言い方をしたんだ。派内でだれかが反対しているんだなあと思いましたよ。全体の空気はまだ分からない。しかし、小泉首相に物を言えるのは森先生しかいない。小泉内閣の「御意見番」として、ある時は派内のサンドバック役として不満を吸収できるのは、森先生をおいてほかにはいない。 

宮体制は制度疲労
 首相の「構造改革なくして景気回復なし」という持論をどう思うか。

 痛みも伴うだろうが、首相が強いリーダーシップを発揮すれば、国民の理解も得られるはずだ。それよりも政府が改革を断行するんだから、経済界も変革が必要だ。特に石川の経済界は世代交代が必要ではないか。宮(太郎)体制はもう「制度疲労」を起こしているんじゃないのかな。

 『日本の明日を創る会』の活動は休止したままか。

 創る会は一時期「加藤派別働隊」とも言われ、昨年の「加藤政局」を機に脱会者が相次ぎ、森派では私一人となった。派閥幹部から「馳は何をやっているんだ」とおしかりも受けたが、情報交換は大切だ。森派だけにいて浦島太郎になりたくはない。連休明けからは、勝手連的に参院選の候補予定者の応援に入る。沓掛(哲男)先生の元にも仲間を呼びますよ。

 沓掛氏の参院選対抗馬をどうみるか。

 共産党を除く野党勢力の第一候補は奥田(建)さん。つい先日も本人に話したらまんざらでもない様子だった。第二候補としては一川(保夫)さん、桑原(豊)さん、それに民間人か。正直、どの方が出てきても恐いですよ。

 本来なら参院選は馳氏が戦うはずだった。

 自分の選挙と思って戦いますよ。でも、沓掛先生次第だと思う。選挙は勝っても本人の努力、負けても本人の責任だ。戦略的に考えれば本人のキャラクターが大切で、いかに強烈に前面に打ち出すか。人気の小泉新首相が誕生したから、「自民党の沓掛をお願いします」というのではだめだ。

 来年三月には知事選が予定される。

 私は谷本(正憲)知事の選対本部長を自任している。口数が多いところがいい。時にはもう少し、人の話に耳を傾けてから話せと思う時もあるが、リーダーは言葉が第一。それに文化人とは言わないが、よく物事を知っている人だと思う。

 金沢市議会の会派再編をどうみるか。

 市議会から自民の名が消えたが、今は保守合同に向けての過渡期であり、一里塚と思う。新進石川の皆さんとは、折りに触れ、文句を言ったり言われたりしながら、政策でも人事でも相談したい。私の方から心を閉ざすことは絶対にない。


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