北國新聞 2001年3月25日掲載
馳氏
郵政民営化の“封印”を進言

小泉氏の総裁選擁立 首相の『待った』に対抗

 自民党の馳浩代議士が、繰り上げ総裁選への出馬に意欲を示す小泉純一郎森派会長に持論の『郵政民営化』を“封印”するよう進言した。森喜朗首相が出馬待ったを掛けている中、党内の反発を和らげ、小泉氏出馬の芽を残すためだ。『(民営化は)将来でもいい』と党内きっての一言居士もこれをのんだようだ。 


 『将来でもいい・・・』一言居士も現実対応?

 馳氏は22日の森派総会で、『民営化問題で挑発に乗ってはいけない』と郵政民営化問題と総裁選の切り離しを提言した。これに対し、小泉氏は『民営化は将来的な目標だ。もう言わない』と馳氏の意見を受け入れた。

 全国の特定郵便局を束ねる特定郵便局長会には約百万票の集票力があるとされる。次期参院選に向け党内では『手堅い郵政票は手放せない』との声が支配的だ。森派内にも『民営化問題が小泉氏支持の踏み絵となる事態は避けたい』(若手議員)との思いが強く、これを馳氏が代弁した格好だ。

金沢で予備選も

 馳氏はさらに、自民党金沢支部に『予備選』導入の検討を指示した。予備選は各都道府県への割り当て票をどの候補に投じるかを党員、党友の選挙で決める。全国の都道府県連でも実施が検討されており、同氏は予備選なら国民的人気の高い小泉氏に有利とみている。

 もっとも、古賀誠党幹事長が23日、森首相の後継候補の任期は9月までと明言したことで、足元の森派内に『参院選後の本格政権をにらんで今回は出馬は見送るべき』(同派幹部)という声が広がり始めた。森首相が24日、訪ロ先で小泉氏に慎重な姿勢を示し、同氏が出馬すれば派内が割れる可能性も出てきた。

 馳氏は、小泉氏に『総裁選実施の時期や方法は最終的には総裁の判断だ』と森首相と連携を取るよう求めている。その一方で、最終的に出馬断念もあり得るとみて、石原伸晃氏や塩崎恭久氏ら『日本の明日を創る会』メンバーと連絡しながら若手議員の擁立も探る構えだ。


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