馳浩の |
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平成12年2月9日大阪新聞掲載
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もういい加減、与野党の突っ張りあいも疲れてきた。何もいいことはない。マスコミからは与党も野党も批判されている。みんなで火に油を注いじゃったもんだから、引くに引けなくなっている。国会の中を歩いていても、民主党や社会党の顔見知りの議員に会うと、自然とお互い歩み寄って立ち話となってしまう。正常化を期待しているのだ。
社民党のK議員。『馳クン! 自民党に解散風は吹いとらんか?』『残念ながら、ベタなぎです』『そっかー・・・お互い歩み寄らんといかんなぁ・・・』『はい、そう思います』
民主党のM議員。『馳さん! 小泉純一郎さんの足して倍の案がいいわよ! 野党の主張する解散と、予算成立と、両方やっちゃえば良いのよ!』『でも、小渕(恵三)さんが自分だけのカード(解散)をそんな簡単に切るとは思えませんよ』『それもそうねー・・・』
同じく民主党のT議員は『国会審議拒否の作戦は良くない、無責任』と党内で主張したら、『アイツは自民党から金もらってんのか!』ってウワサ流されてるんだって。おいおい! 自民党にゃそんなお金ありませんぜ。
こう着状態がこんなに続くと、国会内も疑心暗鬼でいろんなウワサが飛び交う。
『民主党も菅(直人)代表のままだったらここまでこじれなかったのにナー。鳩山(由紀夫)さんて意外とガンコだから。民主党の路線問題も絡んでるしややこしいよ。昨年の党首選のしこりがまだ残ってるから』
『自由党の小沢(一郎)さんがまだゴネてるよ。今国会から予算委員会室の座席の配置を与野党対面型にしてあったわけ。それも小沢さんの強い要望で。ところが野党が出てこないもんだからって元の閣僚と予算委員の対面型に戻したら、「そんなら自由党のメンバーを引きあげる」ってゴネたらしいのよ。あまりにもおとなげない、って側近がいさめて、引きあげることはしなかったけど。それにしても小沢さんは、末期症状だね・・・』
本当にもう。みんなおとなになろうよ、と言いたい。これじゃ本当に子どものケンカか痴話ゲンカ? ふり上げたこぶしを降ろそうよ。
各党の幹部はメンツにこだわり過ぎ。どこかで手を打って、国会内で論戦すべきだ。お互いマスコミに発言してしまった『与党は悪くない』『解散しなきゃダメ』という言葉にしばられて、自分で自分の首をしめている。ましてや解散権は小渕首相だけのものなんだから、少数野党のリードで解散するはずがない。困っているのは与野党とも、下っ端の我々ヒラ議員。野党が欠席すれば、委員会も本会議もスムーズに進行するから楽だけど、そんなもんじゃない。批判の声、予算案や法案への厳しい追及がないと、逆に政府側としてもとの主張を世間に発信できない。仕事にならない。
廊下ですれ違って、お互い歩み寄って、苦笑いして『なんとかなんないかねェ』とあいさつし合うことももう10日間過ぎた。登院してるのに委員会、本会議に出席できない野党の姿はかわいそう。みんな、早くおとなになろうよ!
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