新生紀構造改革

「FRESH NIPPON」 フレッシュ・ニッポン 第7号 掲載


直言! 【シルバータウン構想】

 

 21世紀のキーワードは少子高齢化。とりわけサラリーマン世代は、平均寿命が80才まで伸びた中で、高齢期をどこで、誰と、いかに過ごそうか、に悩み始めている。

 年金と預貯金を合わせればそこそこの生活はしていける。しかし「いかに」生きるか、を満足させることは、個々人の能力では限界がある。親子や肉親が同じ屋根の下で暮らし続けるには住居の問題や世代間の遠慮があって無理がある。できる限り束縛されず、さりとて何かあった時にあたたかい手を差しのべてほしいし、何よりも毎日「生きがい」を感じながら人生を全うしたい。そのためになら多少の出費は惜しまない―――と考える50代以降の世代の何と多いことか?

 こういう需要に応えるシルバータウン構想を、民間のデイベロッパーが推進し、それを税制などで補充する政策があっても良いのではないだろうか?と私は考えている。いわゆる職・住・学・遊の一体化したタウン構想だ。

 シルバータウンは集合住宅でも良いし、小さな共同体としての町作りでも良い。コンセプトは、気の合った老若男女が仲間として自立した関係を築きながら対等に一つの地域内で暮らすのである。食事や家事援助、介護支援や保育サービスなどは住民参加型の住まいと町作りを念頭に置くのである。

 インターネットを全戸に整備し、電子商取引も電子政府も、バンキングも全てワンストップサービスとすれば、生活の利便性は向上する。と同時に、ボランティアや趣味や防災などのサロン作りをし、常に人間関係のつながりを心のうるおいとして保ち続けることができるような交流を企画できるセンターを整備する。もちろんその集合住宅や町はバリアフリー。日本の個人金融資産の3分の2はシルバー世代のふところにしまわれている。このストックをフローとさせるようなシルバータウン構想によって生きがいを見つける老後を作り出せないものだろうか。


馳浩 in Mediaメニューへ戻る



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