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永田町通信 101
 

『留学生30万人?!』

 おかしい!
 こんなあいまいな方針は、絶対おかしい。
 何を息まいているかというと、政府の留学生30万人計画のことだ。
 福田康夫前総理の肝いりでスタートさせることになったこの計画。
 まずは、言い出しっぺの福田さんが早々と姿を消してしまったことがおかしい。
 まぁ、行政の継続性という観点からすれば、麻生さんが引きつげばそれで良いのだが。
 でも、残念ながら、「後は頼んだぞ!」という、明確なメッセージは、ない。

 そこで、重要な文書を2つ、読み比べてみた。 政府の公式文書なので、公開されているこの2つの文書を読者諸子も比べてみてほしい。
 1つは、中教審大学分科会の留学生特別委員会がまとめた、
 「留学生30万人計画の骨子、とりまとめの考え方に基づく具体的方策の検討(とりまとめ)」
 なる長ったらしい名前の文書。 平成20年7月8日の日付けとなっている。

 もう一つは、「留学生30万人計画」骨子 である。
 6省(文部科学省、外務省、法務省、厚生労働省、経済産業省、国土交通省)の名前でまとめられており、日付けは平成20年7月29日。
 とうぜん、「とりまとめ」文書を参考にして「骨子」が作成されたであろうことは疑いようもない。
 一読してビックリしたのは、骨子でいきなり、
 「国際化の拠点となる大学30選定し重点的育成。」と、出てきたことだ。
 その項目が書かれたあとには、こうある。

 ●国費留学生等の優先配置、財政支援の傾斜配分、競争的資金やGPによる支援などにより、グローバル化を積極的に進める大学等への支援を重点化と。

 

 私は、選定の想定される30の拠点大学を頭の中に思いうかべ、そして「国費留学生」 「傾斜配分」という単語にピンと来た。
 これは、取りまとめ役の文部科学省による焼けぶとり政策なのではないか!と。
 取りまとめの特権(?)を生かして、わずか3週間のあいだに、我が国の留学生30万人計画の柱として、国立大学法人を最優先とし、国費留学生に手厚く支援し、あわよくば予算も手厚く配分し、もって自分たちの人事の天下り先を肥えさせようと目論見を立てているのではないか、と、私はうがった見方をした。

 これは、私の動物的なカンだ。
 思いすごしかもしれない。
 でも、どう考えて資料を読み込んでみても、現状をかえりみない骨子であるがゆえに、とてもとても納得できないのだ。

 留学生10万人計画をぶち上げたのはかつての中曽根康弘総理。 当時わずか1万数千人の受け入れ数を、20年かかってようやく10万人に引き上げた。
 それを、わずか11年かけるだけで12万人から30万人に引き上げるだなんて、到底ムリな話しだ。
 でも、最初からムリと言ってはいけない。
 わずか11年で18万人を増やすならば、それ相当の年次計画がなければならない。

 

 ところが!!
 文部科学省の担当者に問いただすと
 「予算編成は単年度主義なので、年次計画はありません!」
 とのこと。

 「じゃあ、現状分析したの? アジアからの留学生が9割、学部留学生等が7割、私費留学生が9割5分、私学が8割5分。 これらの層にこそ手厚く支援をするという方針が大切なんじゃないの!! あなたたちの説明を聞いていると、優秀な30大学を選び、国費留学生を優先し、単年度主義で傾斜配分。 まるで国立大学法人生き残りのための予算作りをしようとしているのがミエミエじゃないの!! そんなに税金を注ぎ込んで、本当に日本の味方になってくれる留学生を育成して、そして社会に送り出せると思っているのか!!」
 文科省のお役人サマは黙ってしまった。

 

 たいせつな日本国民の税金を使って、優秀な留学生をさらに優秀になるように教育して、世界に日本の良き理解者をふやすための政策のハズだ。
 だったら、私は国会議員として、自民党の文部科学部会長に麻生総裁から9月下旬に任命された立場で、徹底的に闘う。

 本当に税金が正しく使われて行くのか!!

 本当に優秀な留学生が来日するのか!!

 本当に優秀な留学生を教育できる大学や、大学院の現場なのか!!

 本当に日本の味方になってくれるのか!!

 私の闘いはエンドレスだ!!


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