馳浩の古典こらむ

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No.131

あひ見ぬも
 憂きもわが身の からころも
  思ひ知らずも 解くる紐かな

因幡
(いなば)
生没年未詳
『古今和歌集』恋歌五より

No.132

朝顔に
 釣瓶(つるべ)とられて
  もらひ水

加賀千代女
(かがのちよじょ)
1703〜1775
『千代尼句集』所収

No.133

やすらはで
 寝なましものをさ 夜ふけて
  かたぶくまでの 月をみしかな

赤染衛門
(あかそめえもん)
生没年未詳
『後拾遺和歌集』恋二所収

No.134

大海の
 磯もとどろに 寄する波
  われて砕けて 裂けて散るかも

源 実朝
(さねとも)
1192〜1219
『金槐和歌集』雑部所収

No.135

山桜
 かすみのまより ほのかにも
  見てし人こそ 恋ひしかりけれ

紀 貫之
(きの つらゆき)
872〜945
『古今和歌集』巻11所収

No.136

忘らるる
 身をば思はず ちかひてし
  人のいのちの 惜しくもあるかな

右近
(うこん)
生没年未詳
『拾遺和歌集』恋四所収

No.137

ますらをや
 片恋せむと 嘆けども
  醜(しこ)のますらを なほ恋ひにけり

舎人皇子
(とねりのみこ)
〜735
『万葉集』巻2、117所収


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