馳浩の古典こらむ

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No.51

うらやまし
 思ひ切る時
  猫の恋

越智越人
えつじん
1656〜?
『猿蓑』

No.52

すべもなき
 片恋をすとこのころに
  我が死ぬべきは夢に見えきや

作者未詳
女性
『万葉集・3111』

No.52

夢に見て
 衣を取り着装ふ間に
  妹が使ひそ先立ちにける

作者未詳
男性
『万葉集・3112』


No.53

さびしさや
 一尺消えて
  ゆくほたる

立花 北枝
ほくし
?〜1718
『北枝発句集』より

No.54

壁の新聞の
 女はいつも
  泣いて居る

尾崎放哉

1885〜1926

No.55

明日よりの
 後のよすがはいさ知らず
  今日のひと日は酔ひにけらしも

良寛

1758〜1831

No.56

明日知らぬ
 わが身と思へど暮れぬ間の
  今日は人こそかなしかりけれ

紀貫之

872頃〜945
『古今和歌集』より

No.57

君待つと
 我が恋ひをれば我がやどの
  簾
(すだれ)動かし秋の風吹く

額田王
生没年未詳
『万葉集』(巻4・488より)

No.58

二人して
 むすべば濁る
  清水かな

与謝蕪村

?〜1763

No.59

振り放(さ)けて
 三日月見れば一目見し
  人の眉
(まよ)引き思ほゆるかも

大伴 家持

717〜785
『万葉集』(巻6 994より)

No.60

白鳥(しらとり)は
 哀しからずや空の青
  海のあをにも染まずただよふ

若山 牧水

1885〜1928


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