馳浩の永田町一筆勝負47
選対本部長で理念の戦いに燃える
平成10年3月7日掲載



 今、石川県では知事選挙が行われている。同時に、私の住んでいる街、金沢市においても県議会議員補欠選挙が行われることになった。1年半前の衆議院選で県議から衆議院議員にくら替えした桑原豊氏(民主党、比例)の補選が行われるわけだ。しかしこの補選は少々事情が複雑であり、私もその渦中に巻き込まれている。

 桑原さんが衆院選に出馬した時、実は自民党は石川一区で独自候補者を出すことができずに見送り、桑原さんを推薦した過去がある。というのも金沢市においては奥田敬和議員(民政党)が自民党を割って出た時に8割方の党員を引き連れて出ており、自民党は以来壊滅的な組織に成り下がってしまったというわけだ。だから1年半前の時点でも党公認候補を立てられる状況になく、やむを得ず民主党公認の桑原さんを推薦せざるを得なかったのである。

 その後、私が参議院議員として国会で仕事をする立場にありながら、自由民主党金沢支部長をつとめることになり、若い力で地道に党勢を拡大して今日に至ったというわけである。

 今回の補選の選対本部長をつとめる私は、今も自ら金沢市内を駆け回って候補者と共に選挙をたたかっている。というのも、私自らが候補者をさがし出してきて、この選挙戦の資金の大半を拠出しているという現実問題と共に、国政与党の自民党が不当に金沢において迫害されているという現状を打破するために『理念』の戦いをしなければならないからである。具体的に言えば、金沢においては今まで森喜朗氏(自民党総務会長)と奥田氏の血みどろの闘いが20数年続いてきている。そんな中で、奥田氏陣営は森氏イコール自民党を攻撃して自らの正当性を主張してきたという歴史があるからだ。しかしこんな中選挙区制時代の争いはもう小選挙区制の下では必要ない。
政策で政党同士が切磋琢磨し、国民の前に候補者を各陣営が出して選択していただいてこそ、政治の王道が築かれる。

 そこで金沢市選挙区においては、自民党公認、旧新進系、民主党推薦、共産党公認と4候補が出そろっている。私は自分で見つけてきた候補者を信じ、東京と金沢とを連日往復しながらトレーニングウェア姿で走り回っている。市民の一人一人と握手をし、街頭演説で自民党の政策を訴え、夜は集会で講演して回っている。実はこの原稿も立会演説会の会場の隅っこでこっそり書いている。小選挙制の影響で、こんな小さな補選も国会議員が先頭に立って闘わなれけばならなくなったというわけだ。これもまた、政治に緊張感が生まれてきた証拠であろう。3月15日の投票日に向けて、走り続けなければ!

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