馳浩の永田町一筆勝負40
急げ! 野党の受け皿作り
平成10年1月17日掲載



『平日、委員会の定例日であるにもかかわらず、国会議員が自分の選挙のあいさつ廻りのために地元に戻ってしまい、委員会が開会できないというのは困りますね。今年改選期の皆さんの心中もわからないではないですが、私たちの本分は国会活動ということを忘れないで下さい。こういうことは二度とないようにして下さいよ』

 静かな話ぶりながらも強い口調で申し入れをしたのは参議院文教・科学委員会委員長の大島慶久氏(自民党・比例)。注意を受けて恐縮しているのは野党の各理事予定者。

 事の発端は、理事懇談会において1月16日(金曜日)の午後1時から文教・科学委員会を開会し、理事の選任と調査件名の決定をしてしまおうという自民党側からの申し入れに対し、野党理事予定者の答えが『その日は、成人式と週末の中間で地元にあいさつまわりの日程を入れた委員が東京に戻って来られません』とまるで小学生の言い訳のようだったことから始まる。1月12日に開会したのだから、祝日以外の月曜日から金曜日までは国会に張りついているのが国会議員の役目である。
にもかかわらず、今年7月の参院選を控えた野党側は、年末年始の分裂騒動もあり、地元の後援団体に説明のために帰省してしまっており、委員会定例日である金曜日に戻って来れないというのである。

 彼らは反論する。
『前国会まで金曜日は委員会定例日じゃなかったじゃないですか。16日は本会議の予定もないと議院運営委員会から聞いていたので、地元日程を入れたんですよ』
しかし、これは反論になっていない。何故なら、1月9日の与野党六会派代表者会議で、今国会から委員会定例日は火・木・金にしましょうという合意がなされ、文書にして確認までしていたのであるから。野党理事予定者の言いわけは通用しないのである。

 要は、野党の言いのがれの一因は国対メンバーと現場の理事・委員との意志の疎通がはかられていないということの証明なのである。急に野党第一会派である平成会が、民友連と公明と自由党などに分裂したため、それぞれの会派内において執行部と現場の連絡が十分なされていないということなのだ。

 一体、野党のこの有様は何なのだろう。連絡不十分、定例日に地元にあいさつ廻り、それを理由に委員会開会の引き延ばし。

 これでは、法案審議や一般質疑に入って論戦をする以前の問題ではないか。
タイム・イズ・マネー。
国会開会中は緊張感を持って運営に参加していただきたい。

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