"派閥活動"を
皆さんに理解して欲しい

 <12月20日デイリースポーツ掲載>


 臨時国会が終了して一週間。来年度予算の編成作業が大蔵省において進められている最中に、三塚大蔵大臣の講演を聞く機会に恵まれた。十兆円の拠出国債や、二兆円の特別減税の話である。

 といっても大ゲサな場所でのことではない。私が所属している政策集団、新政策研究会(新政研と略称する、旧三塚派)の在京議員昼食会において、三塚会長からごあいさつをいただいた、ということ。

 昔はどうだったのか知らないが、私はこの派閥活動の必要性について少しずつ理解を深めてきている。まず、運営資金については、所属議員は会費という形で年間60万円支払っている。それと企業、団体献金、パーティー券収入といったところ。新政研に我々議員が資金的に丸々お世話になっている、というわけではなく、それぞれが持ち寄っての健全な運営がなされているということ。

 その存在意義は、ポストの割り振りと政策勉強と議員同士の親睦交流。情報交換。

 自民党は与党の要(かなめ)であるため、あらゆるポストにおいて重い職責を担うことになる。政府においては大臣、政務次官。院内においては委員長、理事。党内においては執行部、部会長など。政策に明るい議員がそれぞれの分野において着実に仕事をこなしていくためにも、派閥内で政策勉強が行われ、有能な人材が輩出されて行くこのシステムは必要だと思う。私のような政治、行政の門外漢からの転出組であっても、毎週開かれる派閥の昼食会で勉強を積み、情報を仕入れることによって少しずつ政治家としての能力を蓄積して行くことができるのだから『人材養成学校』の役割は大きい。

 その旧三塚派の暴れん坊大将、塚原俊平元通産大臣が12月19日、お亡くなりになった。まだ50歳であり、これからの政治家であるだけに、悲しくて残念で無念でならない。

 塚原先生の思い出は、今年の夏の箱根での研修会夕食会パーティーでの一コマ。妊娠中だった私の妻のところにアイスクリームをスプーンで口に運びながら、のっしのっしと近付いてきて『馳さんの奥さん妊娠してもスマートでうらやましいねぇ。オレ、ファンなんだよ昔から。元気なお子さん産んで下さいネ』と声を掛けていただいたこと。先輩議員のエラソーな風は吹かせず、いつも気さくに声を掛けて下さった人柄が忘れられない。やっぱり日ごろの運動不足が原因であり、私も不規則な生活が多いだけに、気をつけるように肝に銘じておかねばならない。

 安定した政局を作り出すために不可欠なこの派閥活動は、もっとマスコミの皆さんからも正当に理解されなければならないところ。私たち政治家側からも、常に情報を発信して行かなければならない。

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