12月第2週は
永田町で一番熱い季節

 <12月13日デイリースポーツ掲載>


 『いやぁ、国対のメンバーに馳君だけいないから心配したよ。イザという時は頼むよ。衆議院では旭道山が前線にいたというから、参議院じゃ馳君が頼りだよ。ところでどうして欠席していたの』

 ニコニコしながら尋ねてきたのは参議院の尊師こと村上正邦参議院自民党幹事長。

 12月第2週というのは毎年永田町の一番熱い季節。臨時国会の最終集ということもあり、法案を通すための日程調整がタイト。預金保険法を衆・参で通過させるために、衆議院大蔵委員会で強行採決を行った。委員会運営でモメて、採決の時に反対の新進等側は旭道山議員を投入して実力阻止に出て来たとのこと。参議院でも野党側が実力行動に出てくるかもしれないから国対メンバーは待機しておいてくれよ。中でも馳君には過大の期待が集まっているというわけ。そういえば、宗教法人法改正(平成7年11月)以来、国会での与野党実力激突のもめ事はここ2年ほど無いのでそろそろ暴れたいなぁーと思っているところ。

 さて、この大切な会期末の一日、国会を休んで私は何をやっていたかと言うと、都内某病院で女房の出産に付き添っていたというわけ。何せ初産で高齢出産で身近に親類もいない私たちは、夫婦で助け合わなければやっていけない。陣痛が始まってから丸一日入院したあげく、12月11日午後4時18分に女の子が産まれた。2,816グラム。予定日より一日早い。予定日の12日はというと私は国会最終日で禁足(国会外外出禁止)がかかるので、その一日前に産まれてくれたわけだ。親孝行な娘である。感謝、感謝。

 この時期熱い理由はもうふたつ。

 12月16日まとめる税制改正の査定作業が進んでいるのだ。そして平成10年度の国家予算編成を12月20日に控えて、陳情団がむしろ旗かかげて永田町に鬼のような気迫で地元から押し掛けてくる。

 景気対策のためにも、この二本柱は整合性を保ちながら決定されなければならない。

 税制改正の目玉は土地税制、法人税などの実質減税。各省庁の税担当者から資料をいただいて、我々族議員は税調(税制調査小委員会)で延々要請スピーチを行ない、宮下創平事務局長の仕切りで査定を受けるわけだ。

 予算編成については、毎年の事なのだが、とりわけ今年は財政法のしばりがあって公共事業予算も7%カットとなっており、いかにスクラップアンドビルドでやりくりできるかに大蔵省と与党側の交渉の注目が集まる。家族の一人増えた私としても、増々熱気を帯びてきている、というわけだ。

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