腹一杯ごはんを
食べようぜ!

ちなみに私は一日五合食べます。

 <11月29日デイリースポーツ掲載>


コメ政策が行き詰まっている。せっかく一昨年から新たな食糧法が制定され、『作る自由、売る自由』が確保されたと言うのに、現実は『作る制限、売るに困る』状態。

 生産コストを下げるために、基盤整備、土地改良を進めて、大規模農家ほどもうけられるようになるはずだったのに、逆に大規模農家ほど大打撃を受けている。

 来年から2年間、水田作付面積に応じて(一律減反)17万ヘクタールの減反が上乗せされることになった。政府買入価格も60キロ当たり15,805円(対前年比412円、2.5%減)とますます値段は下がる。米農家の所得は減収する一方、在庫も積み上がるばかりで処理できない。

 これらすべての問題の原因は、需要と供給のバランスがとれていないこと。つまり日本人一人当たりの消費の落ち込みが一因。それから、供給の面では毎年の天候の『読み』ができないこと(そりゃ仕方ない)と大量の在庫処理が進まないことが要因である。

 そこで、だ。自由民主党農林部会では、米消費拡大プロジェクトチーム(山本一太参院議員座長)を結成し、『とにかくごはんを腹一杯食べようぜ』作戦を考えることになった。

 消費動向を分析してみると、はっきりとした傾向がうかがえる。消費の落ち込んでいるのは、大都市、20〜30代の独身男女、そして意外にも生産者。これらをターゲットに対策を立てねばなるまい。

 大都市の若者の消費がおちているのは、生活スタイルと、食文化の多様化があるだろう。小、中学校での米飯給食の割り合いも低く、子供のころから『うまい日本米』を食べる習慣にないということもあろう。また、炊飯、後片付けが面倒で調理する労力の割には価格も高いということもあろう。

 コメ生産者の消費が落ちていることはびっくり。パンをかじりながらトラクターを運転しているのであろうか。まず生産者こそが腹一杯食べてほしいよね。

 さて、そうは言うものの、ここでいま一度ごはんの持ち味をPRしておかねばならない。

 米の成分が持つ各種機能は、血圧低下、抗がん、老化防止、ダイエット。
何よりも腹もちが良く、消化を良くするということ。

 最近では、レトルトパックや加工用新商品(おかき、お酒、洗剤、石けんなど)も発売され、主食以外としても使われている。

 ごはんをおいしく食べることができれば、おかずもすすもうと言うもの。
日本人は、やっぱり朝から、ごはんとみそ汁で下っ腹に力を入れてこそ、働く活力がわいてくるはず。

 おいしくて、安くて、食べごたえのあるごはんを食卓に提供できるようにすることが我々の目的だ。
ちなみに私は一日五合食べます。
                                       
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