国連人道問題事務次長明石康さんは
永田町にやってくるとにらんだ
日本の発言力の重さ痛感した人

 <10月25日デイリースポーツ掲載>


 外交は票にならない、は永田町の常識である。自由民主党の中でも建設族や農林族、郵政族の議員に比べても外交に熱心に取り組んでいる外交族議員は手薄である。

 今般の財政構造改革法案においても、国家財政において赤字を削減するためにという大義名分のもとに対外経済協力(ODA)予算が10%カットされることになってしまい、私たち外交応援団はその力のなさに悲哀をかみしめているところである。しかし、落ち込んでいるばかりではいけない。

 10月24日に『日本の国連貢献を考える議員研究会設立総会』を党本部8Fの部屋で開会し、『金も出すから口も出す』日本の外交姿勢を国連の場で実現するための政策を推進しようと誓い合った。

 小渕恵三外相が会長として出席されたが、各種の議員連盟(自民党には特定の予算獲得や政策実現のためのギレンがゴマンとある)に比べて出席者が少なかったのは寂しい限り。票にはならないけど、外交こそ国会議員の活躍の舞台なのにと思うと政治家の意識改革こそせなあかんやないのと私は思った。

 明石康国連人道問題事務次長に国連における現在の日本の立場についてご講演をいただいた後、質疑応答に移った。私は二点質問した。
「明石さんは国連総会の場において日本も超党派の党員グループを派遣して情報交換をしたり日本の国益を踏まえた主張をしたりすべきだとおっしゃいました。議員交流の最たるものは、国連機関の日本人職員が国会議員となることだと思います。現に熊代昭彦代議士(衆・岡山二区)や山本一太(参・群馬)が活動しております。明石さんも来年の参議院選の有力候補者と報道されており私も個人的に大いに期待しておりますがどうお考えですか。」
「それから対外経済協力(ODA)については、外交にはお金がかかるので立法府が目を光らせる必要があるとのご意見ですが、現在のODA大網を発展させてODA基本法を制定すべきではないかとの議論が出ております。これには外務省の外交政策局が自分たちの手網を奪われてしまうと反対しておりますがいかがお考えでしょうか」

 一点目については、笑って
「ありがたいことですね」とのお返事。 ン?もしかして脈があるのかな。
二点目については
「それは内政干渉となりますのでコメントできません」
と国連職員の立場として模範的なお答え。

 私の野性のカンからすると、来年で任期の切れる明石さんはきっと永田町にやって来るとにらんだ。なぜなら国際社会における日本の発言力の重さを一番痛感し、何とかしなければと考える使命感が明石さんにはあるからだ。

 さて、どうなるだろう。

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