『省庁再編』
いよいよ党内論議開戦!

<10月11日デイリースポーツ掲載>


 あー、ドキドキした。度胸とはったりと大声では少々自信のある方だが、こんなに緊張したのはいつ以来だろうか。

 実は本格的な省庁再編論議が自由民主党で始まったのである。10月に入って党内の行革本部が、各部会ごとに党本部の5階の1室に呼びつけてヒアリング(事情聴取)を行っている。私は環境部会の一員としての参加。

 仲間は鈴木恒夫(衆・神奈川7区)谷津義男(衆・群馬3区)杉浦正健(衆・愛知12区)愛知和男(衆・宮城1区)村田敬次郎(衆・愛知15区)らの環境族議員。待ち受ける行革本部側は武藤嘉文本部長を筆頭に大原一三副本部長、柳沢伯夫事務局長ら総勢15人ほどの大メンバー。

 どんなヒアリングかというと、8月に政府の行革会議が作成した省庁再編案についての評価と、党の部会としての独自意見を本部に出せ、ということなのである。

 数ある省庁がぶった切られる中で環境庁は『環境安全省』への格上げが合意された報告が出ているだけに、我々は半分有頂天。しかし半分は疑心暗鬼の心待ちなのである。

 何が心配かというと、他の部会から『環境庁のような小さな調整官庁だけいい思いしやがって。そうはさせないぞ!』との不穏な動きを仕掛けられているから。

 どうも裏情報によると農林水産省と郵政省を応援する族議員が水面下で手を結んだらしい。農林水産省に環境庁を吸収して『食料環境庁』としてひとくくりにし、空いた『省』の席には『郵政省』を今のまんま残してあてはめようとするたくらみをしているらしいのだ。一つの考えとして出るならまだしも、行革のための省庁再編を『1府12省庁』という数合わせの議論に閉じ込めてしまおうとするこの作戦には環境部会は断固闘う姿勢を示さなければならない。そんな裏事情もあって、私は重い任務を受けてヒアリングに臨んだというわけ。
私の主張するところは、(1)中間報告に対する世論の評価(2)先進国間の『環境行政組織』の国際比較(3)森林行政で『環境安全省』が所管することになる原生林の範囲についての3点。

 事前に環境庁の幹部投入と勉強会を5回も重ねて万全の態勢で臨んだにもかかわらず、いざ行革本部の先生方の前に出ると用意したペーパー通りに説明するのがやっと。揚げ句の果てに、『森林行政を、木材生産や造林治山などの事業部門と自然林として手つかずの保護部門にするという議論にはムリがある』という突っ込みに対して返答できず(なぜなら私自身も少なからずそう思っているため)失態を演じてしまった。残念!2回目のヒアリングではもっと理論武装して闘わねば!先進国で『環境省』はあたりまえなんだから。

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