動じない
やんちゃ議員の奥方

<8月30日デイリースポーツ掲載>


 今週は2つの出来事があった。ひとつめはマスコミでも大きく報道された箱根プリンスホテルでの旧三塚派研修会。私もその一員として女房同伴で参加。夕方ぶらぶらと散策していると大物建築家のK氏がこれまた若い女性とのんびりコーヒー飲んで談笑していた。
 「おいおい、アレってもしかして失楽園?」と興味深く観察していると、旧知の間柄の我が女房は「失礼よ!こんな時は見て見ぬふりするのが大人というものよ」と私をたしなめる。たしながめながらも横目でにらんであーでもないこーでもないと一人言で盛り上がっている彼女は、ただのミーハーに見えてしまった。

 三塚氏の講演会は当たり障りのない30分間。最後に橋本総裁再任の確認を取ったことと人事には結束して臨むと発言したぐらい。それよりも懇親会の立食パーティーの方が酒も入っただけに本音が出ていた。酔っぱらった亀井建設相が「兄弟仁義」をアカペラで歌ったのはいいが「やい!三塚一家め!覚悟しろ」なんてアドリブ効かしてどなるもんだから、こりゃ相手にしたら大変とばかりに三塚会長は会場奥の「すしコーナー」の所まで退散してきて苦笑いしていた。今回は奥方同伴ということで、日ごろは元気一杯の国会議員も少々おとなしかったようであるが、この亀井さんと吉田六左衛門(新潟一区)だけは、マイクを奪い取っての大立ち回りだった。しかし世の中良くしたもので、こういうやんちゃな男の嫁さんほどおっとりして品が良くて動じないようである。夫のいない間選挙区を切り盛りして度胸がついたのか。はたまた脱線気味の夫のコントロールに慣れているのか。

 さて2つめは、札幌でのプロレス「小橋対馳」の一騎打ち。強豪との初対決は気合が入る。実は北海道の実力者、佐藤孝行氏は大の字がつくプロレスファン。党本部で行革推進本部長を務め、多忙を極める佐藤氏であるが、私の姿を見つけるといつもプロレス談議に花を咲かせるのが常。今回はぜひ招待したかったのだが国家予算の概算要求と、行革推進本部の会合が重なってムリ。残念がっておられた。試合の方は32分49秒、見事にラリアットで負けてしまった。こんなに頑張られたのも札幌・ススキノの女性ファンの大声援のおかげ?感謝。

 そのプロレス巡業で札幌−釧路間をバスで6時間の移動。立場上、観光気分ではなく議員の目でこの土地をながめてしまう。休耕田の多さ。転作地の作況。さびれた酪農家。人口の少ない村に立派な役場や体育館。北海道に来ると、都会では実感できない人々の暮らしの厳しさを見せつけられてしまう。ここも同じ日本の大地であるのだと、心に刻む。

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