秋の政局へ
風雲急を告げて来た

<8月23日デイリースポーツ掲載>


 お盆休みが明けて国会議員たちも永田町に戻ってきた。それぞれが秋の政局に向けての思惑を秘めている様子。さっそく3つの会議をハシゴして来たのでリポートしておきたい。

 自民党本部は、医療保険制度の抜本的改革に向けて連日社会部での議論が続いている。

 厚生省出身議員、日本医師会や歯科医師会出身議員などお家の事情を熟知した当時者同士の駆け引きが垣間見られ、1つの方向にはまとまりそうにないのが実情。おそらく社会部会長の長勢甚遠氏(衆・富山一区)や与党協議会座長の丹羽雄哉氏(衆・茨城六区)に最終的に対応が一任されるのではないかと思うが、抜本改革案だけに折り合いのつけ所がポイントなるだろう。この9月からサラリーマンの自己負担が2割にアップしたり、薬剤費の国民負担が種類ごとにアップするだけに、大幅なさらなる国民負担をお願いする厚生省案に対しては拒否反応が強い。と同時に、病院をサロン代わりに利用する高齢者の皆さんや、家族の分までお薬を頂こうとする方々には、くれぐれもコスト意識を持っていただきたい。また、予防医学についての関心も我々国民が高めていくべき。

 衆議院選挙制度改革については、議論の方向性がまとまったのみ。昨年の新3党合意では「議員定数の削減を前提にした選挙制度の見直し」という一札が入っていたのだが、これは衆参一体となった「定数削減」という合意。来年の参院選を視野に入れて参議院だけが削減案を出してまとめるというわけにはいかない。参院一体となるともう少し時間はかかるわけ。となると何時をメドにまとめて行くのか、適正な民意反映方法は何か、投票率アップのためにはどうすべきかは小委員会で作業を続けるしかない、という「方向」に落ち着いた。いつも思うのだが行革や財政改革を進める政治家も共に痛みを分かち合わなければ、国民は納得しないということ。速やかに改革案を提出する小委員会の作業を始める必要がある。

 新政策研究会(旧三塚派)の昼食会は久しぶりに蔵相の三塚会長も出席して激論が交わされた。派をまとめる宮下創平氏(衆・長野五区)か、保保派勉強会への参加に異を唱えたため、その中心メンバーの平沼赳夫(衆・岡山三区)衛藤晟一氏(衆・九州比例)らが「派のまとまりは大切。個別勉強会は目をつぶって見ているが了解している。ただし報告だけはしておいてもらいたい」の一言でチョン。どうも夏の終わりのはずなのに、風雲急を告げて来たようである。

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