どっちにする?
カラオケと白山登山

<8月9日デイリースポーツ掲載>


 二年前の参院選で初当選した同期の桜で、平七会という懇親の集まりを持っている。政策について月2回の勉強会を開いたり、党運営についての意見交換をしたり、時には旅行に行ったり飲み会をしたり。何かを決定する場ではなく、意見を出しあう仲間の集まりというところが私は気に入っている。当初は24名であったのが、補選の当選者や新進党からの離党者が相次いで入会し、今では31名の大所帯になっている。参院自民党においても旧派閥は存在しているのだが、元気の良さと結束力と行動力、何よりも人数の多さでは突出した集団であることに間違いはない。

 この平七会の幹事の景山俊太郎議員(島根)から、「8月4日に懇談会やりますので参加して下さい。今回は橋本総理も特別参加しますので万難を排しての参加をお願いします。ちなみにカラオケも用意しときますので、お得意の一曲も聴かせてください」とまぁ、何とも気配りのきいたご案内がまわってきた。

 国会閉会中は、なかなか議員同士、顔を合わせることはない。久しぶりにお互いにネタを交換したり元気な顔を見て、うまい酒をくみかわしたい。ましてや橋本総理の世間話にも耳をかたむけてみたいし、得意のカラオケも聴いてみたい。加えて私も日頃きたえたノドで「トゥモローネバーノゥズ」を熱唱して暑気払いしたい。うーんこりゃおもしろいぜ、と久々にうきうきしたのである。ところがところが。ちょうどその日は、地元の名山、白山へ後援会の皆と登山する日程がすでに入ってしまっていたのだ。すでに登山の案内を出し、宿泊の予約も入れてあったため、やむをえず平七会をキャンセルすることにした。すると景山事務所から連絡が入り「欠席は 馳さんとこだけですよ。なんとか都合つきませんか」と矢の催促。えーっ、俺だけ欠席かぁ!だだでさえ日頃態度がでかく生意気だ、と思われている俺だけいないとなると、みんなから「馳って協調性ないなぁ」と思われてしまう。どうしよう、どうしようと悩んでみたが、どうすることもできずに結局白山登山に行くことになった。

 下山した翌日、国会に戻ると、林芳正議員(山口)とばったり。「昨日の飲み会どうだった?」と聞くと、あんのじょうの答え。「いやーこなかったの馳さんだけだよ。橋本総理は興に乗って3曲も唄ってくれるし、みんな大さわぎして仲良く懇談してたよ。いやー馳さん残念だったねー」

 さて、みなさんならこんな時どっちを選ぶでしょう。政治家ってこういう大切な日程がバッティングすると調整に苦労するんだよね。それにしても総理の美声を聞きたかったなー

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