政治資金は“体”で稼ぐ

<7月5日デイリースポーツ掲載>


 国会議員の資産、所得が公開された。年収1億円を超える議員が5人もいるという新聞記事を読むにつけ、違う世界の夢物語のように思えてしまう。そういう私の年収は3200万円とちょっと。2109万円が歳費の合計であるので、差額の1100万円ほどが副収入ということになる。

 私の場合は、630万円がプロレスラーとしてのファイトマネー。残りが講演料やこうした執筆の原稿料。それからテレビやラジオ出演料。改めてお金を見て昨年1年間を振り返ってみると、よくも働いたもんだなぁの一言に尽きる。我々議員は土曜日曜や祝日といってもなきに等しく、女房の「ねぇ。また週末は地元なの。あーつまんない」のグチを耳にタコができるぐらい聞きながら働き通し、まさしく滅私奉仕の一年。稼いだお金がすべてではないけれど、やっぱりこうして形になってみるとちょっぴりホッとして、そしてまたうれしい気にもなる。

 ところが所得公開が新聞紙上を騒がせると、さっそく友人や支援者などから冷やかしの言葉が攻めてくる。皆さんよっぽど人の財布の中身が気になるのか。いや後援者にとっては私の場合「心配」になるらしい。
 というのも、私は政治家になる時に「企業献金はもらいません」という公約を大きく掲げ、それをかたくなに守っているため、次回の選挙資金や、日々の事務所の運営資金が十分賄えるのか、ということなのである。

 私は心配してくださる後援者に対して「政党助成金という形で国民から浄財をいただいているので、それ以上に企業から献金をもらうのはどうしてもできません。もし次回選挙をする時は、党営選挙に徹しますので、それ以外のお金は使いません。それで十分選挙運動ができなくて落選するというのならば、それもまた運命です。事務所の運営や、秘書の人件費は、私が体で稼ぎます。プロレスや講演、執筆などの仕事もできる限り議員活動の範囲内で頑張ります」と答えている。

 国会閉会中の今、私はプロレスの巡業に出ている。今週は大阪、愛知、石川とバスに揺られてドサ回り、というやつだ。ハンセンにラリアットを食らい、ジャイアントスイングで自らの目を回しながらも、私には使命感がある。日々の努力の積み重ねこそが充実した生き方でもあろう。お金を稼ぐのは確かにしんどいことだけれども、目的を持って仕事に励み、結果として収入があると考えれば、それもまた楽し、だ。

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