国立競技場に政局の嵐が!?

<6月21日デイリースポーツ掲載>


 第140回通常国会も無事終了した翌日のこと。2002年日韓ワールドカップサッカー大会の成功を祈念して、第1回政党対抗サッカー大会が国立競技場で開催された。参加5チームがハーフ10分(計20分)で日ごろの運動不足をものともせずに走り回った。その様子を記しておきたい。

 第1試合は新進党vs民主党。若さで勝る民主党が、新進党監督の坂本剛二氏(福島5区)のヤジにもひるまず3対1の圧勝。新進のキーパー松浪健四郎氏(大阪19区)ボールと一緒にゴール内に転がっちゃって大変。
 しかし口の方はやっぱり一枚上手。
 「昨日、殿様が逃げ出しちゃってもう、団結力なんてないよー。我々個人プレーばっかりだなぁー」などと、国会最終日に細川元首相が離党したことを皮肉ったりして。

 第2試合は自民党vs太陽党。自民党は橋本聖子、釜本邦茂、馳浩、小野清子と4人のオリンピック選手を抱えて体力で圧倒。加えて玉沢徳一郎氏(岩手1区)森喜朗氏(石川2区)衛藤征士郎氏(大分2区)の重量級がガードしているもんだから、太陽党のフォワード羽田孜党首は体当たりで転がされちゃって散々。でも、党首でフル出場したのは羽田さんだけということで他党から「やっぱり人がいいよなぁ。立派だ」と感心されていた。

 第3試合は民主党vs共産党。何といってもアットホームな赤の軍団共産党のチームワークは最高。体力的にも年齢的にも劣るものの細かいボール回しで最後まで民主党を苦しめ、党員一丸となっての応援でも他党を圧倒。勝ち目がなくても、瀬古由起子氏(比例)や石井郁子氏(比例)ら女性議員が懸命にボールを追いかけ、何と東中光雄氏(比例・72歳)までフィールドを転げ回る大奮戦。負けはしたものの、スポーツを心の底から楽しむフェアプレー精紳と年齢性別を超越した敢闘精神はさすが。そこにはスポーツの原点があった。

 さぁ、決勝は自民党vs民主党。強力フォワードが攻めまくる自民党優勢であったが、後半、玄葉光一郎氏(比例)の一瞬のスキを突いた貴重なゴールで民主党が優勝。若さの勢いを見せつけた。自民党は「民主党に花を持たせたのさ」「思いやり」と悔し紛れにグチったが後の祭りだった。

 閉会後の懇親パーティーでは、姿が見られなかった社民党(人数が集まらなかった)に話題が及び、だれかれとなく「党勢の象徴だなぁ」「いや、それって消長かも」とブラックジョークが飛んでいた。むむ、やっぱりその場にいないと何を言われるかわかったもんじゃないのが政界というところなのね。社民党さん、来年は出てね!

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