馳浩の生き方指南
航空管制官になるには


【質問】

 将来の夢は航空管制官になることです。高校へは普通科に進むつもりですが、その後どういうふうに進学すればいいのかわかりません。短大より4年制の大学へいき、英文科を選んだ方がいいのですか?

 私は特に英語が大好きで、ぜったいこの仕事に就きたいと思っています。(千葉・3年・ジュリエット)

 【回答】

 航空管制官とは、空港において航空機に対して、無線電話・レーダーなどにより、離着陸及び航空の安全に必要な指示を与え、また情報の提供を行うなどの交通管制業務に従事します。現在約1700人の航空管制官が空の安全を守るために大きな役割を果たしています。

 では、どうやったらこの職業に就くことができるか。2つの方法があります。1つは、20歳未満の人(一般的に高校卒業者)が対象となる方法です。すなわち航空保安大学校の航空管制科に入学し、国家公務員の身分を持つ学生として、給料をもらい授業料なしで勉強して、修了後運輸省の航空保安職員として各航空官署に配属され、所定の研修を受けて初めて航空管制官に任命される方法です。

 この大学に入るには、第1次試験として教養試験と英語の試験があります。第2次試験は人物試験と身体検査があります。倍率は96年度は13.2倍でした。試験対策ですが、国家公務員第三種試験が参考になります。

 次の方法が、21歳以上29歳未満の人(短大生・大学生)を対象としたもので、航空管制官採用試験に合格し、同じように航空保安大学校に国家公務員として入校して6か月の研修を受け、各署に航空保安職員として配属され、実地研修を受けて航空管制官になる方法です。試験は、第1次試験が教養試験と英語の試験(英文解釈・和文英訳・英文法)であり、第2次試験が、英語のヒアリング・簡単な英会話、人物試験・身体検査があります。倍率は96年度で123.3倍でものすごい倍率といえます。試験対策ですが、こちらは国家公務員二種試験が参考になります。

 以上みてきますと、あなたは、短大または大学卒業後航空管制官になろうとしていますから、航空管制官採用試験を受けることになると思います。そうすると、専門科目は特に英語の力が必要なので、大学の英文科を選んだ方がよいと思います。英語が大好きなのですから、その方がよいでしょう。しかし、教養試験は国家公務員二種試験レベルということですから、英語のほかに国語、社会、理科、数学などの知識も不可欠です。英語の勉強以外もしっかり勉強しておく必要があります。その意味では、高校は普通科を選択しようとするのは賢明です。とにかく高い夢にむかって、テーク・オフしてください。

英語力は不可欠。

その他の科目も手は抜けません。

(平成10年)3月22日掲載


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