馳浩の生き方指南
14歳になって心がおかしい私


【質問】

 私は学校にいると、とても気分が悪くなります。教室にいるだけで目がぐるぐる回って机の上に顔を伏せてしまいます。先生は『帰っていいのよ』といってくれます。家に帰るとほっとします。でも、このままではいけないと思って読書したりして気をまぎらわせています。14歳になってからの私は、とても心がおかしいのです。早く私立の高校にいき、美術を勉強するつもりです。早く高校にいきたいです。しかし、あと1年をどう過ごせばいいのでしょうか。(2年・BRAD PITT)

 

 【回答】

 あなたは、自分のことを『とても心がおかしい』といっていますが、どういう意味ですか。自分で自分のことをコントロールできないと思っているのなら、特に心配はないのです。むしろ、自分のことを自己否定しているのなら、それは大きな誤りです。

 14歳といえば、肉体的にはもちろん、精神的にも以前に比べ大きく変化(成長)するものです。だれしもが、その変化に戸惑うものです。そしてそのとき、その変化を自分の個性がいよいよ出てきたものと受けとめてほしいのです。

 たとえば、あなたに絵をかく才能があったとしましょう。この才能は、あなたを含めだれもが積極的に評価するでしょう。しかし、その才能は半面、他人と接触するのを嫌ったり、苦手とする側面を持っていたとしましょう。芸術家にそういう面は実際多く見られるところですが、この側面は、マイナス評価をされるでしょう。しかし、絵の才能と切り離すことのできない一体の性格でもあるのです。

 何がいいたいかといえば、現在あなたに表れている症状は、自分では意識していない才能のマイナス面が、まず最初に出てきただけと思ってほしいのです。そうやって、これも自分と、まず肯定してほしいのです。決して自分を追い込んではいけません。そして、マイナス面は少しでもなくなった方が精神的にも楽ですから、あせらず少しずつ努力をすればよいと思うのです。

 大切なのは、今の自分を自分自身がいたわり思いやりを持ってあげること。まるで、自分の無二の親友が今の自分のようになったと同じ気持ちで、親友に声をかけてあげるように、自分に声をかけてあげてください。人間に完全無欠の人はいません。過度の心配は、する必要はありません。ありのままの自分を素直に受けとめ、いたわり、そして、正しい方法で努力すればよいのです。

 中学生活のあと1年は、素直に自分と向き合い、頑張れるところは頑張る自分を作る1年にしてほしいものです。あなたのつらい気持ちもわかるし、一生懸命頑張っているあなたもよくわかります。頑張っているあなたを私はだれよりも評価します。困ったときには、いつでも相談に乗るからね。安心してください。

 

自己否定はダメ。

ありのままの自分を受けとめよう 

                    (平成10年)3月8日掲載


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