馳浩の生き方指南

バイオリン職人の夢、無謀ですか

【質問】

 実は私、バイオリン職人になりたいと思っています。中2の冬くらいから思い始めて、今まで図書館でバイオリンに関する本を読んできたのですが、読めば読むほど夢はふくらんでいきます。が、私は中3です。高校を卒業してからがいいかなと思う半面、なるべく若いうちからやりたいとも思います。だけどもちろん作ったことはないし、弾いたこともありません。それなのに実現したいっていうのは無謀すぎますか。あきらめたくないけれど、あきらめた方がいいんでしょうか。

(大阪・3年・デュオ・マックスウェル)

【回答】

 バイオリン職人になる夢をあきらめてはいけません。むしろ、もっともっと大きく育ててほしい。確かに、バイオリン職人になる人は、日本人では極端に少ないと思います。したがって、あなたを含め、あなたの将来を心配してくれる人は、あなたの夢に不安を覚えるでしょう。無理もないことと思います。

 しかし、だからといって、夢をあきらめる必要はないのです。どんな夢も夢である以上、大なり小なり不安はつきもの。むしろ不安が大きければ、その分、精いっぱいの努力をすると思うのです。逆に、不安が小さければ、『明日がんばればいいや』と先送りしてしまう危険もあると思うのです。つまりあなたの今おかれている生活環境は、あなたの考え方次第でプラスにもマイナスにもなるものなのです。ですから、必要以上の不安はもつべきではありません。むしろ、『自分は絶対にバイオリン職人になれるんだ』と強く信じてほしいのです。

 夢をかなえた人の話を聞くと、必ずといっていいほど、『自分は成功するんだ』と固く信じています。さらに、彼らは自分を過小評価してはいません。『自分には無理だ』と思った瞬間から、夢は遠のいているのです。失敗した人の話を聞いていると、だれもが心のどこかで『自分にはできない』と思っていることがわかります。

 以上まとめると、要はチャレンジする本人の考え方次第なのです。自分を信じ、大きく考えることができるかが、成否を分けるのです。いつも前向きにプラス思考で頑張れば、自然に道は開かれるのです。そして、いつもいいますが、そこでの体験・努力は、たとえほかの道にすすんでも役に立つものなのです。自分の限界に挑戦してください。

『絶対になれるんだ』そう強く信じること。自然に道は開かれる。

(平成9年)12月21日掲載


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