馳浩の生き方指南

NASAに入って宇宙で働きたい
【質問】

 将来、宇宙関係の仕事に就きたいと思っています。土井さんのように宇宙に行って自分の目で地球を見るのが夢です。日本にも仕事をするところはあるのですが、できればNASAで働きたいと思っています。けれど、NASAに行くために、どんな学校に入ったらよいかわかりません。宇宙へ行った日本人は、どのようにして行くことができたのでしょうか。

(東京・3年・Y・K.)

【回答】

 土井隆雄さんの日本人初の宇宙遊泳は見事だった。

 宇宙飛行士は、バレリーナのような繊細な働きが求められるという。そんな宇宙飛行士には、だれもがあこがれる。では、どうやったら、宇宙飛行士になれるのだろうか。

 現在、宇宙開発事業団が『宇宙飛行士候補者』を募集しており(平成7年度は一人募集)、この募集試験に合格しなければ、日本人としては宇宙飛行士になれない。この選抜試験は書類選抜から第三次選抜試験まである。一般教養・基礎的専門の両筆記試験、英語の筆記とヒアリング試験、さらには面接試験と身体上の医学検査・生理適性検査まである。

 そして、そもそもこの選抜試験を受けられる人自体が限定されている(応募資格あり)。理工や医薬学系の大学卒業以上で、これらの学問の研究などに3年以上の実務経験が必要なのである。さらに血圧・視力・聴力などが正常であり、協調性・情緒安定性などの心理学的特性まで要求されている。

 詳しいことは、宇宙開発事業団に聞いてほしいのですが、心・技・体が充実したかなりハイレベルの人でなければ、宇宙飛行士候補者になれないみたいです。なお、NASAで働きたいとのことですが、NASAの職員は基本的に米国の国家公務員で、当然米国国籍が必要であるため、物理的になるのは難しいことはおわかりいただけると思います。

 しかし、難しいからこそ挑戦しがいもあるわけです。土井さんの宇宙遊泳を見て、強く動機づけをして、頑張ってみるのも大切なことだと思います。また、これから将来、日本人飛行士の募集ももっと増えるだろうし、今ほど難しくもなっていないような気がします。

 『挑戦している人は美しい!』のです。人生という宇宙で華麗に遊泳(挑戦)してください。

かなりのハイレベル。でも難しいからこそ挑戦しがいがある。

(平成9年)12月7日掲載


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