絵は下手でもアニメの仕事がしたい

【質問】 
 中2の男子です。この夏、「もののけ姫」に感動して、将来はそのアニメ制作会社に勤めたいと思いました。でも僕は絵が下手で美術の成績もあまりよくありません。絵が下手でも、できる仕事はありますか。
 もし勤められなかったら、ひとまず自分で小説を書き、制作会社の人の目にとまって「この作品をアニメ化したい」といってくれるまで書き続けていようと思うのですが、考えが甘いでしょうか。(愛知・Hiroshi)
 
【回答】 
 今年の夏はアニメ映画の「もののけ姫」が大ヒット。この映画に触発されて、アニメ制作会社に勤めたいとの希望が多い。そこで今回、「アニメ作家」の仕事内容、アニメ作家になる方法について書いてみたいと思います。
  
 アニメ作家といってもマンガ家と異なり分業化されている。すなわちプロデューサー(製作者で全体の総責任者)、チーフディレクター(絵コンテなどをつくる総監督)、シナリオライター(脚本家)、アニメーター(原画マンと動画マンがあり、前者はカットごとのキャラクターを描く。後者は原画をもとに、そのカットのキャラクターの動きの絵を描く)、作画監督(アニメーターを指揮して絵を描かせたり、キャラクター作りもする)、そのほか美術監督、背景描き、彩色する人、コンピューター・グラフィックス製作者などがあります。
  
 実にたくさんの人がかかわっているのですが、アニメ作家の世界は、入り口が彩色や動画マン、頂点が作画監督やチーフディレクターといわれています。きみたちが、最終的にどの職種をめざすにしろ、まず入り口になる職種から始めることになると思います。

 そのためには今の段階では、絵の勉強をして、絵の基本となるデッサン・スケッチ、自分の好きなキャラやメカの模写(特に体の動きを描くことを中心に)をやってほしいですね。

   
 そのほか、読書・映画・音楽といったものに広く関心をもってほしいです。その後、アニメーター科やシナリオ科のある専門学校などに通い、アニメ制作会社が募集するアニメーター見習いになり、頑張って正社員になれば晴れてアニメ作家になれるでしょう。

 あなたは、絵が下手といいますが、練習すれば良いのです。何事も、まずは精いっぱいの努力です。また、絵が下手だから小説家・脚本家になりたいとは、はっきり言って安易な甘い考えです。両者は全く別の才能が必要であり、要は自分の才能を生かした職種を選択するのがベストなのです。

 努力しながら自分の才能を探してください。これこそ「自分探しの旅」なのです。

 

絵はとにかく練習。精一杯の努力をして自分の才能を探そう


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